こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は公務員に向いている人や向いていない人の特徴がテーマです。
本記事の内容
- 現実にいた職員のタイプ【公務員と銀行員】
- 公務員に必要な人・向いている人・向いていない人
- 【参考】改革をしたいと思っている方へのアドバイス
「民間と公務員で迷っている」「自分は本当に公務員向きなのかな?」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。
実際、仕事をする上では自分の性格や気質とのマッチングがめちゃくちゃ重要です。
僕は県庁に10年勤務し、途中で民間(銀行)にも2年間出向しています。
その経験を活かし、民間との比較も踏まえながら、公務員の向き・不向きを解説していきます。
現実にいた職員のタイプ【公務員と銀行員】
向いてるか向いていないかを考える上では、現実的にどんな人たちがいるのかを押さえるとイメージしやすくなります。
銀行出向経験も踏まえ、公務員と銀行員のタイプを書いてみます。
公務員のタイプ
まずは、どんなタイプの公務員がいたのかを列挙してみます。
- 物凄く情熱的で、心から仕事が大好きな人(極少数)
- 仕事に対する考え方がドライで、与えられた仕事を淡々とこなす人(さっさと帰り、休みもしっかり取る人もここに多い)(多い)
- 硬直的なシステムに不満を感じながらも、それなりに仕事が好きな人(多い)
- 仕事はつまらないと思っているが、待遇(給与や休暇面)に満足している人(多い)
- 事業所などに指導を出来る立場であることに快感を感じている人(少数)
- 仕組みが正しいことを前提に(ある意味ルールを信じ切って)、全力で仕事に取り組んでいる人(それなりに多い)
細かく言えばもっと色々とあると思いますが、ざっくり言えばこんなところです。
ちなみに僕は一番上が理想(というか絶対)だったのですが、残念ながらそうもなれそうに無いので辞めました。
いくら頑張ったところで、好きでやってる人には絶対に勝てませんから。
銀行員のタイプ
次に、銀行員のタイプです。
もちろん公務員のタイプとかぶる人も多いのですが、明らかな違いがありました。
その点を比較した表が以下です。
公務員に多い人と銀行員に多い人の違い
公務員 |
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銀行員 |
|
もちろん公務員の中にも銀行員タイプ的な方はいますが、ごく少数です。
なお、銀行の中でも、融資の審査をする側の人は、どちらかと言えば公務員チックな人が多かったように思います。
業務内容も、リスクを見極めて貸すか貸さないかを判断するという「守」の業務ですからね。
余談ですが、融資側の人たちからすれば、得意先の人たちばかりが評価されることに対する不満もあるようでした(笑)
こんなの融資できるわけねーだろ!というのも得意先側からバンバン上がってきたりするみたいですね。
公務員に必要な人・向いている人・向いていない人
次に、「理想論として公務員に必要な人」「現実目線で公務員に向いている人」「現実目線で公務員に向いていない人」について書いていきます。
(理想論として)公務員に必要な人
まずは公務員に必要な人について。
現在の公務員組織は、国も地方も借金まみれの上に、将来的には人口がもの凄い勢いで減っていき、社会保障費は増え続けることがほぼ確定しているという過去に類を見ない状況にあります。
このまま過去のやり方を踏襲していけば、将来的には本当に厳しい状況に陥る可能性は明らかです。
(それが、公務員の首切りなのか、大幅な減給なのか、果ては国家財政破綻なのかまでは分かりません・・・。)
