「ローマ法王に米を食べさせた男」スーパー公務員高野誠鮮氏に学ぶ「とりあえずやってみる」の精神。

こんにちは、元公務員のシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は、高野誠鮮著「ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?」の内容についてまとめました。

 

同著では、石川県の過疎地区を舞台に改革を巻き起こすスーパー公務員高野誠鮮氏の異次元とも言える取り組みや、そうした取り組みが成功するまでの経緯(役所内や村人たちとの軋轢など)が書かれています。

なお、本書は唐沢寿明主演のドラマ「ナポレオンの村」の原案にもなっています。

 

特に、公務員として仕事で大きな成果を残したいと考えている方にとっては大いに刺激になる作品だと思います。

 

以下では、

  • 本書のテーマ
  • 高野誠鮮氏のキャリア
  • 本書から学べるポイント(5つのポイントにまとめました)
  • 公務員高野誠鮮氏による公務員に対する耳の痛い言葉集

について書いていますので、内容が気になる方はぜひご覧ください。

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本書のテーマは何か?

表紙には以下のような文句が書いてあります。

会議はやらない

企画書は作らない

上司には事後報告

反対意見は、知恵を使って丸め込む

本当に「役に立つ」のが役人です

 

以上の文章こそが、まさに本書のテーマを示していると言ってもいいでしょう。

つまり、本質として「人の役に立つ仕事をしましょう」ということを言っているわけです。

(そのためには何をすべきかということで「事後承諾」やら「とりあえず行動」やらといったことが本書の中で事例とともに語られます)

 

一方で、高野氏が言っていることは普通のお役所における考え方や行動の真逆でもあります。

その点に関して、お役所をチクチクと攻撃するようなことがたくさん書いてあるわけですが(後述)、高野氏に限らず、大きな成功を成し遂げる人は、とにかく普通と逆の考え方や行動をとります。(もちろん、そのほうがより本質的な価値を伴っているということを理解しているから逆をやるわけですが)

 

この文章を読むだけでも、高野氏が大きな成功を収める考え方の持ち主である(成功すべくして成功した)ということが良く分かります。

 

高野誠鮮氏のキャリア

以下が高野誠鮮氏のキャリアです。

  • 1955年、石川県羽咋市生まれ。僧侶(日蓮宗本燈山妙法寺第41世住職)。
  • 僧侶になるために立正大学に通う傍ら、テレビの構成作家の仕事をするようになり、「11PM」「プレステージ」といった番組を手がける。
  • 1984年、家を継ぐために地元に戻り、羽咋市役所臨時職員として採用される。
  • 教育委員会社会教育課勤務時代に、UFOによる町おこしのアイデアを考えて実践。NASAやロシア宇宙局から本物の帰還カプセル・ロケット等を買いつけ、宇宙科学博物館「コスモアイル羽咋」を開設。アメリカから宇宙飛行士を呼び寄せ「宇宙とUFO国際シンポジウム」を開催。
  • 1990年、UFOによる町おこしの実績が認められ、臨時職員から正職員へと昇格。
  • 2005年、農林水産課勤務時に、過疎高齢化が進む羽咋市神子原地区を年間予算60万円で立て直すプロジェクトに着手。(ローマ法王への献上などを通し)神子原米のブランド化、農家経営の直売所の開設による農家の高収入化に成功。
  • 2018年現在、立正大学客員教授、新潟経営大学特別客員教授。地方創生の講演会なども行っている。

 

本書では、前半部において農林水産課時代のプロジェクト(表題にもなっているローマ法王への米献上も含む)、後半部において教育委員会時代のUFOによる町おこしプロジェクトが取り上げられています。

 

両方のプロジェクトにおいて、明らかに「普通」ではない行動を積み重ねて大きな実績を挙げている高野氏ですが、キャリアを見てみると、こちらも「普通」ではない独特の経歴(僧侶になるべく大学で学びながら、僧侶とは縁遠そうなテレビの構成作家としても活躍)を持っていることが分かります。

 

ごちゃごちゃ言ってる前にとにかく行動しようぜというのが高野氏のスタンスであり、それは本書全体を通して何度も書かれていることでもあるのですが、このような思考体系はおそらく構成作家時代に築かれたものであろうということが推測されます。

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本書から学べること

ここでは、僕なりのまとめということで、本書を通して学べることについて、本書の内容と絡めながら書いていきます。

 

