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公務員で年収1000万を超えることは可能?ハードルはかなり高い!

こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は公務員が年収1000万を超えることは可能か?について取り上げます。

 

高給取りの目安とされる年収1000万円。(→統計によると、それを得ているのは全労働者のうち4%ちょっと)

果たして公務員も夢の1000万プレーヤーになれるのか?

 

国や自治体が公表している給与モデルに基づき分析していきます。




国も地方も1000万を超えることは可能だが、相当ハードルは高い

国家公務員なら官僚になって45歳前後で到達

まず国家公務員についてです。

以下、内閣官房が出している国家公務員のモデル給与です。

国家公務員の給与(平成30年版パンフレット)」(内閣官房内閣人事局)より抜粋

50歳本府省課長で1000万円を超えている事が分かります。

→実質的には45歳近辺で課長クラスになるケースが多いです。

 

国家一般職(=ノンキャリア)から本府省課長になる例は非常に少ないため、国家公務員で1000万プレーヤーを目指したいなら、国家総合職(=キャリア官僚)試験に合格して45歳前後まで勤務するというのが結論になります。

 

なお、上のモデルには載っていませんが、課長補佐と課長の間に、企画官(40歳頃)や室長(42~43歳頃)といった役職があり、企画官が年収900万円ほど、室長がギリギリ年収1000万円行くか行かないかといった感じです。

 

ちなみに官僚の出世の流れですが、本府省課長級くらいまでは横並びで出世していき、そこから肩たたきが始まり(外郭団体へ出向=出世レース脱落)、生き残った1人が事務次官になっていきます。

 

そのため、官僚になりさえすれば実質的には1000万円プレーヤーになることが約束されていると言えます。(仕事はめちゃくちゃ大変ですが・・・)

 

一方、国家一般職で1000万プレーヤーになりたければ、同じノンキャリアの中で仕事ぶりが圧倒的に優秀である必要がある上に、なれたとしても50代中盤から後半といったところです。

 

道のりとしては、暗記だけで済む側面がほとんどの公務員試験を頑張って官僚を狙うほうがむしろ楽(と言っても大変ですが)でしょう。

 

地方公務員なら局長・部長級

次に地方公務員です。

自治体で公表されているモデル給与例をいくつか掲載してみます。

東京都

東京都人事委員会事務局ホームページより抜粋

 

群馬県

職員の給与等に関する報告及び勧告の概要(平成29年)」(群馬県人事委員会)より抜粋

 

千葉市

平成29年職員の給与に関する報告及び勧告の概要」(千葉市人事委員会)より抜粋

東京都(都庁)は、都道府県庁の中で平均年収ナンバー1です。

財政面が豊かということもあり、順調に出世すれば早い段階(45歳課長)で1000万超えが狙えます。

 

しかし、東京都のようなところはむしろ少数派、その下の群馬県や千葉市のほうが多くの自治体に近いケースだと言えます。

 

つまり、地方公務員で年収1000万円が欲しいなら、55歳前後で局長や部長級になる必要があるという事です。

 

モデル年収とさらりと書いてありますが、局長とか部長級になれるのは本当にごく一握りです。

同期が100人いたらせいぜい数人といったイメージでしょうか。

 

官僚の場合、なってしまえば一定のところまで出世しますが、地方公務員の場合は実力勝負、出世競争を勝ち抜けなければ年収1000万円を得ることは不可能です。

 

なお、部長・局長の上には副知事・副市長・教育長といった「特別職」というものがあります。

 

部長・局長や校長経験者が定年後に就任するケースが多く(官僚が出張ってくるケースも多い。たまに超若い副市長がいたりしますがこれです。)、知事や市長よりも給料は少ないですが、部長・局長よりも高い給料を貰うことになります。

 

ただ、こちらは部長・局長になるより当然ハードルが高く(イメージとしては部長や局長のうち1人だけがなれるという感じです)、国で言うところの事務次官級とだと言えます。




1000万円は簡単ではないが、高い位置で安定している

国家公務員も地方公務員も年功序列で給料が伸びます。

以下の記事で年齢別の年収を詳しく算出していますが、50歳くらいなら平均して年収800万円くらいがもらえます。

 

先ほど国家なら官僚になって激務をこなる必要があるとか、地方なら部長・局長を目指して出世競争に勝ち抜く必要があると書きましたが、それはあくまで年収1000万円を狙う場合の話です。

 

普通にやっていても50歳で800万円近く貰えるというのは、むしろ多数の人にとって魅力的な側面があると言えるでしょう。

 

