公務員の仕事内容

公務員のメリットとデメリット!子育て重視の女性に圧倒的メリット。

こんにちは、元公務員のシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は公務員のメリットとデメリットがテーマです。

 

公務員になりたい方にとってみれば、安定などメリットの部分がとても光って見えていると思いますが、あらゆる物事には表と裏があります。

デメリットも把握しておくことは、最初の選択を見誤らないためにはとても重要なことです。

 

県庁における10年近い勤務経験や、現役市役所職員の妻を見て感じたこと(特に出産〜子育ての様子)も踏まえ、公務員のメリットとデメリットについて書いていきます。




公務員のメリット

まずは公務員のメリットについて、「仕事・お金・恋愛・子育て」の切り口から見ていきます。

 

仕事面のメリット

  • 様々な種類の仕事を経験できる(自治体経営(主に企画、財政、人事)、商業振興、医療・福祉、議会、道路や橋を作る部署、農業、林業、文化振興などなど)
  • そのため、どのような分野においても、こうやればスムーズに物事が進むという本質を見抜く目や手法を養える
  • 仮に嫌な部署であっても定期的に異動ができる(3〜4年スパン)
  • 数字(ノルマ)に縛られない
  • 凄く大変だと言われるような仕事であっても、根性を出してひたすら頑張ればなんとかなるようなケースが多い(成果を出してナンボという民間との大きな違い
  • 前例踏襲で済むケースが多いので、慣れると凄くラク
  • 出世は40歳を過ぎるくらいまで横並びなので、同期たちとの格差を感じない

 

僕は銀行にも出向していたので、そこと比較して特に大きいと感じたのが数字(ノルマ)の部分ですね。(銀行のノルマは本当に強烈です)

数字に縛られないという部分が公務員の精神衛生面に大きなゆとりを与えているのは間違いありません。

 

お金面のメリット

  • 年功序列で給料が増えていく
  • 40歳ちょっとで650万円くらいの年収を得られる
    (→地方公務員全体の平均です。国家公務員は若干高め。官僚なら40歳で900万円くらい。)
  • 不景気の場合は若干給料が下がるが、そこまで大きくは下がらないし(あのリーマンショック後の2年で見ても、平均年収で計20万程度のダウン幅)、クビにもならない

 

 

過去の給与推移等を見ても、高水準で安定しているのは事実です。

ごく普通に生きていく上で生活に困るということはまずありえないでしょう。(具体的な生活イメージを知りたい方は以下記事参照)

 

恋愛面のメリット

  • 出会いの場が多い
    (→男女半々くらいなので、職場や同期との出会いが結構ある。また、公務員は合コンしたい企業ランキングの上位に入ることも多く、実際結構な頻度で合コンが開催されている)
  • 20代での結婚率が高い
    (→あくまで僕の周りですが、男性の知り合いはほとんど20代もしくは30代序盤で結婚してました)

 

子育て面のメリット(主に女性)

  • 産休、育休をしっかり取れる
    (→組織文化として完全に受け入れられているため、別に職場の空気を読む必要はない)
  • 育休は大半が1年以上、3年取る人も20%近くいる(地方公務員のケース)
  • 育休明けでも、時短勤務などの対応をしてもらえる
  • 異動時に子育て重視の希望を反映してもらいやすい
    (→この仕事をやりたいから◯◯課に行きたいと言ってもほぼ反映されませんが、女性が子育てのためにある程度ゆとりのある部署に異動したいというのは反映してもらいやすいです)
  • 男性の場合でも、部署によっては育休を取ることは十分可能
    (→別に部署によらずとも制度上は可能ですが、現実的に男性の育休取得率は2%程度と、仮に暇な部署であっても取っていない人が大半です)

 

公務員は、子育てをする女性をサポートする仕組みがとにかくしっかりしています。

これは、実際に妻の様子や他の職員の方の様子を見ていて感じたのはもちろん、出向していた銀行と比べても圧倒的な差を感じました。

 

働く女性のための子育て施策を制度設計し、民間企業に対しても推進している公務員の側として、絶対に制度と矛盾する行いをすることはできません。

 

もちろん民間企業においても、育休などの法律は適用されますが、法律と実態は異なります。

実際問題としては働きたくとも辞めざるを得ない方が多いのが現実です。

 

公務員において、妊娠・出産を契機にやめざるを得なくなるような心配は一切ないと言ってもいいです。




公務員のデメリットについて

次に、公務員のデメリットについて触れていきます。

 

仕事面のデメリット

  • 3〜4年で異動することになるので、1つの物事を極めることができない
  • 数字という大きなプレッシャーが無い分、あまり成長しない
    (→これは銀行の若手と比較してリアルに感じたことです)
  • いくら能力が高くても、若くからガンガン出世することはない
  • 世間の目が厳しい(特に直接住民と接する部署)
  • 前例踏襲の考え方が染み付いており、組織風土的に新たなことがやりづらい
    (→もちろん組織によりますが、公務員全般の傾向です)

 

お金面のデメリット

  • 若くから出世することがないので、給料が急激に増えることもない(40歳過ぎくらいまでは横並び)
  • 安定はしているが、飛び抜けたお金持ちにはなれない(国家公務員なら官僚のトップである事務次官で2千数百万、地方公務員なら、事務方トップの副知事や副市長で1千数百万、その次の局長や部長で年収1000万を超えるくらい)

 

仕事の部分も含め、能力主義・成果主義を強く持っている方にはあまり向いていません。

 

恋愛面のデメリット

  • 早々と結婚をしてしまえば、その後大きな決断が取りづらい(例えば転職や起業など)
    →これを感じるのは少数派ではありますが

 

子育て面のデメリット(主に女性)

  • 正直ほとんど無いと思います。
  • 本気でバリバリと出世したい女性であれば、長期の育休取得がキャリアに響くというのはあるでしょうが、そもそもとして女性の幹部自体がめちゃくちゃ少なく、育休(子育て)だけに依存している問題ではありません。(民間も含めた日本の組織構造的な問題です)




メリットとデメリットのどの部分を重視すべきか?

