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今回は、「警察官になるにはどうすればいいのか」がテーマです。
「警察官になるためにはどんな試験を受ける必要があるのか?」「試験の日程・概要は?」「具体的な試験科目は?」「合格に向けた対策は?」といった点について以下で詳しく書いていきます。
警察官になるにはどうすればいいのか?
公務員試験に合格するべし
結論から言うと、公務員試験(筆記試験・面接試験・体力検査)に合格すれば警察官として採用されます。
なお、採用後はすぐに勤務が開始するわけではなく、警察学校における半年の寮生活(高卒や短大卒だと10ヶ月)を送ることになります(家が近くであっても絶対入寮です)。
それが終了すれば、晴れて警察官としての勤務(最初は交番勤務が多い)が始まるということになります。
ちなみにですが、知り合いの警察官の話では、警察学校の段階で辞める人も結構いるとのことです。
警察官になりたいなら、寮において規則に縛られた集団生活を送る覚悟は必要ですね。
国家公務員か地方公務員か
警察官は、国家公務員警察官(=警察庁所属)か地方公務員警察官(=都道府県警所属)の2つに大きく分かれます。
前者なら国家公務員試験、後者なら都道府県警ごとに実施される地方公務員試験に合格する必要があります。
まず、国家公務員の場合ですが、キャリア警察官と準キャリア警察官に分かれます。
キャリア警察官になるには、国家公務員総合職試験を受け合格し、その後警察庁での面接を突破する必要があります。
なんと大卒でいきなり警部補(巡査の2階級上。古畑任三郎と同じです(笑))になりますす。
準キャリア警察官になるには、国家公務員一般職試験を受けて合格し、キャリアと同様警察庁での面接を突破する必要があります。
こちらは大卒で巡査部長(巡査の1階級上)となります。
次に、地方公務員の場合ですが、各都道府県で行われる警察官採用試験を受けて合格すれば、合格したところの都道府県警(都は警視庁のことです)に配属されることになります。
いわゆるノンキャリア警察官であり、一番格下の巡査からスタートです。
大多数が地方公務員警察官
国家公務員と地方公務員の警察官の採用人数を比べてみると、国家公務員は毎年30人程度ですが、地方公務員は全国で約15000人が採用されます。
つまり、一般的に警察官を目指すとなった場合、基本的にそれは地方公務員の警察官のことを指すということです。
なお、国家公務員のキャリア警察と地方公務員の警察官とでは、合格難易度が異次元レベルで異なります。
国家公務員の場合、まず国家公務員総合職試験か一般職試験に受かる必要があります。
どちらとも、都道府県警察の試験に比べて圧倒的に難しい試験です。
特に総合職は、東大・京大を始めとする一流大からの合格者が大半を占めます。
この試験に合格するのもかなり大変なのですが、合格した後に警察庁に面接を受けに行き、採用を勝ち取らねばなりません。
(要は試験合格によって面接の権利が与えられるということです)
各省庁の中でも警察庁の人気は高く、国家公務員試験合格者の中の上位合格者とか、超一流大合格者でないとなかなか採用まで至りません(警察庁は東大出身者が多いことで有名です)。
特に、警察庁のトップである警察庁長官は、東大法学部出身者の割合が圧倒的に多く、学閥の存在もよく言われる話です。
例えば、踊る大捜査線の柳葉敏郎演じる室井慎次が東北大出身ということで周りから下に見られる描写があったりします。(もちろん東北大も超一流大ですよ)
同様に、国家公務員一般職に合格して警察庁に採用してもらうのも、総合職ほどではないにしてもかなり難しいです。
地方公務員の場合、はっきり言って、警察庁に比べれば合格難易度は圧倒的に落ちます。
高卒枠もありますし、大学もどこ出身であっても大丈夫です。(都道府県警の中で出世したいとなれば、ある程度学歴が響く部分はあるかもしれませんが)
