こんにちは、元公務員のシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
さて、今回は公務員の面接対策(集団討論)について取り上げます。
本記事の内容
- 県庁の討論試験における実績【結構点数高かったです】
- 集団討論のざっくりした概要
- 高得点を確保するためのポイント
- ムキになる(感情的になる)と大きく点を落とす【同期の実話あり】
- 練習は大切
地方上級試験の多くや一部の市役所試験では、2次試験以降で集団討論が行われます。
通常の面接とはかなり毛色が異なるため、別途対策を練る必要があります。
僕自身の討論試験での対応や、県庁での経験を踏まえて僕が試験官ならどう採点するかといった観点から対策記事を書いて行きます。(なお、僕の県庁時代の経歴はプロフィールをご覧ください)
僕が討論試験で獲得した点数
まず、僕の討論試験での実績を書きます。
僕が受けた県庁は、受験生同士による集団討論ではなく、試験官と2対1で討論をする形式でした。
1次試験の合格通知とともに討論テーマが示され、試験日までに各自テーマの勉強をして当日に試験官と議論する流れです。
集団討論と異なり、司会や書記はいらないですし、議論があちこちに飛んだものを集約する必要もありません。
相手の意見を尊重しながら、自分の考えを首尾一貫で主張することだけに徹すればいいので、集団討論に比べると僕的にはラクでした。
なお、点数開示による僕の討論試験の得点率は88.2%でした。
正直、我ながらかなりの得点だったと思います。
なお、これは事前の準備期間を活用して、テーマに関して現場の意見を聞いてきたことが大きかったと思っています。
(ちなみに僕が受けた時は「ゆとり教育の是非」がテーマだったので、中学校時代の恩師に話を聞きに行きました)
現場の意見を聞くというのは、討論に限らず、通常の面接においてもめちゃくちゃ有効ですので、ぜひ別途以下の記事もご覧ください。
関連記事公務員試験の面接対策!大幅加点間違い無しの簡単にできる秘策とは?
集団討論のざっくりした概要
そもそも集団討論ってどんなことやるのよ?という話ですが、
「受験生数名が、自治体から示されたテーマについて議論し、45分とか60分とかの時間の中で一定の結論を出していく」
ものです。
僕が受けた県庁のように、事前に何日も時間が与えられるというのは少数派で、試験直前にテーマが伝えられ、10分くらいで自分の主張をまとめた上で討論がスタートするといったケースが多いようです。
集団討論で高得点を取るための重要なポイント
しっかりと過去の出題内容を調べよう
受験する自治体の過去数年の議論テーマは絶対に押さえておきましょう。
どうしても入りたい大学があれば、その赤本を中心に解くのが合格への近道であるのと同じです。
実際、テーマの傾向は自治体によってかなり偏りがあります。
事前の知識が無くてもなんとかなるようなテーマを中心に出している自治体もあれば、その自治体の施策を読み込んでおいたほうが有利なテーマを多く出しているところもあります。
いくら集団討論の段取りを押さえていたところで、出されたテーマに対する知識が0だと厳しいです。(その場合でもなんとか対応するしかないですが)
自分の適性(強み)を必ず見極めてから本番に臨もう
司会が得意だとか、書記が得意だとか、意見をまとめるのが得意だとか、絶対にその人の適性というものがあります。
しかも、それは人生において培われているので、簡単に変えられるものではありません。(また、強みなのだから変える必要もありません)
まずは、今までの自分の人生を冷静に振り返って、自分はどういう立場が向いているのかをしっかりと把握しておくことが重要です。
例えば、
- 仕切りが得意な人(=司会役)
- 誰よりも早く、真っ先に意見を言える人
- AさんとBさんの意見をうまく調整して折衷案を出すのが得意な人
- 本質を見抜くことが得意な人
など、色々なパターンがあるはずです。
自分の得意な土俵で戦うことが最も大切です。
司会をうまくこなせば高い点数が取れるだろうとか、ポジションによる優位性を気にして自分の強みを捨てるような考え方はまずいです。
確かに、皆が初めて会った人たちにも関わらず、その議論を司会としてうまくリードしてまとめ上げれば間違いなく高得点につながるでしょう。
一方、それは非常な困難を伴う案件ですから、強みでもないのに小手先で対応出来るような話ではないということです。
自分の適性に合ったところで十分に能力を発揮すれば、間違いなく高得点を取ることが出来ますよ。
批判ばかりではダメ!
