公務員の初任給・給料ランキングなど

公務員の残業代はいくら?都道府県の残業代ランキングと実態を比較

こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は地方公務員の残業代について取り上げます。

 

総務省の調査に基づき、都道府県・指定都市の残業代ランキングを算出した上で、その金額について考えていきます。

 

公務員は残業代をどれくらいもらえるのか気になる方や、現職だけどサービス残業が多いんだよな・・・と嘆いている方はぜひご覧になっていただければと思います。




都道府県庁の残業代ベスト10とワースト10

まず、都道府県庁の時間外勤務手当(残業代)のランキングです。

 

都道府県 時間外勤務手当平均月額ベスト10(一般行政職)

1位  大分県  67,800円
2位  徳島県  56,700円
3位  山形県  49,200円
4位  滋賀県  48,900円
5位  愛媛県  46,500円
6位  三重県  45,100円
7位  静岡県  44,400円
8位  佐賀県  43,000円
9位  福島県  41,600円
10位 香川県  41,100円

※総務省「平成28年4月1日地方公務員給与実態調査結果」から抜粋。以下同じ。

 

都道府県 時間外勤務手当平均月額ワースト10(一般行政職)

1位  沖縄県  16,400円
2位  長野県  17,400円
3位  北海道  20,600円
4位  熊本県  20,900円
5位  京都府  23,400円
6位  広島県  24,200円
7位  兵庫県  24,700円
8位  秋田県  24,800円
9位  千葉県  25,100円
10位 群馬県  25,700円

 

指定都市の残業代ベスト5、ワースト5

次に、政令指定都市の残業代ランキングです。

 

指定都市 時間外勤務手当平均月額ベスト5(一般行政職)

1位  熊本市   178,300円
2位  仙台市     66,100円
3位  さいたま市 65,200円
4位  神戸市   58,100円
5位  川崎市   52,800円

※熊本市は地震の影響ですね。

 

指定都市 時間外勤務手当平均月額ワースト5(一般行政職)

1位  浜松市  28,100円
2位  広島市  30,000円
3位  横浜市  33,000円
4位  大阪市  34,000円
5位  北九州市 34,100円




残業代の妥当性について深掘りして考える

残業代がきちんと出ていない?(サービス残業が多い?)

ここではデータを深掘りして、貰っている残業代が妥当かどうか?という点から考えてみます。

 

一つの仮定として、水曜日は全部定時帰りで、他の曜日は全て19時15分帰り(=2時間残業)とした場合、月の残業時間は36〜38時間になります。

なおこの仮定については、出先なども全てひっくるめたとしても低く見積もった数字のつもりです。(リアルなところだと平均で月45時間くらいかなぁという気がします)

 

この仮定で月の残業代を算出すると、

36時間×1,850円(時給)×1.25(割増率)=83,250円

38時間×1,850円(時給)×1.25(割増率)=87,875円

になります。

※時給は都道府県庁の一般行政職職員平均給料の330,689円から算出。

 

一方で、都道府県庁全体の残業手当平均額は3万円ちょっと、指定都市なら4万円ちょっとですから、低めに見積もった上記仮定の半分も出ていないわけです。

シュン
シュン
ちなみに3万円の残業代を逆算すると、残業時間は月13時間となります。

つまり、全ての部署を平均して18時までに帰っている計算になりますが、それは絶対にあり得ません(笑)

 

以下の記事(銀行と公務員の比較)の中でも少し触れたのですが、公務員はサービス残業が当然のものとなっているところがあります。

 

職員の残業代総量は予算で決められていて、各課ごとに配分がなされており、それ以上はどうにもならない仕組みになっています。

労基署の監督も入らないので、終わらない仕事はサービス残業で終わらせるといった流れが横行しているわけです。

 

今回のデータは、ある意味その裏付けであるようにも思います。

 

そもそも成果を出していないのでは?

