こんにちは、元公務員のシュンです!
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今回は「退職金の平均相場」がテーマです。
退職金についてはいくつかの統計指標があるため、それぞれ違いを解説しながら、定年退職者の退職金相場について書いていきます。
具体的には、以下の退職金相場についてそれぞれ掲載していきます。
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民間(大企業)の退職金平均相場
大企業の大卒男性退職金は2250万、高卒男性は1790万
まずは、厚労省の外局である中央労働委員会がまとめた退職金の額です。
こちらは、「資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上」という大企業に関する統計です。
大卒(男性のみ) | 高卒(男性のみ) | ||
2017年 | 産業計 | 22,490,000円 | 17,922,000円 |
製造業 | 21,363,000円 | 16,909,000円 | |
2015年 | 産業計 | 23,039,000円 | 20,152,000円 |
製造業 | 22,174,000円 | 19,246,000円 |
中央労働委員会「平成29年賃金事情等総合調査」より
業種全体で見た場合も、製造業だけに絞って見た場合も、退職金は減少傾向にあることが見て取れます。
特に高卒の減額幅がかなり大きいですね。
民間(経団連所属企業)の退職金平均相場
経団連所属企業の大卒者退職金は2370万、高卒者は2050万or1820万
次は、日本経済団体連合会(経団連)がまとめた退職金の額です。
若干中央労働委員会の統計と属性が近いところもありますが、
- 純資産額(単体)が10億円以上であること
- 3期以上連続して当期純損失を計上していないこと
が経団連の加入条件ですので、より優良企業という位置付けで見てもらえればと思います。
大卒(男女) | 高卒(男女) | ||
2016年 | 管理・事務・技術労働者 | 23,742,000円 | 20,477,000円 |
生産・現業労働者 | — | 18,212,000円 | |
2014年 | 管理・事務・技術労働者 | 23,577,000円 | 21,549,000円 |
生産・現業労働者 | — | 18,310,000円 |
日本経団連「2016年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」および「2014年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」より
こちらは中央労働委員会の統計と異なり、対象が男性限定ではありません。
基本的に男性のほうが退職金が高い傾向にありますから、その点を踏まえて考えると、中央労働委員会(資本金5億以上かつ労働者1000人以上)のケースに比べてかなり退職金の額が良いということが分かります。
民間(30人以上の企業)の退職金平均相場
30人以上の企業の大卒者退職金は1790万、高卒者は1400万or1160万
次は、厚労省がまとめた退職金の額です。
30人以上の企業が対象の統計であり、上記2統計に比べかなり対象範囲が広がります。
大卒(男女) | 高卒(男女) | ||
2018年 | 管理・事務・技術労働者 | 17,880,000円 | 13,960,000円 |
生産・現業労働者 | — | 11,550,000円 | |
2013年 | 管理・事務・技術労働者 | 19,410,000円 | 16,730,000円 |
生産・現業労働者 | — | 11,280,000円 |
厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」
中小規模の企業も調査対象に入ってくる分、上記2統計に比べ金額はかなり低くなります。
なお、大企業や優良企業も含まれてこの平均額ですから、それ以外の企業はこの数字よりも少なくなることが見込まれます。(中小は次に取り上げます)
金額は、5年前に比べると大卒で150万、高卒で270万近く下がっていますね。
民間(10~299人の都内中小企業)の退職金平均相場
中小企業の大卒者退職金は1140万、高卒者は1080万
次は、東京都がまとめた都内中小企業の退職金の額です。
厚労省の統計の場合、30人以上すなわち大企業も含んでしまうため、10~299人の中小企業に特化した東京都の統計を抜粋してみました。
(こういう統計を独自に作っているのはさすが東京都だなという感じがします)
大卒(男女) | 高卒(男女) | |
2016年 | 11,389,000円 | 10,829,000円 |
2014年 | 13,839,000円 | 12,191,000円 |
東京都「中小企業の賃金・退職金事情(平成28年版)」及び「中小企業の賃金・退職金事情(平成26年版)」
上記のどの統計と比べても(また、以下の公務員の統計と比べても)かなりの金額差がありますね。
特に前回の調査に比べてみると、大卒は200万以上、高卒は100万円以上の大幅減額がされており、中小企業の苦しい懐事情が伺えます。
国家公務員の退職金平均相場
国家公務員の退職金は2170万or2220万
ここからは公務員の退職金です。
まずは国家公務員の金額です。
職員全体(男女) | 一般行政職俸給表(一)適用者(男女) | |
2016年 | 21,678,000円 | 22,231,000円 |
2015年 | 21,813,000円 | 22,398,000円 |
内閣官房「平成28年度退職手当の支給状況」及び「平成27年度退職手当の支給状況」
一般行政職俸給表(一)というのは、事務職の国家公務員ですね。
官僚もほとんどがこの区分です。
職員全体というのは、行政職だけでなく、公安職や医療職など全てをひっくるめたものです。
経団連には若干劣る(大卒の場合)ものの、30人以上の民間企業平均に比べると大幅に高いですね。
なお、この統計は高卒・大卒含んだものであり、実際、高卒と大卒でそこまで極端な退職金の差はありません。
よって、高卒の場合はここまで挙げた統計の中では最も高いと言っていいでしょう。
地方公務員の退職金平均相場
地方公務員の退職金は2260万or2290万
次に、地方公務員の金額です。
職員全体(男女) | 一般行政職(男女) | |
2016年 | 22,620,000円 | 22,861,000円 |
2015年 | 22,735,000円 | 22,901,000円 |
総務省「平成29年4月1日地方公務員給与実態調査」及び「平成28年4月1日地方公務員給与実態調査」
国家公務員に比べてさらに高い金額になっています。
公務員に転職を考えている社会人の方はこちら
ここまで民間と公務員の退職金を見てきましたが、中小企業に比べると公務員の退職金は圧倒的に上回ります。(公務員も下がってきてはいますが、まだまだ乖離は大きいです)
そういった点も含めて公務員への転職に魅力を感じている方の場合、何から始めたらいいのかの全体像を把握するために以下の記事は必読です。
また、具体的な試験対策や予備校比較などは以下の記事でまとめています。
まとめ
- 退職金の平均相場については、その企業規模や学歴によってバラバラ。
- 特に、大企業や公務員と中小企業の格差は倍近い額になっている。
以上です。
都内中小企業とそれ以外のところの金額差(約2倍)のインパクトが非常に大きいですね。
今後大幅な人口減少がほぼ確実な日本(いずれ都内ですら減少していく)において、需給面を踏まえれば基本的に経済は衰退方向に進む可能性が高いです。
もちろんその際は、大企業も今まで通りにとは行かないわけですが、それでも最初に大きな打撃を受けるであろう中小との格差は一層広がることが予測されます。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>「公務員の給料の全て」をまとめた記事はこちらから(公務員の年齢別給料・年収や生涯年収も分かります)