こんにちは、元公務員のシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は「公務員の退職金」がテーマです。
民間に比べて恵まれていると言われる公務員の退職金ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
以下では、
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を書いていきます。
その上で、今後公務員の退職金は増えるのか減るのかという見込みについても僕の予測を述べてみます。
直近の公務員退職金額について
地方公務員の退職金(平成29年度支給)について
総務省が出している最新データによると、地方公務員(一般行政職)の定年退職者の退職金平均額は、
2265万5千円
です。(総務省「平成30年4月1日地方公務員給与実態調査」より)
国家公務員の退職金(平成30年度支給)について
内閣官房が出している最新データによると、国家公務員(行政職俸給表(一)適用者)の定年退職者の退職金平均額は、
2152万3千円
です。(内閣官房「退職手当の支給状況」より)
また、国家公務員の場合は結構細かくデータが載っており、
1500〜2000万円支給された方が、432人(定年退職者の13%)
2000〜2500万円支給された方が、2544人(同78%)
2500万〜3000万円支給された方が、242人(同7%)
です。
なお、5000〜7000万円のラインも少数ですがいます。
主に指定職(課長より上のランク、例えば事務次官や局長など)クラスの方ですね。
ただし、全体の割合で見れば3000万円近く貰える人は非常に少なく、大半の方が平均額前後を貰っているということになります。
退職金の計算方法について
基本額(=辞める時の給料×退職金支給率)+調整額で算出される
退職金は基本額+調整額で算出されます。
基本額というのは、辞める時のお給料×支給率で計算されます。
支給率は、国の場合最新では、「47.709」という数字を使っていますので、
例えば定年時のお給料が40万円であれば、40×47.709=1908万円となります。
調整額は、最後の5年間の職位に応じて加算されるボーナスみたいなものです。
例えば、最後の3年間が課長で、その前の2年間が室長の人は400万円近く貰えて、最後の5年間ずっと課長補佐だった人は250万円近くが貰えます。
「基本額」が貰える金額の大半を占めるということです。
公務員の退職金額は、民間にあわせ5年ごとに改定される
公務員の給与や退職金は50人以上の民間企業に準拠する(要は平均額を取る)ように決まっています。
給与は毎年調査をおこなった上で改定されていますが、退職金は5年ごとの調査で改定されるルールになっています。(人事院が調査をおこないます)
なお、平成23年度の調査では民間に比べ公務員が400万円近く高いということで、それ以降額が減額された経緯があります。
公務員退職金の推移と今後の予測について
地方公務員の退職金推移
地方公務員(一般行政職)定年退職者の退職金平均額の推移は以下の通りです。
平成29年度 | 22,655千円 |
平成28年度 | 22,861千円 |
平成27年度 | 22,901千円 |
平成26年度 | 23,608千円 |
平成25年度 | 24,851千円 |
平成24年度 | 26,390千円 |
平成23年度 | 26,806千円 |
平成22年度 | 26,870千円 |
平成21年度 | 27,006千円 |
平成20年度 | 27,088千円 |
平成19年度 | 27,123千円 |
平成18年度 | 27,035千円 |
平成17年度 | 26,985千円 |
国家公務員の退職金推移
国家公務員(行政職俸給表(一)適用者)定年退職者の退職金平均額の推移は以下の通りです。
平成30年度 | 21,523千円 |
平成29年度 | 21,492千円 |
平成28年度 | 22,231千円 |
平成27年度 | 22,398千円 |
平成26年度 | 22,259千円 |
平成25年度 | 23,709千円 |
平成24年度 | 25,283千円 |
上でも少し触れましたが、平成23年度人事院調査で明らかになった民間との格差(約400万円)是正のための、平成25〜26年度における減額が目立ちます。
また、平成28年度の人事院調査でも、民間と公務員は若干の差があるとして、国家公務員の退職金が平成29年度に70万円ほどダウンしています。
次回は2021年に人事院の調査が実施されますが、直近で別に厚労省がおこなった調査では民間の退職金が150万円ほどダウンしたことが明らかになったため、おそらく2021年は公務員のさらなる退職金削減が提示される可能性が高いでしょう。
今後の公務員の退職金は、さらなる減額が想定される
さらに長期で見た場合、公務員の退職金はどんどん減っていくことが想定されます。
何故かと言えば、日本の人口が激減していくため、経済が衰退していくことが想定されるからです。
そうなれば、全体的に民間企業の給与や退職金が下がっていき、そこに準拠する公務員の給与や退職金も減っていく可能性が高いでしょう。
仮に給与が上がったとしても、それは金融緩和によりお金の価値が下落したことに伴うものであり、物価はそれ以上に上がっていくことになり、実質的給与はやはり減っていくという方向に動くと思っています。
もちろん、何か大きな政治的動き等により全く異なる展開を見せる可能性もありますが、原則論で行けば、人口が減れば経済は衰退していくということになるということは押さえておく必要があります。
まとめ
国も地方も平成24年度以降の動きはなかなかに凄まじいものがありますね。
今後について言えば、未来の様々な出来事を完璧に予測することは出来ないですが、一方で、人口というのはほぼ確実に予測できる数少ない指標の一つでもあります。
あとたった32年後の2050年ですら、日本は今の人口に比べて1700万人くらい減ると予測(国連推計)されていますから、自然と経済は衰退していく可能性の方が高いというのは頭に入れておいたほうがいいと思います。
その上で、ある程度本気で資産運用や副業(もちろん認められているものの範囲で。どちらにしても将来は解禁されていく方向だとは思います)などについても考える必要があるのではないかなというのが率直な意見です。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
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