上で書いたのは、あくまで労働時間の対価として残業代が出ているかどうかという観点で見た話です。

 

「借金だらけの組織で残業代貰ってる場合じゃないだろ」とか、「残業代貰えるほど成果出しているの?」とか、「仕事が遅いだけではないの?」といった指摘はあるでしょうし、実際、こうした指摘は大いに当てはまる部分もあります。(法律面の話はさておき)

 

例えば、公務員組織の仕事の傾向として以下のようなものがあります。

公務員の仕事の負のスパイラル

  • 長々と残業していても上司から厳しく指摘されることがない(労基署の監視からも対象外)
  • 時間内に終わらなければ、残業をして終わらせようと考える
  • その前提で作業をするので、日中の業務スピードが落ちる、また、時間の制限が無くなることで、成果とは無関係なこと(資料の体裁、本人のこだわりに基づく無駄な他者へのお願い)に手を出し始める
  • 時間の使い方について組織全体が無頓着になる
  • 上司も無頓着だから、訳の分からない資料作成・修正指示が頻繁に入る
  • 疑問に思いつつ、または嘆きつつも若手は対応していく
  • そういうサイクルが続くと、若手もそれが当たり前の思想として植えつけられていく
  • 若手が中堅になって部下に指示を出す時には・・・

そのため、そもそもとして根本的なところを見直す必要があるということは間違いなく言えることです。

 

ただ、現実問題として時間を削って働いていることには違いないので、純粋に労働をしている対価として報酬を得ているかという観点で見ると、そこは担保されていないというのもまた間違いない事実だということですね。




残業代少ないなら、より好条件の民間や別の公務員に転職したいと思ったら

残業が多くなってしまう公務員組織の構造的な仕組みについて書きましたが、組織は簡単には変わりませんので、自分が環境を変えてしまうのが一番手っ取り早かったりします。

転職などを考えている方は参考にしてください。

公務員より稼げてゆとりのある転職先は、実は結構あります

公務員から民間に転職した知り合いたち(→年収アップかつ時間のゆとりもできた)にヒアリングして書いた転職記事です。

内定までの流れや、オススメの転職サイトなどについて書いています。

 

公務員→公務員を目指す場合

より条件の良い公務員に転職したいと思っている方の場合、まずは全体像を掴むために以下の記事がおすすめです。

 

まとめ(成果に集中してさっさと帰ろう)

僕が言いたい結論としては、どうせお金も出ないのだし、とにかく成果に絞って、細部にはこだわらずさっさと仕事を終わらせて帰りましょう(笑)ということですね。

 

各自治体は借金経営で財源的に厳しいのだから、職員の残業代が削られるのはやむを得ない部分もあります。

 

だったら、無駄な事業はやめて、無駄な資料を作成せず、他者にも依頼せず、どんどん業務を減らして本当に効果を挙げられる施策に特化していくべきだと思います。

 

本当にやるべきだと自分も納得できる業務に携わることが出来れば、もし残業代が出なかったとしても、心理面では有意義な部分が大きいと思います。

(お金が払われないことがいいとは言いませんが、「これはやりたくないけどやるしかない、しかもお金も出ない」という形よりは断然マシです)

 

僕が退職した一つの理由として、時間=命そのものであり、自分の価値観からズレている公務員の仕事を続けるという人生の選択はあり得ないと思ったということがあります。

(僕の仕事の価値観としては、自分が好きなもので人の役に立つ仕事をするということに尽きます)

 

こういう価値観と仕事のズレは誰にでもあるとは思いますが、出来るだけその差を埋めたほうが幸せに生きられるのは間違いないと思います。

 

今回、残業代というテーマを踏まえて、そういった観点から、改めて仕事の見方ややり方を考えてもらう一つのきっかけになれば幸いです。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

>>「公務員の給料の全て」をまとめた記事はこちらから(自治体の年収ランキングや、職種ごとの年齢別年収・生涯年収なども分かります)