以下のとおり、5つの学びを取り上げてみました。

  1. とりあえずやってみる(仮説を立てたらさっさと動き出す)
  2. やるなら徹底的にやる(半端にやらない)
  3. 地道に積み上げる
  4. 人にやって欲しいなら、まずは自分がやってみせ、相手にやってもらい、納得してもらう
  5. ポイントとなる人間を押さえる

 

1.とりあえずやってみる(仮説を立てたらさっさと動き出す)

本全体を通して高野氏の行動原則として貫かれている点です。

何事もやってみるまでは結果は分からない、とりあえずやってみて、失敗をしながら前に進んでいこうということが、様々な事例(タイトルであるローマ法王にお米を送るという一見無謀に思える件もまさにそうです)と共に取り上げられています。

 

一方、役所の場合、とりあえずやってみると言っても基本的には都度上司陣の決裁が必要です。

そこで、農村振興のプロジェクトを進めるに当たっては、事前に市長に了承を得て、全て事後承諾で済ますという型で進めたという話が出てきます。(あまり色々と言われないために、敢えて低予算でプロジェクトで取り組むといった戦略も取っています)

 

このように、とにかく行動のスピード感を高めることを徹底しています。

 

「じっくり考えるというより、走りながら考えます。で、失敗したらどうしようとは考えないんですよ。頭の中では成功したときのイメージしか描かない」という言葉が出てきますが、これは古今東西多くの成功者が持っている考え方でもあります。

 

2.やるなら徹底的にやる(半端にやらない)

やるなら中途半端にやらず徹底的にやるべきということを高野氏は述べています。

 

そのことが分かるエピソードとして、以下のようなものが取り上げられています。

  • 農村振興プロジェクトにおいて、地元の米をブランディングするために、天皇陛下御用達米というお墨付きをもらうべく宮内庁へアプローチする(これは失敗)、同じくローマ法王に食べて欲しいとローマ法王庁に手紙を書く(実際に献上に成功)。
  • 米のパッケージの文字を書いてもらうべく、エルメスの作家にアプローチする(本来数百万かかるところ、マネージャーを通さず直接アプローチすることにより米30キロの代わりとして書いてもらうことに成功)
  • UFOによる町おこしプロジェクトでは、レーガン、サッチャー、ゴルバチョフなど、世界のVIP120人に対して取り組みへの激励のメッセージを依頼し、多くのVIPからメッセージをもらうことに成功(ちなみに最後までメッセージをくれなかったのは日本政府だったと皮肉を書いています)
  • 同プロジェクトの取り組みについて、AP、AFP、ロイターなどの海外に情報を流して記事にしてもらう→それを機に日本の大手新聞社の記事にも取り上げてもらう
  • 宇宙科学博物館(コスモアイル羽咋)設立に当たり、本物の月面探査機や月の石をNASAに直接行って無償で借り入れる

 

ただ行動をするというだけではなく、過去に類を得ないレベルのことをやってやろうという視点で行動していますね。

 

また、高野氏は英語は出来たようですが、特に海外のVIPにコネがあったわけでもなく、とにかくFAXなどで手当たり次第にチャレンジをし続けたというところもポイントです。

 

3.地道に積み上げる

ローマ法王へのお米の献上など、結果の部分が注目されがちですが、実際には地道にコツコツと積み重ねて大きな結果を作っているという点が語られています。

 

例えば、農家の人たちの出資のもと、会社を設立して直売所を作ろうという提案をした際には、「赤字になったら役所が全額補填しろ」といった強烈な反対に合うものの、1年間でなんと45回の会議を開き説得に成功したというエピソードが語られています。

 

結果として見える部分はド派手ですが、そうした大きな成果を出したいのであれば結局は着実に一歩ずつ進めるしかないということですね。

 

4.人にやって欲しいなら、まずは自分がやってみせ、相手にやってもらい、納得してもらう

高野氏は、羽咋市神子原地区の振興プロジェクトを行うに当たり、まずは自分が振興策として米を売ると宣言し、神子原米のブランディング(ローマ法王への献上やメディア戦略など)、大手デパートでの高額販売に成功して結果を残します。

その上で、農家主体での農産物直売所の運営会社設立という流れを進めていきました。

 

自分がやりもしないのに、ただやってくださいというのは通用しないよねということですね。

 

5.ポイントとなる人間を押さえる

とにかく高野氏の行動力は圧倒的ですが、あまりにもその内容が異質であるが故に、権限を握る人によってそれが潰されてしまう可能性があります。

 

そのため、例えば事後決裁でOKという件については最初に市長に話を通したとか(副市長には話を通さず、怒られたエピソードが書いてあります)、直売所設立に当たっての45回に渡る農家の方たちとの会議では、45回目の会議で出資をしないかと提案をした農家の方に対して事前に根回しをしておいたとか、米のブランディング等について取り組む前にはJAの組合長に仁義を切っておいたといったことが書かれています。

