公務員の勤務時間

【公務員の仕事は楽?】暇or忙しい部署や平均帰宅時間をぶっちゃけます。

こんにちは、元公務員のシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

公務員を目指す方の本音として、

  • 仕事にゆとりはあるのか?
  • 何時頃帰れるのか?
  • 休暇はしっかり取れるのか?
  • (特に女性)育休はどれくらい取れるのか?

といった点を気にされている方もかなり多いのではないでしょうか。

 

要は、「ぶっちゃけ公務員は楽なのか?」という疑問への回答について、僕の10年間の県庁生活を踏まえて3回にわたって書いていきます。

 

初回である今回は「結論」と「帰宅時間」、第2回は「休暇」、第3回は「民間との違い」をそれぞれ取り上げます。(2〜3回目は以下リンクの通り)




【結論】公務員の仕事は楽なのか?

部署(と個人の能力)次第

公務員は楽なのか?という問いに関する答えは、

「所属する部署(と個人の能力)次第」

です。

 

部署に関して言えば、年の大半でゆとりがあり、毎日18時には電気が消えているようなところもありますし、年中不夜城のようなところもあります。(課の空気も部署ごとに違います)

 

個人の能力に関して言えば、暇な部署でもいつまでも仕事をしている人もいれば、忙しい部署であってもスマートに仕事をこなしさっさと帰る人もいます。

 

一方、個人の能力をカッコ書きにしたのは、部署のほうが、楽かどうかが決まるずっと重要な要素であるということ、また、能力が高い人は得てして忙しい部署ばかり配置される傾向にあり、少しばかり能力が高くても楽にこなせるとは限らない部分があるからです。

 

ということで、ラクな仕事が出来るパターンの傾向をまとめると以下のような感じになります。

( )内が実際に起こりうる頻度ですね。

  • 優秀で暇な部署をメインに異動(ほぼ無い)
  • 能力そこそこで、暇な部署をメインに異動(少なめ)
  • 能力は高くなく、暇な部署をメインに異動(ありがち)
  • 優秀で通常の部署と暇な部署をバランス良く異動(かなり少なめ)
  • 能力そこそこで、通常の部署と暇な部署をバランス良く異動(そこそこある)
  • 優秀で通常の部署をメインに異動(少なめ)

※上になればなるほど楽

「能力が高くて暇な部署を回る」ことができれば、非常に楽な公務員生活を送れるということになりますが普通なら起こりえません。

 

しかし、暇な部署ばかり回るよう画策しているようにしか思えないような方もたまにいます。

 

例えば僕の知っている方で、出先機関ばかり異動し、非常にゆとりある生活をしている方がいました。

 

その方は一流大学を出ており、頭もかなり切れて仕事も軽くこなしていたのですが、情熱は一切無く、出来るだけ楽に仕事が出来るよう、また楽な仕事ができる部署を回れるよう立ち回っているように思えました。

→上司を敬わない、しょっちゅう風邪や何かの理由で休む、有給はガッツリ消化するなど。上司や人事担当からすれば、そういう人を責任ある部署や忙しい部署に異動させるのは躊躇します。

 

意図的に立ち回っていたのかはあくまで本人しか分かりませんが、俺はずっと出先がいいと言っていましたのである程度確信犯のような気はします。

 

なお、こうした確信犯的な人も、本当に仕事ができなくて暇なところばかり異動しているような人であっても、ある程度までは年功序列で順当に出世していき(僕がいた県庁では40歳過ぎるくらいまでは同列でした)、めちゃくちゃ頑張っている人と給料の差がほとんど出ません。

 

若手ほどこの点に憤りを感じていたように思います。

 

僕がいた県庁では、評価に応じて給与がアップする仕組み(ボーナスが上乗せされる)が始まっていましたが、アップされると言っても少額であり、今後どこまで本格的に差をつけていくのかは未知数でしたね。

 

ただ、個人的には大きく差をつけていくべきだと思います。

感覚としては、県庁であれば出先の課長補佐と本庁の課長なら2倍くらい差があってもいい気がします。(=出先を引き下げる)

 

暇な部署と忙しい部署は?

