こんにちは、元公務員のシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、地方公務員薬剤師のお給料がテーマです。
公務員の薬剤師は仕事内容が結構幅広く、県立病院で調剤などをやる人もいれば、薬局の指導監督をしたり、果ては警察と連携して麻薬捜査を行う麻薬取締員(拳銃持ってます)の役割を担っている人もいます。
以下では、総務省の最新の統計資料(H29地方公務員給与実態調査)を元に、地方公務員薬剤師の
|
を全てまとめました。
それぞれ年齢別にも算出してありますので、以下を見れば主要な給料データは全て分かるという形にしました!
また、民間の薬剤師データも掲載し、比較ができるようにしています。
公務員薬剤師の平均給料月額
平均給料月額
307,695円(平均年齢40.9歳)
(総務省:平成29年4月1日地方公務員給与実態調査より。以下同じ)
ここに各種手当が加わったものが給与(月収)ですので、正直あんまり意味のない数字です。
主に退職金の算定基礎としての意味合いが強いものです。
年齢別の平均給料月額(推計)
給料を年齢別に推計してみると以下の通りです。
24~26歳 | 204,682円 |
27~30歳 | 232,650円 |
31~33歳 | 245,128円 |
34~38歳 | 276,026円 |
39~43歳 | 304,338円 |
44~48歳 | 331,398円 |
49~53歳 | 342,889円 |
54~59歳 | 368,138円 |
公務員薬剤師の平均給与月額(=月収)
平均給与月額
376,645円(平均年齢40.9歳)
参考 民間薬剤師(企業規模10人以上):388,300円(平均年齢39.0歳)(厚労省「平成29年賃金構造基本統計調査」より。以下同じ)
いわゆる月収です。
毎月の手取りに関連してくるのはこっちです。
→なお、手取りはざっくり80%くらいと考えておけばOKです。
先ほどの給料との差額68,750円が手当額ということになります。
手当のうち額の多いのは、
- 時間外勤務手当(残業代) 18,938円
- 地域手当 16,757円
- 通勤手当 9,563円
です。
なお、参考として民間の給与も掲載しましたが、公務員は平均年齢が2歳上であるにもかかわらず、民間薬剤師より1万円近く給与が低いということになります。
年齢別の平均給与月額(推計)
給与を年齢別に推計してみると以下の通りです。
24~26歳 | 255,881円 |
27~30歳 | 292,577円 |
31~33歳 | 311,534円 |
34~38歳 | 346,439円 |
39~43歳 | 377,045円 |
44~48歳 | 407,319円 |
49~53歳 | 421,882円 |
54~59歳 | 446,743円 |
公務員薬剤師の平均ボーナス額
平均ボーナス年額
1,443,811円(平均年齢40.9歳)
※(給料(平均額307,695円)+地域手当(平均額16,757円)+扶養手当(0円と仮定))×4.45月(2018年の支給基準)で算出。以下年齢別も同様。なお、扶養手当を貰っている職員の場合、平均で3万円程度加算される。
参考 民間薬剤師(企業規模10人以上):778,600円(平均年齢39.0歳)
給与と異なり、ボーナスは公務員のほうが民間に比べて大幅に恵まれていることが分かります。
年齢別の平均ボーナス年額(推計)
年齢別のボーナス推計額は以下です。
24~26歳 | 985,404円 |
27~30歳 | 1,109,861円 |
31~33歳 | 1,165,390円 |
34~38歳 | 1,302,886円 |
39~43歳 | 1,428,872円 |
44~48歳 | 1,549,288円 |
49~53歳 | 1,600,423円 |
54~59歳 | 1,712,784円 |
公務員薬剤師の平均年収
平均年収額
5,961,151円(平均年齢40.9歳)
※平均給与×12+ボーナス額で算出。以下の年齢別も同様。
参考 民間薬剤師(企業規模10人以上):5,438,200円(平均年齢39.0歳)
民間薬剤師と比較した場合、50万円ほど公務員薬剤師のほうが年収が高いということになります。
給与は民間より低かったにもかかわらず、ボーナスの影響で逆転しています。
一方、公務員は平均年齢が2歳上であるため、昇給を踏まえた実質ベースで見ると差はもう少し縮まってきます。
(以下で取り上げる生涯年収ベースで比較していただくと良いと思います)
次に、公務員同士で比較した場合、一般行政職地方公務員の平均年収が約633万円(平均年齢42.3歳)なので、それより37万円ほど低い額です。
薬剤師のほうが平均年齢が1.4歳若いことを加味したとしても若干低いですね。
なお、薬剤師の場合、最終的な出世という意味でもある程度頭が決まっています。
例えば僕がいた県庁では、上り詰めた方で本庁の課長(薬務課長)→出先の所長(部長級)で退職するという感じでした。
本庁の課長なんてたくさんいるわけですから、そのうちの1つが出世頭だというのは、正直、公務員という世界ではあんまり恵まれていないなという感じがしましたね。
(もちろん、薬剤師の絶対数自体が行政職に比べて圧倒的に少ないという前提はありますが・・・)
年齢別の平均年収額(推計)
年齢別の年収推計額は以下です。
24~26歳 | 4,055,971円 |
27~30歳 | 4,620,787円 |
31~33歳 | 4,903,799円 |
34~38歳 | 5,460,157円 |
39~43歳 | 5,953,417円 |
44~48歳 | 6,437,199円 |
49~53歳 | 6,663,002円 |
54~59歳 | 7,073,695円 |
公務員薬剤師の平均退職金
定年退職者の平均退職金額
約22,013,000円
※「薬剤師」の額は不明だったため、「一般職員(→薬剤師はこれに含まれる)」の区分を採用
公務員薬剤師の生涯年収
生涯年収額(大卒)
232,386,100円(給与収入210,373,100円、退職金22,013,000円)
※給与収入は、年齢別の推計平均年収を累積(24〜59歳)して算出した。
生涯年収を一般行政職や民間薬剤師と比較
※民間薬剤師の生涯年収は、厚労省「平成29年賃金構造基本統計調査」を用いて算出 ※民間企業生涯年収の出典は労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2017』より |
公務員薬剤師と民間薬剤師を比較すると、男性は同等、女性の場合は公務員のほうが比較的恵まれているということが言えそうです。
おわりに
以上、地方公務員薬剤師のお金に関するデータについてまとめてみました。
薬剤師は資格を取るのが大変な割に、給与面ではあんまり恵まれていないというイメージがありますが、民間・公務員共にその通りのデータが出た感じがします。
(稼ぎたいなら大手製薬会社の研究職やMRとして勤務するしかないという感じなんでしょうね)
なお、県庁の中での薬剤師の仕事は結構幅広く、全く薬剤師と関係の無い仕事(部内の予算とりまとめとか、議会担当とか)をやられている方もいたりしました。
人によっては調剤だけというのは退屈な仕事かもしれませんし、そういう意味では公務員のほうが刺激に事欠かないかもしれません。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>民間薬剤師の年収について、より詳細に分析したこちらの記事もオススメです。