以上、メリットとデメリットをざっと書いてきましたが、メリット・デメリットをどのように見るべきかについて書いていきます。

 

あらゆる物事は表裏一体

あらゆる物事には必ず表と裏があります。

上記のメリットとデメリットもその点を対比させる形で書いてきました。

 

例えば、

メリット デメリット
3~4年で異動して色々な仕事をやれる 一つのことを極めることができない
給与や出世が横並び 能力があってもなかなか上に行けない
給料が安定 トップの人でも突出した給料はもらえない
前例踏襲文化のため、一旦覚えてしまえば仕事が楽 新たな取り組みがしにくい
結婚しやすい 人生が早々に固定化する

といったことですね。

 

なお、公務員の仕事に限らず、世界のあらゆる物事にはプラスとマイナスの面があるという点は、人生におけるあらゆる決断の場面において通用する知恵です。

 

絶対に譲れない部分(自分の中で重視する価値観)を見極める

メリットとデメリットを比較する際に最も重要なのは、メリットの中に自分の価値観として絶対譲れない点があるか、もしくは、デメリットと感じるものの中に、自分の価値観として絶対に譲れない点はないかという点です。

 

例えば、ある職業を選択しようと思っている時に、メリットが5つ、デメリットが5つあるというケースを考えて見ます。

※「(メリット)安定がある⇔(デメリット)自由である」のようにそれぞれが表と裏の関係を想定

 

そのうち4つにデメリットを強く感じた場合であっても、残り1つのメリットが自分の中で最も優先する価値観に近いものであれば十分にその仕事でやっていけます。

 

逆に、メリットが4つあっても、残り1つのデメリットが絶対に譲れない価値観とズレていれば、それは辞めることになるか、病気になってしまうかといったところでしょう。

(少なくとも、その仕事を続けていて幸せな人生にはなりません)

 

具体的に公務員の行政職に関して言えば、以下のような感じになります。

  • とにかく色々な仕事を経験してみたいという価値観が最も重要な人には向いていますが、陶芸家のように一つの物事を極めていきたいという価値観が最も重要な人には向いていません。
  • 自分で何かを売って数字を上げることに最も大きな価値を感じる人であれば、数字で評価されない仕組みの公務員は向いていません。(一方、ノルマは絶対嫌だという人には非常に向いています)
  • とにかく働きながら安定した給与をもらって子育てができればいいというのが最も重要な価値観であれば、他のデメリットは全て目をつぶることができるでしょう。

 

最も重要とする価値観について、まずは自分自身にしっかりと問いかけを行ってから、上で詳しく書いたメリットとデメリットを点検していきましょう。

 

なお、僕の場合、安定や社会的地位などにメリットは感じていましたが、一方で前例踏襲の仕組みがとにかく嫌で(積極的な攻めに繋げる前提の前例踏襲ならいいですが、これ以上新たなことをやらないための前例踏襲というのが性格的にダメでした)、これが致命的な価値観のズレであったため最終的に辞めました。

 

また、経営の神様ドラッカーも、若い頃はロンドンの投資銀行で働いていて、しかも成功していたにもかかわらず、自分の価値観とズレていることに悩み、その後のアテも無いのに退職しています。

なお、後日そのことを正しい行動であったと評価した上、優先すべきは価値観であると断定しているのは注目すべき点です。

 

それくらい価値観は重要だということです。

 

自分にとって重要な価値観のあぶり出し方

なお、自分の大切にしている価値観というのは、自分の幼少期からの経験をしっかり振り返っていけば自ずと分かるものです。

 

どんなことが嫌で、どんなことが好きだったのか。

絶対に嫌なもの(やりたくないこと)を書いていくと、その逆として自分にとって本当に大切なものがあぶり出されるのでオススメです。

 

なお、外部の力を安く(2000円程度)借りたいということでしたら、有名どころではストレングス・ファインダーというテストを使うという方法があります。

本にアクセスコードがついていて、インターネット上で才能テストが行えます。180問の設問があり、全体で30~40分程度かかるかなり細かなテストです。才能の解説や活かし方は本に書いてあります。

 

ドラゴン桜や宇宙兄弟を手がけた編集者、佐渡島庸平さんが社長を務める株式会社コルクにおいても、採用時にストレングス・ファインダーを活用しているようです。

ここで出てくる才能は、自分の価値観とも密接な関係にありますので、客観的な手法で自分を知るという点から非常にオススメです。

 

なお、僕の診断結果は、「未来志向」「自我」「個別化」「最上志向」「収集心」でした。

→最上志向あたりがかなり組織の考え方とズレてましたね。

 

おわりに

公務員のメリット・デメリットを改めて見てみると、特に(女性の)子育て面はかなり恵まれていると思います。

子育てに強い価値観を置いている女性には本当にオススメできる職場です。

 

僕も子育ては最も価値の高い仕事の一つだと思っていますので、そういう組織風土には強く賛同しています。

 

問題は仕事とかお金の部分ですね。

ここは自分の大切にする価値観とズレるとどうしようもありません。

 

これから公務員になりたいと思う方は、よく自己分析をしてその点を見極めてくださいね。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

>>公務員の適性(向き・不向き)をまとめた記事はこちらです