公務員の出世・学歴

警察官の出世には高卒・大卒の学歴関係なし!【元警察官に聞きました】

こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は、警察官の学歴と出世の関係がテーマです。

本記事の内容

  • 警察官の出世には学歴は関係ない?
  • 警察官の出世の仕組み
  • 警察官の学歴と給料

知り合いで元刑事YouTuberのやまよしさんに確認したお話に基づき書いていきます。




警察官の出世に学歴は関係ない?

警察官の出世に学歴関係なし!

早速今回の結論です。

 

元警察官YouTuberのやまよしさんにお伺いしたところ、

警察官の出世に関し、高卒か大卒かの学歴は一切関係ない

とのことでした。

 

高卒でも、実質的なノンキャリアのトップである警視正(=県警本部の部長、警視庁参事官など)まで出世する人はいるそうです。

(さらに言うと、警視正の上に警視長という階級があり、これがノンキャリアの最高階級です。高卒で警視長になった方のデータは確認できませんでしたが、高卒で警視正になれるのなら警視長にもなれると捉えていいと思います)

 

県庁では学歴差を感じた

僕は元県庁職員ですが、勤務当時の事務方トップクラス、つまり副知事と部局長(計10名ほど)は全て大卒でした。

大学名自体にはバラツキがありましたが、少なくとも高卒の方がいなかったのは事実です。

 

また実感としても、高卒の方はその能力にかかわらず、大卒に比べ明らかに出世が遅いのを感じました。(特に40代後半から目立ってくる)

→「大卒で優秀な人」と「高卒でより優秀な人」を比較した場合、前者のほうが出世は早い傾向にありました。

 

警察官の出世の仕組み

警部までは昇任試験、警視からは選考試験

警視庁や道府県警で採用(=ノンキャリア)された場合、階級は巡査から始まります(高卒・大卒とも同じ)。

 

その後、

「巡査部長→警部補→警部」

の順で出世をしていくわけですが、それぞれに昇任試験があります。

 

昇任試験の内容としては、刑法などの法律や警察実務などの筆記試験、拳銃の実技、面接などです。

まさに実力主義に基づく競争試験です。

補足

高卒の人が巡査部長の試験を受けるには巡査で4年半の勤務が必要、大卒の場合は2年の勤務が必要など、学歴によって求められる経験年数が異なります

 

なお警部以降になると、

「警視→警視正→警視長(ここがノンキャリアの在職中におけるトップ階級)」

の順で出世をしていくことになりますが、これらは全て「選考」によるものとされています。

 

要は、能力が高いと上司に認められた人が出世するわけですね。

 

なお、以下の記事では階級と出世目安年齢について書いていますので別途参考にしてください。

 

キャリアは学歴主義

高卒・大卒ともに出世差はないというのはあくまで警視庁や道府県警採用のノンキャリアのケースです。

 

キャリア(=国家公務員総合職を突破して警察庁に採用される)は根本的に仕組みが異なります。

 

キャリアの場合、採用試験段階で大卒や院卒であることが最低ラインです。(=国家総合職は理屈上高卒でも受かりうるのですが、実質的にほぼ存在しません)

 

さらに、入庁した後も大学名は非常に重要な役割を果たします。(以下の記事を見れば、警察のトップは基本東大だというのが分かると思います)

 

キャリアとして警察庁に入ることさえできれば、先ほどノンキャリアではほぼ存在しないと書いた「警視長」に全員が出世します。(途中で退職したり、外の団体に飛ばされたりする方もごく僅かいるようですが)

 

つまり、警察組織で本当に上まで出世をしたいのであれば、警察庁に入るのが最短最速かつ唯一無二です。(難易度はめちゃくちゃ高いですが、、、)




警察官の学歴と給料の関係

高卒警察官と大卒警察官の給料の差はどれくらいか?ということで、生涯年収などを比較した記事は以下です。

 

これを見ると、ホント学歴関係ねーなぁと思う方も多いと思います。

 

おわりに【なぜ学歴差がないのかを分析】

キャリアはともかくとして、

「どうして県庁(やその他多くの行政組織)では学歴による出世差があるのに警察にはないのか」

ということを僕なりに考えたのですが、一つのヒントとなったのが以下のやまよしさんの動画です。

こちらは、チケット詐欺に遭われた方の被害届が受理されなかったことに対し、やまよしさんが物申す動画なのですが、この中でやまよしさんの実体験が語られます。(10:53秒より)

 

その内容は、

  • お金を払ったのに品物が送られず、その後相手と連絡がつかなくなってしまったネット上の取引について相談に来た方に対し、交番の方は対応が面倒なので帰らせてしまった。(やり取りの記録も残っているにもかかわらず)
  • 刑事のやまよしさんに、交番の方がその経緯を報告。
  • やまよしさんは交番の方を強く叱り、被害者の方を呼び戻すよう指示。
  • 交番の方は刑事課長からも怒られ、さらに交番を所管する地域課の課長からも怒られ、あげく副署長からも職務怠慢だとこっぴどく怒られた。

というものです。

 

このエピソードから読み取れるのは「やることをやらなければ厳しく対応する」という警察組織の明確な意思です。

行政公務員の場合この点が曖昧です。

仮に、本来対応すべき相談を受けずに住民の方を返してしまった場合でも、直属の上司との間だけで解決をはかったり、課長まで報告しても次は気をつけろくらいの軽い注意を受けて終わりで済んでしまうケースが多いと思われます。(もちろん案件にもよりますが、全般的な傾向として)

 

「ダメなものはダメ」と曖昧さを嫌う警察組織の傾向こそが、「学歴」という仕事の能力には無関係の曖昧なものを排除することに繋がるのではないかと感じたところです。

(もちろん白黒をハッキリすることによる弊害もあったりするのだと思いますが)

 

どちらにせよ、学歴関係なく能力次第で上まで出世できるというのは非常にフェアですし、個人的にはとても魅力的だと感じました。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

>>警察官の給料や階級制度などについてまとめた以下の記事もオススメです。