公務員の休暇・アフター

公務員は有給休暇をどれくらい取れる?統計データと経験に基づくぶっちゃけ話【動画あり】

こんにちは、元公務員のシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は公務員の有給取得日数がテーマです。

本記事の内容

  • 公式統計による国家公務員と地方公務員の有給取得日数は?
  • 現場のリアルな有給休暇取得状況とは?
  • 今思うと有給をもっと取るべきだったし、公務員の方はどんどん取ったほうがいい!

公式統計データに基づく日数や、元県庁職員から見た有給のリアルな実態についてお伝えします。

あわせて動画でも解説しています!




公務員の有給事情を動画で解説!

動画解説バージョンです。内容は以下記事と同様です。

 

公式統計による国家公務員と地方公務員の有給休暇取得日数

国は14.8日、地方は11.7日、民間は9.4日

総務省「地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」で公開されている有給休暇取得日数は以下の通りです。

 

※ ( )は平成29年の数字

平成30年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」(総務省自治行政局)より抜粋

表の通り、地方公務員の平均は約12日、国家公務員の平均は約15日です。

(なお、付与されるのは毎年20日 ※新規採用職員は15日)

 

国家公務員の場合は本省・出先の内訳を人事院が出しており、本府省が13.4日、出先(ハローワーク・税務署等)が15.1日です。

不夜城で有名な霞ヶ関(本府省)ですが、意外に取得しているんだなという印象を受けます。

 

地方だと政令指定都市がしっかり休みが取れる感じですね。

ちなみに政令指定都市は給与・年収も高いですし、トータルでバランスの良い勤務先という印象を受けます。

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あくまで統計は平均値

先ほどの数字はあくまで平均値だということです。

極端に言えば、20日フルで休む人が半分、4日しか休まない人が半分いた場合、平均日数は12日になりますからね。

 

というわけで、僕の県庁時代を踏まえながらこの辺のリアル(部署による偏り)を書いていきたいと思います。




現場のリアルな有給休暇取得状況

部署によって大違い!

簡単に言うと、忙しい部署なら有給はあんまり取れないし、暇な部署なら多く取る余地があります。

 

例えば県庁の場合で言えば、

  • 本庁の方が忙しく、出先の方が暇な傾向にある
  • 本庁でも忙しい課とそうでない課の差が非常に大きい
  • 忙しい課でも担当(係)間の差が大きい

→当然ながら、暇なところほど有給取得数は多く、忙しいところほど少なくなる傾向にあります。

 

僕自身は各課の調整役的な担当経験が長く、全体を見れることが多かったのですが、課や担当による忙しさのバラツキが非常に大きいのはすごく感じました。

 

ちなみに、優秀な人ほど忙しい部署を多く回る傾向にありましたね。(ただ、優秀な人は休むのも上手ですが)

 

具体的な休暇取得日数

公務員の年間のお休みは大きく以下3つに分かれます。

  • 有給20日(実際には使わなくなった分が蓄積されて多くの人が40日でした)
  • 有給以外で夏期休暇5日程度(僕がいた県庁は6日。自治体によってバラバラ。国家公務員は3日)
  • 有給以外で正月休み6日

 

まずは有給ですが、先ほども書いたように部署によって忙しさがバラバラなのですが、ざっくり書くと、

  • 本庁は概ね5日から10日くらい。
  • 出先は10日程度の人が多かったが、全部消化している人もいたので平均値は10数日程度と思われる。
    →出先(特に行政職)は取ろうと思えばたくさん取れますが、空気読んでそこまで取らない人が多かった気がします。

 

なお本庁でも、20日余裕で休めそうな部署も存在していましたので、そういうところは平均取得10数日になっていると思います。

 

次に、夏期休暇と正月休みですが、これは基本的に皆さん全部消化していましたね。(正月とかは出てる人もいましたが)

 

僕自身の経験部署の忙しさと休暇日数

次に、僕自身がどんな感じだったのかということで、以下経験した部署の忙しさのレベル感(レベル1〜5で表記)と有給取得数をまとめてみます。

  1. 出先の最初の担当(障がい者福祉等)
    =忙しさレベル2(最初の部署なので気合を入れて仕事していたからというのもあります)(有給取得10日前後)
  2. 出先の2番目の担当(介護事業所指導等)
    =忙しさレベル1(有給取得13〜14日程度)
  3. 本庁の最初の担当(全国知事会)
    =忙しさレベル3(有給取得10日前後)
  4. 本庁の二番目の担当(部内予算編成)
    =忙しさレベル4(有給取得10日前後)
  5. 民間出向(銀行)
    =忙しさレベル3(有給取得7〜8日前後)
  6. 本庁最後の部署(庁内予算編成=財政課)
    =忙しさレベル5(有給取得7〜8日程度)

忙しさレベルは結構バラバラでしたが、有給取得日数で言えば、僕の場合はどこでもそれなりに休むようにしてたので、あんまり忙しさと比例関係にないですね(笑)