ちなみにですが、警察庁は無理でもどこかの県警に入ってそこでトップを目指そうというのは、残念ながらなかなか難しいです。(0ではないですが、ほぼ0と言ってもいいくらいです)
というのも、県警のトップである警視総監や本部長は、そのほとんどが警察庁の方が出向してきて勤めるのが通例になっているためです。
たたき上げの場合、刑事部長とか、本部長の下の部長級まではなれますが、トップである本部長には基本的になれないということは頭に入れておくといいと思います。
ちなみに、地方公務員として採用された後、推薦によって国家公務員として中途採用されるケースがあり(要はもの凄く優秀な方ですね)、その方が県警本部長になるケースというのが、ごくごく少数(全都道府県のうち小規模県で1〜2名程度)ですがあります。
前置きが長くなりましたが、以下では、この記事を見ている方が目指すことになるであろう地方公務員警察官の採用試験の話について詳しく書いて行きます。
警察官試験の日程について
警察官試験を受けるチャンスは複数回
まず試験の日程からです。
警視庁を除く道府県警では、5月・7月・9月に試験が行われるところが多いです。
また、複数回受験することが可能なところもあるので、自治体HPで確認しましょう。
警視庁は5月、9月、1月の3回試験が行われます。
全部受けることも可能です(笑)
なお、警視庁と他の道府県警は受験日が被らないので併願できます。
警視庁1回目→A県警1回目→警視庁2回目→A県警2回目→警視庁3回目みたいな感じで受験することも可能だということですね。
このように、同じところを複数回受けることが可能なシステムは、他の公務員試験に比べると独特です。(例えば県庁の試験であれば、年に1度しか受けられません)
1次試験には「共同試験」という仕組みがあり、他の県を併願できる
警察官の試験では、全国の半数ほどで「共同試験」という仕組みが採用されています。
例えば、A県警を受ける時に、B県警を第2志望としておくことで、A県警がダメでもB県警に拾われる可能性があるというシステムです。
なかなか面白いですよね。
(ただ、A県警の筆記がダメで、B県警の筆記に通るというのは、A県警でボーダーラインギリギリ足りないくらいの点数を確保していたというレベルでないと考えづらいですが)
ちなみに、なぜか男性しかこの仕組みを使えません。
(女性はA県警を受ける時はA 県警しか合格する権利がないということです。)
こういった仕組みがあるというのは、警察官試験は門戸が広くチャンスの多い試験であるということが言えるでしょう。
(もちろん倍率は結構高い(5〜10倍程度)ですので、きちんとした対策が必要です)
警察官試験の内容について
1次試験は筆記(教養・論文)、2次試験で面接というのが基本
警察官試験に合格するまでの流れとしては、
- 1次で筆記試験(教養試験・論文試験)を受ける
- 1次を突破した人のみが2次試験(面接、体力検査)に進む
- トータルの合計点で最終合格が決まる
というのがオーソドックスなパターンです。
(論文試験は2次でやるところも結構あります)
配点は県によってマチマチなのですが、
筆記(教養、論文):面接の得点比が1:2とか2:3とかで面接が重視されるところが多いですね。
また、例えば県庁などでは1次の段階で多くの人数を落としますが、警察官試験の場合、1次突破者がかなり多い(受験者の6〜8割程度が1次を突破します)というのがありますので、とりあえず1次は余程点数が取れない人以外は拾っておいて、面接で差をつけるようにしているのかなというのが想定されます。
※一方、警視庁は1次の合格者数非公表のため要注意です
1次試験は教養試験のみで専門試験は無い
警察官の試験に専門試験(憲法や経済など)は無く、全て教養試験(簡単に言えば国社数理英)のみで行われます。
(サイバーテロ対策捜査官みたいな特殊警官は専門試験あり)
1次試験では教養試験と論文試験の両方を行うところと、教養試験のみ(論文試験は2次)のところに分かれますので、自分が受ける自治体について確認しておきましょう。