とにかく1000万円が欲しいという人は公務員向きではない

目標に対して時間がかかりすぎて非効率

20年30年先でも構わないが結果的に1000万円に到達できればいいという話なら公務員の選択もありですが、1000万円稼ぐということにこだわるなら公務員という選択は非効率です。

 

例えば、メガバンクなり商社なりであれば30代で、起業家なら20代でも十分稼げる数字です。

そのように、実力さえあれば若くして1000万円稼ぐことのできる仕事はたくさんあります。

 

もし1000万円の年収が重要なターゲットである人の場合であれば、その成果は早めに達成した方がいいです。

早い時点で達成すれば、また新たな年収目標なり、全く違う観点の目標(精神面や家族面など)を立てることができますから、どんどん人生を前に進めている充実感で心を満たせます。

 

しかし、公務員では1000万円という目標達成にあまりにも時間がかかりすぎます。

そのため、目標と成果の関係が徐々に曖昧になります。

そして、おそらく途中で飽きてきてしまう可能性が高いです。

俺は必ず1000万プレーヤーになるんだ!と決めて、それだけを目的に20年とか30年とか頑張るのはキツいですよね。

 

公務員で1000万貰うような人たちは、お金ではなく、仕事の何かに目標を置いて懸命に頑張ってきたことで、結果的に出世をして1000万貰っているような人が多いということは理解しておきましょう。

 

年収1000万円を達成したいなら自転車ではなく飛行機に乗れ

年収1000万円を達成することを東京から北海道に向かう旅として例えるなら以下のような感じになります。

  • 公務員で1000万を狙う人=自転車で向かう人
  • 公務員以外(メガバンク、商社、起業など)で1000万を狙う人=飛行機を使う人。一方で飛行機代を支払う必要あり(=成果次第)。飛行機代が払えなければ全く前に進めない。

  • 公務員で1000万を達成する人=自転車の旅自体が目的で、結果的に北海道にも着いた人。
  • 公務員で1000万を達成できない人=青森や秋田までは辿りつけた人。飛行機代が払えなくて全く前に進めなかった人に比べればゴールに近づいた分ご褒美が出る。(=年功序列、50歳で800万円の年収)

1000万円が欲しいのであれば、飛行機代がかかろうとも飛行機に乗るのが最も合理的な選択肢ということです。

 

仮に青森や秋田でもいいや、リスクヘッジになるし・・・という考えの人は公務員向きかもしれませんね。




公務員になりたい人や、公務員からルートを変更したい人へ

以上を踏まえ、「長期目線でいいので1000万円、もしくは安定した高給が狙える公務員を目指したいという方」および「現在公務員だが、最短で稼ぐために民間へルートを変更したい」という方へオススメの記事は以下です。

安定の公務員にぜひなりたい、転職したい!と思ったら

公務員になりたいと思っている方向けに、公務員試験対策や公務員予備校についてまとめた記事はこちらです。

また、社会人から公務員を目指す方の場合、まずは全体像を掴むために以下の記事は必読です。

 

公務員よりも良い条件の民間に転職したい!と思ったら

公務員時代に比べ好条件(給与面も、時間のゆとりの面でも)の民間企業へ転職を成功させた元公務員たちにインタビューした以下の記事がおすすめです。

内定までの流れや、彼らが使用したオススメ転職サイトなどについて解説しています。

 

まとめ

年収1000万を公務員で達成するには、、、

  • 国家公務員の場合、官僚になって45歳くらいまで頑張る
  • 地方公務員の場合、55歳くらいで部長級になるまで頑張る(=同期トップクラスまで出世する)
  • 年齢はいくら優秀であってもほとんど変わらないので、1000万円を早めに達成したいなら公務員はやめておくべし

以上です。

 

公務員の場合、仮に部長などにならなくても50歳で800万近く貰えると書きましたが、その一方、若い時にあまり多くの金額は貰えません。(横並びなので優秀でも差はつきません)

 

つまり、お金を主眼としている場合、公務員ではモヤモヤする期間が長すぎてあまり向いていないです。

 

特にこれから公務員を目指す方であれば、自分は何を求めているのか(→「公務員として何か成し遂げたいことがある」「高給が稼げなくても安定した暮らしを実現したい」「どうしても高給が欲しい」)をきちんと分析した上で、手段として公務員なのかそれ以外なのかを選択する必要があります。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

>>「公務員の給料の全て」をまとめた記事はこちらから(筆者が32歳で県庁を退職するまでに築いた資産のリアルも掲載)