 

きっちりとキーパーソンを押さえて対応をしているという点が伺えます。

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公務員にとって耳の痛い言葉集

高野氏は本書の所々で役所的な仕事のやり方を痛烈に批判しています。

この本に興味のある方は、自身が公務員であるという方も多いのかなと思いますので、敢えてそういった厳しい言葉をいくつか取り上げてみます。

「普通の公務員は、村を見ていないんですよ。こんなことしたら部長に怒られるかなとか、こんなこと言ったら課長に怒られるかなとか、どこを見てるかというと、上司を見て仕事をしてるんです。

現場を見ていないんです、ほとんど。だからとんちんかんなことをやるんですね。」P27

 

「計画書はただの印刷物。印刷物で世の中が変わるんだったら神子原も、石川県も、日本も、もっとよくなっているはず。だから計画書はA3用紙1枚だけにしました。そこに地域活性化のための5ヵ年計画を書いたのです。

私たちに何が足りないのか?行動する力がまったくないんです。知識や情報を持っていても行動理念がない。」P29

 

「従前の裁量権を持った人たちの判断が正しかったら、集落はこうは疲弊していないはずというのが、そもそもの私の疑問なんですよ。

〜中略〜

こちらが本質から村落を変えようとしても、「そんな前例のないことはだめだ」「そんなことやって失敗したら誰が責任取るんだ」などと反対して、決裁はくれないと思ったんです。

「◯◯してよろしいですか」と回したとたん、出来ることも出来なくなってしまうんです。」P34(だから事後承諾の形を取ったと語っている)

 

「何より感動したのが、「俺は定年まであと3年間ある。その間、何をやってもいいぞ。犯罪以外なら、俺が全部責任を取る」と言ってくれたことです。」P35(当時の高野氏の直属の上司である農林水産課の池田課長について→これこそ正に理想の上司だと思います)

 

「町にとって最悪の「町こわし」的な発想とは何かというと、失敗したら誰の責任だと、責任追及をすることです。

犯人捜しをしたり、悪いのはあいつだと責め始めると、一歩も前に進まなくなる。だいたい頭の悪い人がやっていますね。」P182

 

公務員には3つしかいないと思います。いてもいなくてもいい公務員、いちゃ困る公務員、いなくちゃならない公務員。それを選んでいるのは、結局、本人なんですね。」P247

 

民間の企業では、自分がもらっている給料の3倍以上の仕事をしています。ところが、公務員とJAの職員の悪いところは、10万円しか給料をもらってないから、10万円分の仕事をしたと。これでは会社はつぶれちゃうんですね。」P247

 

おわりに

以上、「ローマ法王に米を食べさせた男」についてまとめてみました。

 

僕は現役公務員時代に本書を読んだのですが、凄くワクワクしながら、そして凄く共感しながら読んだ記憶があります。

一方で、これを読んで何か変わったかと言えばそんなことはなく、まさに高野氏の「こんなことしたら部長に怒られるかなとか、こんなこと言ったら課長に怒られるかなとか、どこを見てるかというと、上司を見て仕事をしてるんです」という言葉通りの公務員でしたね。

 

退職後の今は色々と行動が出来ていて、それこそ公務員時代に比べれば雲泥の差があると思っていますが、僕自身が公務員時代〜現在までの一連の経験を通して思うのは、行動できるかどうかは環境(人間関係)を変えて、そのための思考が培えたかどうかが全てだということです。

 

高野氏の思考はおそらく構成作家時代(もしくはそれより前)の環境によって形成されたものであり、明らかに公務員時代に形成されたものではありません。

 

ですから、仮に本書の内容に感動してこのように行動しよう!と決意をしたところで、思考が伴っていない以上、行動は3週間も持たないというのが実際のところだと考えます。

 

もし高野氏の話を本格的に実践するとすれば、勤務後や週末に会う人を変える(それこそ高野氏みたいな人たちと接点を持つ)とか、同じ組織の中でも本書のようなスーパー公務員的な人と接点を持つとか、環境面(人間関係)から変えていく工夫が必要(つまり思考面を根本的に変えていく)になってくると言えるでしょう。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

>>もし公務員の方で本書に興味を持ったのであれば、以下の記事も共感できる部分が多いかと思いますので、よろしければご覧ください。

公務員なら全員読むべし!ホリエモン×落合陽一「10年後の仕事図鑑」について。

2018.06.12

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