県庁であれば本庁と出先機関(保健所、福祉事務所、児童相談所、県税事務所、土木事務所、林業事務所、農業事務所、県立高校など)に分かれますが、基本的には本庁の方が忙しいです。

 

僕がいた県では、新規採用職員の大半がまず出先機関を経験するようになっており、ある意味そのゆとりの中で徐々に仕事に慣れていくようなシステムを取っていました。

(僕も最初は出先機関勤務でしたが、1年目はともかく、特に2年目からはかなりのゆとりある出先ライフを送っていました)

 

ただ、出先機関については、児童相談所であれば虐待の疑いのある家に訪問したり(かなり精神的にしんどい印象を受けました)、福祉事務所なら生活保護受給者のところに行って支援したり、県税事務所であれば滞納者に取り立てに行ったりと、住民に対面する仕事が本庁に比べて多い傾向にあり、質としてはなかなか大変なところもあったりもします

 

それでも、同期たちも出先は暇だった、楽しかったと口を揃えて言っていたので、基本的に出先は楽だと言えると思います。

 

なお、本庁が忙しいと言っても、課によってその差がかなりあります。

 

例えば、県全体の総合計画を作ったりする企画課(総合政策課)、予算編成を行う財政課、人事を担当する人事課のような花形的部署や保健福祉部門の部署は忙しい傾向にある一方、正直何やってるか良く分からない(失礼)男女参画課、文字通り統計を取りまとめる統計課、お金の出入りを管理する会計課(出納局)などは暇な傾向にありました。

 

ざっくり言うと、判断を繰り返すような部署は忙しく、ルーチンが多い部署は暇です。

 

なお、県庁で最も忙しかったのは財政課で、予算編成期(11月〜2月)は不夜城状態で、正月を除けば土日も全く休みが無いという悲惨な状態でしたね。

→財政課は県と市町村のスタンス次第でそこまで忙しくないところもあるようですが、多くの自治体の財政課はそういった環境にあるようです。

 

その一方、財政課にはタフな精鋭たちが集まります。

(まさに優秀な人が忙しい部署を回るという典型です)




平均帰宅時間は?

部署(と個人の能力)によるが、無理矢理平均すると19〜20時

平均帰宅時間が何時か?という点も、最初の結論と同じく

「所属する部署(と個人の能力)次第」です。

 

というのも、「出先機関ごとの差」「出先機関と本庁の差」「本庁であっても課ごとの差」「同じ課であっても係ごとの差」があるからです。

 

そのため、平均帰宅時間が何時とズバリ言うのは非常に難しいです。

 

ただ、あくまで感覚として言えば、休暇を除いた全ての勤務日を平均して、だいたい19〜20時くらいといったところではないかと思います。

 

具体的に僕の例で言えば、以下のような感じです。

  • 一番最初の勤務先である出先では、平均で定時から18時の間とかでした。さっさと帰って趣味に熱中してました。
  • 2ヶ所目は本庁で、仕事の質も大幅に上がったうえ(とにかくこれを大きく感じました)、勤務時間も延びました。自分の能力も出先の時より大幅に向上したこともあり、平均して19時から20時くらいでした。
  • 3ヶ所目は2ヶ所目と同じ課で、所属する係だけが変わったのですが、ここは忙しく、平均でも21時オーバーといった感じでした。忙しい時は1ヶ月平均しても午前0時を超えていたと思います。

 

僕の2〜3ヶ所目の例もそうですが、同じ課であっても係間での差が結構大きいです。

21時を過ぎてもいつも人がほとんどいる係もあれば、毎日18時の段階ではだいたい電気が消えている係があるといった課内格差の光景は珍しくありません。(そして暇な係は他の係に陰口を叩かれます(笑))

 

また、平均帰宅時間と言っても、どの部署であっても時期ごとで勤務時間には大きな違いがあり、予算にメインで関わる係なら決算時期や予算編成時期が忙しいとか、イベントをメインにやっている係なら大きなイベント開催期の前後が忙しいとかいったことがあります。

 

一方、いつも忙しくて1年中帰るのが遅いんだというところは全体数から見ればかなり少ないですね。

(なお、僕が3ヶ所目に経験した平均で21時オーバーというところは、全庁的に見てもトップクラスにハードな部署の一つでした

 

また、もちろん個人の能力の違いによっても帰宅時間は左右されます。

当たり前ですが、仕事が早ければさっさと帰れます。

一方で、優秀な人はハードな部署に異動しやすいので、そうも行かない部分があるというのは既に触れた通りです)

 

公務員の場合、業務が各人ごとにかなり細分化されているため、自分に与えられた業務が終了すれば特に周りには遠慮せず帰ることが出来ます。

→ある一つの案件に対し、チームで役割を分割してやるというものはかなり少ないです。フォローは同僚というより自分の直属の上司に頼む感じです。

 