国も地方も様々な改革を試みていますが、正直なところ、過去をベースにした微修正程度のものに留まっているという印象です。
本来はこのタイミングで革命家みたいなタイプの人が多数必要だと思います。
例えば、
- 必要の無い(もしくは効果の低い)支出や施策はどんどん潰し、財源や時間を生み出す。そして、ガンガン稼げるような施策のアイデアを出して行動しまくる。
- 国や県が一律的に進めようとしている施策でも、効果が無いと判断すれば無視する。(自分で考えて決める)
- いちいち上司と協議せず、よほどのことでない限りは報告レベルで対応していく。
- 議員にペコペコせず、単に支出の増大に繋がるだけで、大した効果が見込めない要望は突っぱねる。
- 一部の住民のクレーム(かかわっても単なる時間の無駄なものや、その人の利益になったとしても他の多くの住民の利益の害になるようなもの)は無視する。
- 情報技術レベルが高い(使いやすいアプリをガンガン作っちゃうみたいな技術レベルを持っている)
といった人などが考えられます。(書くのは簡単なんですよね・・・)
ただ、これらはあくまで理想論的な話です。
実際問題としてみると、必要な人と向いている人は違います。
公務員に向いている人
僕の視点から必要な人材について触れてきましたが、多くの役所では今のところそこまで極端な改革をやろうとはしていませんし、だからそういった人材も本心では求めていないというところがあります。(→変化を嫌い安定を望むのは人間共通の原則です)
例えば、支出の切り込みなどはどこの自治体でもやっていますが、本気で大きな改革をしている自治体は非常に少なく、多くのところが今までのやり方の微修正をする方向で対応しているというのが現状です。
→例えば、各種施策は維持したまま、ちょこちょこと予算額を縮小して対応するなど。
一度作った施策をスクラップするのは色々な関係者からの反発が起こるため、とても大きなエネルギーが必要です。
そのため、どうしても一時しのぎ的な調整で対応をしがちです。
基本的に人は大きな変化を嫌います。
過去からの前例踏襲が文化となっている公務員の組織ならなおさらです。
なかなか公務員組織が変わらないという点を踏まえ、現実的な目線で考える公務員に向いている人は以下です。
- 学校の試験勉強が得意(解が分かっていることに取り組むことが好き)
- 記憶力が良い(複雑な制度を素早く理解できる)
- 説明が上手(複雑な制度を分かりやすく説明できる)
- 資料をまとめたり、文章を書くのが得意
- とにかく細かい
- 言われたことをやるのが好き
- ルールにあまり疑問を持たない、もしくは仕方ないものと割り切れる
- 日々に大きな変化を求めない
- 横並びで成長が出来ていけばいい(出世競争やノルマは嫌)
- 仕事はあくまで給料を貰う手段であると考えている
- 長いものには巻かれろタイプ
- 人と人の間を調整するのが得意
- 丁寧な事前の根回しが得意
- 0から1を生み出すことが好きではない
公務員に向いていない人
一方で、あんまり公務員には向いていないかなと思われるのは以下のような人です。
- 自分自身が主役でありたい(公務員はサポート役になるケースが大半)
- 人から直接感謝されたい(県はこれがほとんど無いです、市も感謝されるというよりは、やってもらって当然と思われるケースが多いでしょう)
- 能力次第でどんどん出世したい
- 自分より若い官僚の部下になるのはゴメンだ
- 納得いかないルールや前例を嫌う
- とにかく革命的なことがしたい(これは、向いていないという訳ではないですが、実際問題としては長期目線が必要なので、それまでの下積みに納得が出来ないと挫折します)
大きく出世する人は、公務員に向いていない要素も持っている?