ちなみに、論文は警察官の心構えを解くようなものが多いです。
そのため、序論・本論・結論の流れなど、何度か論文を書いて文章構成術に慣れておけば対応できるケースが多いです。
2次試験は面接試験と体力検査
2次試験では面接試験(個別のみor個別面接+集団面接)が肝になります。
上でも書きましたが、1次の突破率がかなり高い上に、配点も面接のほうが高いところが多いので、ここでどれだけPR出来るのかというのが鍵になってきます。
なお、体力検査については、腕立てや上体起こし等をやるようです。
きちんと試験の配点に加えているところもあれば、配点から除いているところもあります。
どちらにしても、余程酷く無い限り、決定要素になるとは考えづらいですので、あくまでポイントは面接ですね。
対策については以下リンクを参照してみてください。
関連記事【公務員試験の面接・集団討論対策まとめ】地方上級に2位で受かった手法をお伝えします。
身体基準(特に視力)に注意
身体基準として、
・身長概ね160センチ以上(女性は150センチ以上)
・体重概ね47キロ以上(女性は43キロ以上)
・視力(両目とも裸眼で0.6以上、矯正視力1.0以上)
・色覚異常の有無
が挙げられているところが多いです。
身体検査は2次で実施されるところが多いのですが、1次は受かったのに身体検査で落ちるというのも辛いものがあります。
特に視力(裸眼)は結構ハードルが高いようにも思います。
規定ギリギリの方は試験前に自治体に確認をしておくことが必要でしょう。
教養試験の科目と配点一覧について(平成28年度)
警察官(5月型)配点
一般知能分野 | 判断推理9、数的推理5、資料解釈2、文章理解9(現代文3、英文5、古文1) |
社会科学 | 政治2、法律2、経済3、社会2 |
人文科学 | 日本史2、世界史2、地理3、思想1、文学・芸術1 |
自然科学 | 数学1、物理1、化学2、生物2、地学1 |
計 | 50問必須回答 |
警視庁警察官I類配点
一般知能分野 | 判断推理7、数的推理7、資料解釈2、文章理解8(現代文6、英文2) |
社会科学 | 政治2、法律2、経済2、社会3 |
人文科学 | 日本史2、世界史2、地理2、思想1、文学・芸術1、国語2、英語2 |
自然科学 | 数学1、物理1、化学1、生物1、地学1 |
計 | 50問必須回答 |
道府県警も警視庁も概ね同じですね。
地元警察と警視庁の併願を考えている場合はそのまま対応できるでしょう。
配点の高い、数的処理と文章理解、社会科学関係は外せないですね。
難易度は地方上級試験などに比べれば低いですし、上でも書いてきたとおり、1次突破率がかなり高いということもあり、ハードルはそこまで高くないと言えます。
(再度書きますが、警視庁は1次突破率非公表のため注意)
なお、公務員試験対策の基本原則は問題集を繰り返し解くことにあります。
対応する問題集を買い、何度も繰り返して対応しましょう。
まとめ
- 警察官の種類は大きく分けると国家公務員(警察庁)と地方公務員(都道府県警)の2種類
- 国家公務員警察官はかなりレベルが高く、1年あたり30名程度しか採用されないエリート
- 大半の人が地方公務員警察官として勤務することになる
- 地方公務員警察官になるためには公務員試験(警察官採用試験)を突破する必要がある
- 試験は基本的に、1次の筆記と2次の面接で構成される
- 1次の筆記突破率が6〜8割と高い(警視庁は非公開)ので、面接重視であると言える→実際公開されている配点も面接が高いところが多い
- とはいえ、当然最低限の筆記対策は必要。基本線は問題集を繰り返すこと。
以上です。
繰り返しになりますが、試験突破のためには面接対策が肝になってきます。
以下のリンク記事も参考にしてみてくださいね。
関連記事【公務員試験の面接・集団討論対策まとめ】地方上級に2位で受かった手法をお伝えします。
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