同じ係の中ですらこのように縦割りというのは、正直組織としてどうなのかという感じもありますが、それだけ業務が細かいということです。

(なお、それがいいとは思いません。もしそのことに興味があれば以下の記事もご覧ください)

 

 

ちなみに、知事と若手職員の意見交換というものがあった際に、ある職員が、「今の職場に帰りづらい雰囲気がある」みたいなことを言ったところ、そんなの気にしないで自分の仕事が終わったら帰れと知事に一括されていました(笑)

まさにおっしゃる通りで、仕事が終わったらさっさと帰れば良いだけです。

 

実際、早く帰っていることに対して文句を言う人(たまにいます)よりも、あいつは仕事しっかりこなすのにいつも早帰りで優秀だなぁと思っている人の方がずっと多いですよ。




水曜日は定時帰りとなっているケースが多い

水曜日はノー残業デーとなっている自治体が多く、また実際にかなりの方が定時〜18時くらいの間で帰ります。

飲み会も水曜に設定されることも多かったですね(もしくは金曜)。

 

管理職は、ノー残業デーの達成度合いをさらに上司に対して報告しなければならないらしく、早く帰るように声をかけてくる方も多いです。

 

ただ、強制力があるわけでもなく、どうしても忙しい人は帰るに帰れないので、そういう人たちは許容され、ノー残業デーであろうが残業することになります

 

一方、(うちの県庁特有の話なのかは良く分かりませんが、)水曜に残業をした場合は、残業を申請することが実質的に出来なかった(暗黙の了解として残業として記録すべきでは無い=サービス残業が前提)ということがありました。

 

全く意味が分かりませんが、皆守っていましたね。

ノー残業デーとして県庁で定めているからという建前で出来上がったシステムなのでしょうが、本質とまるっきりずれた話だと思います。

 

そういう建前的な慣習が多いのは、公務員の非常に良くない点であると思います。

 

まぁ、そういった問題点もありましたが、全体の傾向としては、水曜は多くの皆さんが割り切って早く帰っていました。

 

ちなみに、自治体によっては、水曜は何時かを過ぎたら(多分18時頃)、課内の電気を消さなければならず、どうしても残る場合は上司に申請をしてハンコをもらう必要があるといった徹底的な取組みをしているところもあるようです。

 

働き方改革の中で強制早帰り日が増加傾向、しかし弊害も

政府が強調している「働き方改革」ですが、国が言い始めたことはすぐに県や市町村にも広がります。(→国から各自治体に要請がかかるため)

 

特に僕がいた県では、人事を束ねる部の部長の意向もあり、これをかなり強く推し進めようとしていました。

 

ノー残業デーが水曜に限らず数多く設定されたり、それ以外にも最大でも20時までに帰宅という日が設定されたりといった感じです。

 

しかも、今までのノー残業デーは忙しそうな人であればスルーされていましたが、上司が見回りをして追い出すような仕組みにしていました。

 

当然そうなれば本当に余程の事がある人を除き、基本的には帰ることになるのですが、結局翌日の朝早く(5時とか6時とか)に出勤してくる職員が続出するという笑えない状況になっていました。そして、その人たちは残業代が付かないわけです。

 

本質的に必要なのは、無駄な仕事を減らすことなんですよね。

 

もちろん早く帰らなければならないから集中してやることで処理スピードが早まるというメリットは間違いなくありますが、一方でどうにもならない量もある。

 

そこまで強権的にやるのであれば、上は上同士で本気でぶつかり合って(例えば部間調整、課間調整、議会との調整)、この業務は無駄だから無くそうという努力をし、そしてそれを部下に見せるべきだと僕は強く感じていましたが、そういう点はほとんど無かったですね。

 

その姿勢を見せてもらえるだけでも部下としては全然捉え方が違うのですが。

 

働き方改革の件に限らず、残念ながらそういう粋な上司はそう多くないように思います。(僕は人に恵まれていて、男気のある上司に当たることが多かったので、運が良かったです)

 

ただ、これはどの組織でも似たようなものなのかもしれません。

 

まとめ

  • 忙しさは、部署(本庁か出先か。何の課か。同じ課の中でもどの係か)や時期によって大きな差がある。(定時帰りが出来るような部署もあるが、どちらかと言えば少数派)
  • 敢えて言えば、帰宅時間の平均は19時〜20時くらい。
  • 業務が細分化されていて、チームでやる業務が少ない傾向にあるため、能力が高ければいくらでも早く帰れる。が、優秀な人は忙しい部署に回される可能性が高い。

以上です。

 

次回は、「公務員の休暇」について取り上げます。

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

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