逆説的ですが、本当に仕事ができる人は、公務員に向いていない要素を持っている方が多かったです。
例えば、、、
- 常に現状を打破しようとチャレンジしている
- おかしいと思ったことはおかしいと言い、上司に対しても物申す
- ただ主張をするだけでなく、最後にはうまく折り合いをつける
- そして、言っただけの成果(あの人がいないと仕事が回らないと言われるくらい)を出す
できる人は、硬直的な仕組みや制度へのチャレンジも含めて、トータルでこの仕事が好きだ!という雰囲気を出しながら仕事をしています。
好きだからこそ、異端な考え方として周りと軋轢が発生しても、それを乗り越えていくだけのエネルギーがあります。
実際、部長級ではそういった強い個を持っている方も多かったです。(個が悪い方向に働いている人もいました笑。もちろんいかにも公務員的な人もいるので色々ですね)
そんなわけで、ひょっとしたら性格的には公務員向きっぽくないかもしれないけど、俺が地元を引っ張っていくんだ!地元を改革するんだ!という気概のある方はぜひ公務員を目指して欲しいです。
やっぱりそういう人が将来的にトップに立ちます。
【参考】改革をしたいと思っている方へアドバイス
ここまで読んでみて、
「性格的には公務員に向いていないのかもしれないけれど、どうしても国や地元に変革を起こしたいんだ!」
という気合いの入った人にアドバイスをするとすれば以下です。
- 国の省庁や都道府県市町村のスタンスを見極め、最初から改革派の組織に入るべし
- 硬直的なイメージのある公務員ですが、以下のような画期的な組織も多々あります。情報をしっかり収集し、最初の選択の段階で改革派組織を選ぶのが変革を起こす一番の近道です。
- 例1:『経済産業省』の「不安な個人、立ちすくむ国家」というレポートがネットで公開され大きな話題になったが、事務次官と若手が事務次官室でやり取りをしながら作ったというプロセス自体が非常に画期的。
- 例2:『長野県下條村』では、伊藤元町長が超画期的な施策を行い、山奥の小さな村にもかかわらず、財政は健全、出生率も高く奇跡の村と言われている。
- 圧倒的な行動量で成果の伴う改革を起こし続けるべし
- 改革には「成果」が伴わなければ全く意味がありません。
- 公務員は、数値的な成果へのこだわりが民間と比べ極端に弱い傾向にありますが、数字にこだわらずに済んだ時代は終わっています。
- 行動量と成果が驚異的な例として、唐沢寿明主演のドラマ「ナポレオンの村」のモデルになった高野誠鮮氏などがいます(下條村の伊藤町長も同様ですね)。直近では市債を大幅に削減させた熊谷千葉市長の動きも参考になります。
- こうした情報を積極的に掴みながら、「成果」にこだわるマインドを持ちましょう。
- 一定の年齢(だいたい40歳以降)まで辛抱強く待つ覚悟を持つべし
- 地方公務員の場合、現実的に係長クラス以上(40歳以上)にならないと大きな改革は難しい部分があります。(官僚なら別ですね)
- 一方そのクラスになると、自分の出世や保身について考えざるを得なくなり、事なかれ主義に移行する可能性も大きいです。
- つまり、若い頃だけでなく、一定の年齢まで強い志とエネルギーを保ち続ける必要があります。
- この点は努力・気合でどうにかなる問題でもないので、環境にこだわることが重要です。(→最初から改革派の組織に入る、公務員以外の人脈を積極的に作るなど)
環境が最も重要!
上記のアドバイスの中で「改革派の組織に入る」とか「公務員以外の人脈を作る」と書きましたが、実は最も重要なのは「環境」です。
人は確実に周りの環境に引っ張られます。
いくら変革を起こしたいと考えていても、周りの人たちに全くそんな気が無ければその壁を崩すのは相当な時間と労力が必要ですし、自分もいずれその環境に染まっていく可能性が高いです。
環境に左右されずやれる人ももちろんいますが、それは根本的に仕事が大好きみたいな人であり、極めて少数派です。(例えば高野誠鮮さんみたいな人→ただ、彼も大きな活躍をした時は上司という環境に恵まれています)
というわけで、ガンガン改革をやっていきたいのであれば、改革派の省庁や自治体を選ぶのが一番簡単で確実です。
(国ならまだしも、地方の場合は地元に戻りたいでしょうから、運もありますね→ただ、県内レベルで見ても自治体によって結構スタンスの違いはありますよ)
まとめ
- 国家や地方は大きな変革期にあり、今までに無いような革命を起こす人材が必要になってくることが想定される。
- しかし、現時点ではそこまでの危機感を感じていない(仮に口で言っていたとしても行動に移していない)自治体も多い。
- よって、今のところは、今までの人材と同様の典型的公務員タイプ(本文参照)の人が向いていると言える。
- 一方で、現在においてもトップまで出世をする人は、公務員っぽくない要素(圧倒的な行動力とか、改革を好むとか)を持っているケースも多い。
→なんだかんだで仕事が好きという人が最強
以上です。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>公務員の適性(向き・不向き)をまとめた記事はこちらです