こんにちは、シュンです!
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今回は、公務員薬剤師の仕事はどんなことをするのかという点をテーマに書いて行きます。
薬剤師の仕事と言えば、病院や薬局での「調剤」もしくは研究者として「製薬」をするというのが一般的なイメージだと思いますが、公務員薬剤師の仕事は、このイメージとはかなり異なってきます。
以下では、公務員薬剤師はどんな仕事をやるのかという一般論的な話に加えて、僕が元県庁職員として見てきた薬剤師らしからぬ仕事の内容などもご紹介していきたいと思います。
公務員薬剤師の仕事とは?
民間の薬剤師と言えば、「薬局に勤めて調剤を担当する」「企業に勤めて製薬を行う」「企業に勤めて薬の営業をする」といったところが一般的な仕事だと思いますが、公務員の仕事はこれらと毛色が異なります。
ざっくり言うと、
民間が担う薬に関する仕事の規制側(新薬の承認、薬局の開設許可・立入検査など)を担うということになります。
詳細について以下で解説します。
国家公務員の場合
国家公務員総合職試験(化学・生物・薬学区分)に合格後、厚労省本省において採用され、薬事法の改正、新薬の承認等の業務に従事します。
総合職合格者ということで、国の技系官僚として業務を担うことになります。
薬剤師公務員の最高峰ですから、当然難易度もかなり高いです。(毎年10名未満の採用です)
また、こちらも非常に採用数が少ないですが、厚労省の出先機関である地方厚生局の採用試験に合格すれば、麻薬取締官(いわゆる麻薬Gメン)として勤務をすることになります。
特別司法警察職員としての立場で、要は逮捕権や武器携帯権を持って麻薬操作に当たります。
地方公務員の場合
県庁や市区町村で行われる地方公務員の薬剤師採用試験に合格後、本庁や出先機関(保健所等)に勤務します。
国家公務員と同様、採用数は少ないです。(僕がいた県庁だと5人程度でしたね)
主な仕事はこのような感じです。
薬事関係 |
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食品関係 |
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環境関係 |
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衛生研究関係 |
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調剤関係 |
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調剤というのが一番いわゆる薬剤師っぽい仕事ですが、ここにずっと従事するというケースはほぼ無いです。
公務員は3〜4年ごとに異動がありますので、上で書いた業務を幅広く経験することになります。
温泉の源泉調査はかなり異質というか、秘境の源泉に登山をして調査をしに行ったりするみたいです(笑)
薬事関係の中に書いた麻薬取締員というのは、国の麻薬取締官と同様、特別司法警察職員の権限があり、拳銃を携帯し、逮捕権も持っています。
国の場合、麻薬取締の専門官として公務員生活を過ごすわけですが、地方の場合は定期異動で配属され、数年経験したら違う部署に異動するという点が異なります。
麻薬取締員だった友人に聞いたところ、麻薬取締官に比べて小規模の案件を受け持つような仕組みになっているようです。
公務員薬剤師の異動先は?
基本的に保健福祉部局内での異動
ここから下は地方公務員薬剤師に関しての説明となります。
原則として、保健福祉部局内での異動になります。
本庁なら薬事課(薬事行政)、生活衛生課(食品・衛生行政)、出先なら保健所、公立病院、衛生研究所といったところですね。
一般の行政職と同様3〜4年程度での異動が一般的です。
一方、行政職の場合は全部局が異動対象ですから、それに比べれば狭い世界での異動ということになります。
全く関係ない部署に配属される可能性もあり
公務員薬剤師の主な仕事は、薬事・食品・研究・調剤と、民間に比べてかなり幅広いかなと思いますが、さらに全く関係ないような部署に異動するケースもあります。
例えば県庁では、「企画課」や「保健福祉部局の議会担当や予算担当」に配属されている薬剤師がいました。
これは、将来幹部になった時のために、視野を広げておいてもらう(よって、優秀な職員ほどそういう異動がなされる)という意味合いになりますが、こうなると薬剤師ということは1ミリも関係ありません。
普通の行政マンと全く同じ仕事を担いますし、あの人は薬剤師だからと手加減をしてもらえることもありません。
例えば企画課であれば、農業や工業施策の計画づくりに携わるようなことになりますし、保健福祉部門の議会や予算であれば、薬事関連のことに限らず(むしろこちらは保健福祉全体では少数派の仕事です)、高齢者福祉、障害者福祉、医療政策などに対応していくことになります。
薬剤師としての専門性追求という観点からすれば全然違う方向になりますが、行政においては何でも屋的で幅広い視点を持つ人間が評価されます。
よって、一般的にイメージする「薬剤師」としての能力を極めたいという人の場合にはあまり向いていないです。
逆に、薬剤師=この仕事と縛られずに、色々なことを経験してみたいということであれば、公務員はオススメできる仕事です。
公務員薬剤師の試験難易度は?
地方公務員の薬剤師採用試験の場合、薬剤師国家試験を突破できる力があれば十分に対応できると言っていいと思います。
僕の友人は、専門試験は薬剤師国家試験のための知識のみ、教養試験も勉強0(大学受験の際の知識のみ→情報公開での得点率は5割程度しか取ってませんでした)で合格しています。
→つまり、「公務員試験のため」にした勉強は0ということです。
採用数は少ないですが、そもそも受ける人数自体もそんなに多く無いので、倍率も低めです。
国家試験に突破できる能力があれば専門試験はOK、教養は不安なら少し問題集を解いて対策を行えば合格は十分可能でしょう。
(募集の少ない年次の場合はそう簡単ではない可能性もあります)
公務員薬剤師の給料は?
公務員薬剤師のお給料ですが、決して高いとは言えませんが、公務員なので安定しています。
トータルで見ると、薬局よりは高く(短期で見ると薬局の方が高いが、将来の伸びがあまり無い)、研究職やMRよりは低いという感じですね。
単にお金の面だけで大きく稼ぎたいなら、大企業の研究職かMRを選んだほうがいいということになります。
まとめ
- 公務員薬剤師は、主に民間薬剤師が行う仕事を規制・監督する側の仕事を担う
- 一方、食品、温泉、研究、調剤に関する業務も担うなど、仕事内容は非常に幅広く多様
- 薬剤師としての専門性を極めたいのであれば不向きであるが、幅広に色々なことがやりたいのであれば公務員薬剤師に向いている
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>公務員薬剤師の給料について細かく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。
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