こんにちは、元公務員のシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、公務員の初任給がテーマです。
初任給に関して気になるであろう全てをまとめました。
- 国家公務員の初任給(総合職と一般職)
- 地方公務員の初任給(都道府県、指定都市、市、町村別)
- 初任給と手取りの関係(初任給の額はあまり差がなくても、実は手取りが全然違う!)
- 初任給の支給時期(4月分は日割り支給!?)
↓以下動画でも解説しています!(内容は記事と同じです)
国家公務員の初任給
国家公務員(行政職)の初任給
学歴区分 | 初任給 |
総合職(院卒) | 213,000円 |
総合職(大卒) | 186,700円 |
一般職(大卒) | 182,200円 |
一般職(高卒) | 150,600円 |
人事院「令和元年人事院勧告 国家公務員の初任給の変遷(行政職俸給表(一))」より
なお、官僚=総合職(大卒)と一般職(大卒)は初任給で見るとさほど変わりません。
一方で、出世には異常な差があるので、どんどん給与格差が広がります。
国が示すモデル給与例で見れば一目瞭然。
総合職の35歳課長補佐は年収720万、一般職の35歳係長は年収450万です。
地方公務員の初任給
都道府県(一般行政職)
学歴区分 | 初任給 |
大卒 | 184,574円 |
短大卒 | 164,190円 |
高卒 | 150,627円 |
総務省「平成30年地方公務員給与実態調査」より。以下同じ。
指定都市(一般行政職)
学歴区分 | 初任給 |
大卒 | 180,643円 |
短大卒 | 160,533円 |
高卒 | 147,807円 |
市役所(一般行政職)
学歴区分 | 初任給 |
大卒 | 181,597円 |
短大卒 | 162,159円 |
高卒 | 149,558円 |
町村役場(一般行政職)
学歴区分 | 初任給 |
大卒 | 179,295円 |
短大卒 | 160,275円 |
高卒 | 148,021円 |
初任給と手取りについて
初任給と、手取りのベースになる月収(=給与)は違う!
なんだ、どこもそんなに初任給って変わらないんだと思われた方がいるかもしれません。
しかし、初任給というのはあくまで「給料」のことを指します。
給料に各種手当(例えば、物価調整のための地域手当、アパートを借りていれば住宅手当、子どもがいれば扶養手当など)が加わったものが実質的な月収(=給与)です。
これが手取りのベースになります。
特に「地域手当」がポイントです。
例えば国家公務員の場合、特別区内勤務であれば給料×20%の額が貰えたりします。
都庁や指定都市などもこの地域手当が高いです。
一方で、町村ではこれがほぼつきません。
その点を踏まえた上で、以下で手取り例を見ていきます。
初年度の手取り例
勤務初年に貰える手当は、地域手当、超過勤務手当(残業代)、住居手当(アパート借りる人のみ)のみという方が多いと思います。
残業代と住居手当は人によってバラツキがあるため、地域手当のみを貰うケースに単純化して4月の手取りの例を計算してみます。
区分 | 4月手取り例 |
国家公務員一般職(大卒)(本省勤務) | (182,200円+地域手当20%)-5000(税金)=213,000円 |
国家公務員一般職(大卒)(5級地勤務=広島・福岡・京都など) | (182,200円+地域手当10%)×-5000=195,000円 |
都道府県(大卒) | (184,574円+地域手当5%)-5000=189,000円 |
指定都市(大卒) | (180,643円+地域手当10%)-5000=194,000円 |
市(大卒) | (181,597円+地域手当4%)-5000=184,000円 |
町村(大卒) | (179,295円+地域手当1%)-5000=176,000円 |
※地域手当の率は地方公務員給与実態調査などから概ねの平均値を採用
※なお、新規採用の場合の4月の税金はざっくり5000円程度なのでそれで計算してますが、5月からは年金と健康保険料も引かれる(計3万円程度)ため、一気に減りますのでご注意を。
こう見ると、初任給は同じくらいでも、手取りで見るとそれなりに差が出てくることが分かりますね。
また、ボーナスは「(給料+地域手当+扶養手当)×支給月数」という計算式で決まるため、こちらにも地域手当の差は直結してきます。
つまり初任給があまり変わらなくとも、地域手当の影響で月収・ボーナス、ひいては年収に大きく差が出ます。
最終的に生涯年収ベースで見た場合だと、例えば指定都市(地域手当平均10%程度)と町村(地域手当平均1%程度)では5千万円近い差につながってきたりします。
地域手当の目的は物価を調整することです。
要は、地域手当が高いところは、家賃やら土地やら各種物価も高いため支出も大きいわけです。
例えば、都内の土地と町村の土地を比べれば、同じ面積でも数千万円の差があるなんてことはザラです。
お金において重要なのは収入ではなく、(収入−支出)の額ですので、その点も踏まえて見る必要があります。
初任給はいつ払われる?
国家公務員は4/16~4/18、地方公務員は4/21が多い
公務員の給料日は以下の通りです。
- 国家公務員は省庁により異なるが、16~18日のいずれか。
- 地方公務員は自治体により異なるが、21日が多い。
ということで4月の給料も上記の日に支払われます。
その際、「16日支給のところは日割りで半分くらいしか貰えないのか?」と言えばそんなことはありません。
きちんと月額全額が貰えます。(実質前払いする感じですね)
なお、公務員の場合、最初の2週間とかは研修をやってるケースが多いです。
そのため、4月は正直ほぼ何にもしないのに給料だけもらえるといった感じですね。
おわりに
以上、公務員の初任給データでした。
正直初任給の額はアテにならないというか、ポイントは「地域手当」にあるということです。
例えば、初任給は県庁のほうが指定都市よりも高いわけですが、生涯年収で見ると指定都市のほうがずっと高くなります。
給料が気になる場合、このように長期目線で捉えることが大切です。
(例えば、指定都市に勤務して、市から少し離れたところに家を持つというのはコスパとしては良い考え方ですよね)
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
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↓国家・地方公務員の年齢別給与・年収や生涯年収など、「ありとあらゆる公務員給料データ」をまとめた記事はこちら(多分日本一詳しいです)
↓公務員になりたい方向けに、公務員試験対策や公務員予備校について以下でまとめています。(僕自身は国家総合職の1次上位合格、県庁2位合格、大手予備校模試関東2位といった実績があるため、その辺りが記事の信頼性担保に繋がるかなと思います)
↓社会人(民間・公務員・フリーターなど)から公務員を目指す方の場合、以下の記事から読むのがおすすめです。(特に無料ハンドブックは社会人が試験を目指す時の全体像が詳しく分かるのでぜひどうぞ)