なお、批判的な意見ばかり言うのは最悪です。
「批判」が自分の強みで、それによって議論をより良い方向に導くきっかけになっているのだろうと思っているなら、とんでもない勘違いです。
僕が試験官なら絶対に落とします。
なぜなら、そんな人と一緒に働きたくないからです。(→そんな理由で点数つけるの?と思うかもしれませんが、人はしょせん感情の生き物ですから。面接官だって同じです。)
批判というマイナス面ではなく、「色々な物事のデメリットを冷静に見極められる」という強みに転化してください。
- ○○の意見は確かにこういうメリットがあって素晴らしい。
- 一方で、その意見はこういう問題点もあるのではないかと考える。
- よって、対応案としてはこういうものが考えられる。(できれば〇〇さんの意見をよりプラスの方向に活かす案がベター)
というように、相手を否定せずに生産性のある形で返しましょう。
思いつきでアイデアを言うのではなく、自分の実体験や経験と絡めよう
自分の実体験や経験と絡めて意見を言いましょう。
これはとにかくオススメです。
説得力が違うのと、リアルな公務員の現場が机上の空論で溢れ返っているので(笑)、試験官に与えるインパクトが違います。
机上の空論という意味で言えば、
「理屈は綺麗だけど、実現性があるの?」
「ただの自己満足で大した成果が無いんじゃないの?」
と思われるような意見はやめておきましょう。
もっと地に足がついた意見でいいんですよ。
具体例をあげてみますね。
例えば、
「街の活性化策について議論せよ」
というテーマが出た時に、
「人気YouTuberを呼んでこういった企画をやってもらう」
みたいな、お金ばかりがかかりそうな、ただの思いつきのような話をするのはあまりオススメしません。
仮にYouTuberの話をしたいなら、
- 僕はYouTubeで動画を撮影してきた経験がある、チャンネル登録者も○○人を記録している
- 老後で自分のスキルを活かしたいという高齢者のために、僕がYouTubeの発信のやり方を教える事業を実施する
- その対価として、必ず町の名所スポットを紹介する動画を作ってもらうことを条件とする
といった流れならアリです。
要は、自分の実体験や経験を絡めて意見にリアリティや実現性を持たせた主張をすることが重要です。
別にYouTubeじゃなくてインスタでも何でもいいですし、そういったものが苦手なら自分がやってきた何か(大きなことでなくて全然いいんです)に絡めましょう。
さらに言えば、財政面についてもうまく配慮できればベターです。(上の事例なら、ほぼタダでその施策が実施できますよね)
財政が苦しいというのはどの公務員組織でも共通の課題です。
大きなビジョンに基づく投資も時と場合によっては必要ですが、施設を作るとか、有名人に来てもらってPRするとか、デカいイベントをやるとか、お金でどうにかしようというアイデア(しかも自分の経験とも絡めていない)が好印象を与えることはまずないでしょう。
→試験官も、そんなの財政課通らねぇよと内心突っ込んでいるのは間違いありません。
ただ、周りのアイデアに対し、それは財政的に無理だし、成果も出なそうだから意味無いよと言ってしまうとやはり協調性でマイナスになってしまいますから、その辺はうまく空気を読みましょう(笑)
【重要】ムキになって反論するのは絶対やめよう【実例あり】
上で書いてきた話は、これが出来たら他の受験生と差別化が図れるというものです。(つまりプラスαの話)
ぶっちゃけ、
- 他の人の意見を尊重しながら自分の意見を主張する
- 他の意見をうまくまとめながら折衷案を述べる
といったいかにも公務員といった無難な流れで淡々とこなしていくだけでも、十分及第点は取れます。
→市役所職員の妻はそんな感じで討論を突破しています
しかし、討論時に絶対にやってはいけないことがあります。
それは、相手の主張に対してムキになって反論することです。
相手を言いくるめて自分の意見を通す(つまりWin-Loseの関係)ということは、ビジネスのみならず、あらゆる場面において良い結論ではないということを、経営の神様であるドラッカーも述べています。
成果を上げたいなら、一方的な敗者が生まれるようなやり方は避けたほうが賢明だということです。
何よりも、僕が試験官ならそういう人とは働きたくないと思うでしょう。
だから当然、点数も低くします。
人は論理ではなく感情の生き物であるという原理原則を絶対に覚えておきましょう。
【実話】優秀な同期の討論の点数がかなり低かった話
ムキになるなという話には具体的な裏付けがあって、仲の良い同期の討論の点数が僕より40点くらい低かったんですね。
彼は非常に頭がよく、性格もいい奴なのですが、自分の主張を通すべく、かなりムキになって感情的に反論してしまったのが間違いなく点数が低かった原因だろうと分析をしていました。
ムキになって反論してしまうというのは「討論」だからこそ、また頭がいい人ほど陥りがちな罠です。(ちなみに、通常の面接のほうでは彼に負けてました。)
討論は相手を言いくるめることが目的ではありません。
反対意見も含めたお互いの主張を活用して、より良い結論を導いていくことが目的です。
自分の意見を通そうとムキになってしまった結果、大きな減点を食らった実例があるんだという点は押さえておきましょう。
本番まできちんと練習をしよう!
色々と書いてきましたが、集団討論は普通の面接に比べればかなり特殊な形態ですし、いくら頭でシュミレーションをしても、ぶっつけではうまくいかないです。
公務員予備校で模擬討論をしたり、民間企業を受けるなどして事前に慣れておきましょう。
↓なお、予備校での対策は非常に効果的ですが、以下注意です。(模擬面接だけを予備校で対策するのは基本不可)
まとめ
- 受験する自治体の過去のテーマを押さえる
- 自分の得意な役割を分析しておき、当日はその役割を担う
- 実体験に応じた説得力のある主張を展開する(財政にも気を遣えるとベター)
- 相手の非難や批判はせず、YesBut方式で相手を立てつつ議論を組み立てていくことをしっかり意識する
- ムキになって反論するのはご法度
- しっかりと事前に練習(予備校の模擬討論や民間を受ける)をしておくこと
以上について対応すれば、間違いなく及第点以上、というか上位で通るでしょう。
さらに言えば、
- ある意見を潰すというのではなく、反対意見もうまくひっくるめて、より高みの意見にまとめ上げる
ことができれば最強です。
本来、ここに持ってくのは司会の腕の見せ所という感じもしますが、司会がイマイチなら、自分でうまく舵を取るのもありでしょう。(あんまり無理はしないほうがいいです)
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>公務員の面接対策について網羅的に解説した記事はこちらです!