(余談ですが、出先と本庁の仕事のレベルはかなり質的に違っていて、上だとレベル1〜2(出先)とレベル3〜5(本庁)と表記してますが、個人的には本庁に異動した際にはレベル1からレベル10に上がったくらいの違いを感じました)

 

僕の場合だとあんまり参考にならないので、僕の同僚の人たちで見た場合はこんな感じです。

①(忙しさレベル2)→7〜8日、②(忙しさレベル1)→15日、③(忙しさレベル3)→7〜8日、④(忙しさレベル4)→5〜6日、⑤(忙しさレベル3)→7〜8日、⑥(忙しさレベル5)→5〜6日

忙しさと有給取得日数はかなり明確な比例関係にあったと思います。

 

個人の性格によっても大違い!

また、有給取得日数は、忙しさの問題だけでなく、個人の性格に依存する傾向が大いにあります。

 

具体的に言えば、

  1. 責任感が強い人は休まない傾向にある
  2. 空気を読みすぎる人は休まない傾向にある

ということです。

 

まず①についてですが、行政の業務はかなり細分化されており、担当でなければ分からないという業務が非常に多いです。

住民課などの窓口は誰でもある程度対応出来るシステムになっているでしょうが、そうでない部署は課内や担当内ですら縦割りです。

そんなわけで、自分がいない時に問い合わせがあったら対応をどうしようとか、責任感のある人ほど気になって休まない傾向にあります。

 

でも「人に頼む」ことでいくらでも対応出来る部分はありますので、正直ここはやり方次第です。

→ただ、頼むのが苦手な人は多い感じがしましたね。僕もそうでしたが。

 

②は、正直やめてしまった今考えると全く無意味だと思いますが、でも実態としては結構あるんですよねぇ・・・。

僕は比較的気にしないほうですが、担当の長(係長クラス)が怖いとか、女性同士の場合で例えば自分が主事で隣の女性が強気の主任とかの時取りづらかったりするんじゃないかな(笑)。




今思えば有給はもっと取れましたし、取るべきでした

僕自身今振り返ると、もっとガッツリ有給は取るべきだったなと思います。

そしてそれは現在公務員として働いている方たちにも言いたいです。

 

と言うのも、人生に与えるリターンとして、無理して1日多く出勤することと、積極的休暇(遊びに行く・旅行に行く・勉強しに行くなど)を比較した場合、圧倒的に後者のほうがメリットが大きいからです。

(ただ、「今日は行きたくないなぁ」みたいな感じで休んでもメリットはほぼないですね。精神衛生上はプラスに働くこともあるので、それもアリっちゃアリですが。基本的には、明確に「遊ぶ」「勉強する」「旅行する」など目的を入れたほうがいいです)

 

先ほども書いた通り、多少忙しくても、周りにフォローを依頼すれば十分有給は取れますし、休んだら起こるのではないと心配していた物事(誰かから問い合わせがあるなど)は実際には起こらないことが多いです。

→その人がいなけりゃ上司に頼むか、周りの同僚が処理するか、また後日依頼に来るしかないわけなので、結局どうにかなります。

 

そもそも組織である以上、あなたがいなければどうにもならないなんてことは絶対にありません。

 

まして、周りの空気を読んで休まないなんてのは論外だと思います。

一回しかない人生なのに、休んで様々な経験ができる機会を捨て、暇な中で無為な時間を過ごすなんてのは自分を軽く見過ぎていると思います。

 

ぜひ休めるならどんどん休んで人生を豊かにする経験を積まれるのをオススメします。(そしてそれが仕事にも必ずプラスとなります)

 

ただし、当たり前ですが自分がやるべき案件もやっていないで休むというのはあり得ない話です。

自分が主としてやるべきことをやってから、その他枝葉の案件を依頼する(例えば、「問い合わせがあるかもしれないがこう対応して欲しい」「当日このメールだけ送って欲しい(文面は作っておく)」)という形が基本です。

 

まとめ

  • 平成30年の総務省統計によると、公務員の有給取得日数は、都道府県12.4日、政令指定都市13.9日、市区町村11.0日、国14.8日、民間は9.4日
  • 統計はあくまで平均値。実際は部署による差がかなり大きい。
  • そこそこ忙しいところでも、しっかり周りに頼むことができれば有給は取れる。有給を積極的に取って好きなことをやると、人生におけるメリットが大きい(もちろん仕事面にもプラス)。

見ての通り、公務員が20日フルで有給をとれるなんてことは全然ありません。

毎年20日近く休みたければ、トヨタとかホンダとかNTTとかJRの超大手に行ったほうがいいですね。

 

ただし、民間の有給平均値より多いのも事実ですし、また、仕事の仕組みの工夫や個人の意識次第でまだまだ取得日数が増える余地があると思います。

全体的に見ると有給が取りやすい職業であるのは事実だと思います。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

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