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【動画で解説】公務員の高卒・短大卒・大卒の生涯年収差はほぼ無し!出世格差は存在。

こんにちは、元公務員のシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は、公務員の学歴別給料比較がテーマです。

総務省の最新の統計資料(H30地方公務員給与実態調査)に基づき、以下の項目をまとめました。

  • 大卒・短大卒・高卒公務員の年齢別年収比較
  • 大卒・短大卒・高卒公務員の生涯年収比較
  • 学歴が違うと何が違うのか?
  • どうしても公務員を目指したいなら高卒も良いかも

 

高卒と大卒の違いについて詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

動画でも解説しています。




シュンが動画で解説!

 

大卒・短大卒・高卒公務員の年齢別年収比較

学歴別で年収を比較した結果は以下の通りです。

大卒地方公務員(一般行政職)の年齢別年収

22~26歳 3,944,000円
27~28歳 4,375,000円
29~31歳 4,834,000円
32~36歳 5,589,000円
37~41歳 6,449,000円
42~46歳 7,232,000円
47~51歳 7,799,000円
52~56歳 8,246,000円
57~59歳 8,551,000円

 

短大卒地方公務員(一般行政職)の年齢別年収

20~24歳 3,390,000円
25~26歳 3,794,000円
27~29歳 4,163,000円
30~34歳 4,887,000円
35~39歳 5,650,000円
40~44歳 6,473,000円
45~49歳 7,005,000円
50~54歳 7,407,000円
55~59歳 7,660,000円

 

高卒地方公務員(一般行政職)の年齢別年収

18~22歳 3,091,000円
23~24歳 3,491,000円
25~27歳 3,878,000円
28~32歳 4,591,000円
33~37歳 5,418,000円
38~42歳 6,334,000円
43~47歳 7,004,000円
48~52歳 7,433,000円
53~59歳 7,770,000円

 

50代の高年齢層において、大卒と短大卒・高卒との差が大きくなることが分かります。




大卒・短大卒・高卒公務員の生涯年収比較

次に、先ほど算出した年齢別のデータに基づき、生涯年収を学歴ごとに算出しました。

大卒地方公務員(一般行政職)の生涯年収額

266,913,000円(給与収入245,200,000円、退職金21,713,000円)

※給与収入は、年齢別の平均年収を累積(22〜59歳)して算出。

 

短大卒地方公務員(一般行政職)の生涯年収額

254,150,000円(給与収入232,437,000円、退職金21,713,000円)

※給与収入は、年齢別の平均年収を累積(20〜59歳)して算出。

 

高卒地方公務員(一般行政職)の生涯年収額

264,074,000円(給与収入242,361,000円、退職金21,713,000円)

※給与収入は、年齢別の平均年収を累積(18〜59歳)して算出。

 

高卒と大卒の生涯年収はほとんど変わらない!

見ての通り、生涯年収ベースで見ると、大卒と高卒はほとんど変わりません。(短大卒は少し少なめですが)

 

これは、高卒の働く期間が大卒に比べ単純に4年間長いという点が大きく影響しています。

高卒の18〜22歳の平均年収が309万ですから、大卒1年目22歳で入ってくる人に対し、300万×4年=1200万円のアドバンテージがあります。

先ほどの年齢別年収を見ると分かりますが、50代高卒と50代大卒ではそれなりに大きな年収差があります。とは言え、例えば毎年60万の差があったとしても、1200万をひっくり返すには20年かかる計算になります。

それだけ最初の4年の差は大きいということになります。

 

結論として見れば、大卒が高卒の生涯年収を約300万円上回っていますので、大卒側がスタート時につけられた1200万円差をひっくり返して300万円の差をつけたということになります。

つまり、大卒は勤務が4年短いのに高卒より1500万円大きく稼ぐとも言えるわけですが、このレベルの差であれば、個人的には高卒も大卒もたいして変わらないと思います。

ちなみに民間の場合、高卒正社員の生涯年収が約1億9000万なのに比べ、大卒正社員は約2億5000万です。(全産業平均値、労働者10人以上の企業、退職金は含まず。厚労省のH30賃金構造基本統計調査をベースに推計)

つまり、公務員は民間に比べ収入の学歴格差がかなり小さいことが分かります。

 

学歴が違うと何が違うのか?

ここまで見てきた通り、学歴が違っても生涯年収はあまり変わらないわけですが、実は大きく異なる面があります。

それはズバリ出世面です。

 

もちろん、実力主義的をとっている自治体もあると思いますが、僕がいた県庁で言えば、副知事〜部長は全て大卒でしたし、課長以下を見ても出世差は結構目立ちました。

そして、おそらくこの方針を取っている自治体がスタンダードであると思います。(試験名も地方上級・初級って言ったりするくらいですし)

 

ぶっちゃけ能力面での差は一切ありません。

そもそも日本における学歴=単なる一時的暗記力(しかも特定の科目限定の)ですから、実務面とほぼ関係ありません。

僕がいた県庁で見ても、大卒の人より圧倒的に優秀な高卒の人もゴロゴロいました。

 

しかし、公務員は前例踏襲が基本ですから、古いしきたりで出世の差があるのだと思われます。

 

とは言え、今後公務員を取り巻く情勢は厳しくなりますから(人口減・社会保障費増)、前例よりも実の部分を取らざるを得なくなるでしょう。

よって、今後大きく見直される可能性はありますが、今のところ出世格差は存在すると言っていいでしょう。

 

※これらはあくまで地方公務員の話です。地方の場合、高卒でも部長級とかトップクラスになるケースもありますが、国家公務員の場合、総合職かそれ以外(大卒・高卒一般職)で歴然たる差があり、総合職合格者を高卒合格者が出世で抜くという可能性はほぼ0と言ってもいいです。




高卒試験は結構お得?

出世面では少し差があると書きましたが、生涯年収ではあまり差がないという点と難易度面で見た場合、高卒自治体は結構お得だと言えます。

 

試験倍率面だけで見れば、高卒は採用人数も少ないため結構高い倍率なのですが、はっきり言って対戦相手がラクです。

なぜかと言えば、進学校の人で高卒で公務員を目指すという人はほぼいないためです。

 

一方で、大卒後地元に戻って公務員になろうと考えている人(また、大学に入ってからそう考える人)はうじゃうじゃいます。

それこそ進学校出身、上位国立や早慶・MARCHみたいのもゴロゴロ来るわけですから、対戦相手としては強豪になります。

 

というわけで、どうしても公務員になりたいという人は、大学にはこだわらず高卒試験を狙うというのもアリだと思います。

(ただし、上で書いた試験難易度はあくまで筆記で見た場合の話です。最終的には面接が重視されますし、面接となれば進学校うんぬんは関係ありませんので、その点はご注意ください)

 

まとめ

  • 高卒・短大卒に比べ、大卒の年収はそれなりに高い(特に50代)。
  • ただし、生涯年収ベースで見ると大卒266,913,000円、高卒264,074,000円と300万円しか変わらない。(この理由は単純に高卒が4年長く働いている影響が大きい)
  • 高卒・短大卒と大卒で異なるのは出世面
  • 出世面に目をつぶれば、試験難易度で考えると高卒公務員はお得とも考えられる

以上、公務員の高卒・短大卒・大卒の違いでした。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

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