仕事術

パーキンソンの法則を逆に取れ!時間とお金を最も効率的に使うには?

こんにちは、元公務員のシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は、官僚の仕事の分析により導かれた「パーキンソンの法則」を取り上げながら、時間やお金の効果的な使い方を探っていきたいと思います。

 

  • 元公務員が考える、サービス残業が多くブラックだとも言われる公務員の仕事の問題点は?
  • パーキンソンの法則をどのように活用すれば、より効率的に仕事が行える(時間やお金が使える)のか?

といったテーマに基づいて記事を書いていきます。




パーキンソンの法則とは?

パーキンソンの法則とは、イギリスの歴史学者であるパーキンソンにより、官僚の仕事を分析することで導き出された時間とお金に関する法則です。

 

第1法則 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

第2法則 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

 

要は、

  • 時間があればあるほど仕事が増え続ける
  • 収入が増えれば増えるほど支出も増え続ける

ということですね。

 

役人(官僚)を分析して導き出された法則なので、おそらく公務員の方ならドンピシャで腑に落ちると思いますし、公務員に限らず、あらゆる仕事や日常生活に当てはまりうる法則だなと感じる方も多いかなと思います。

(全く当てはまらないなと思った方はかなり優秀なビジネスマンだと思います)

 

理論上最も効率が良いはずの官僚制は、ひどく非効率な仕組みだった

結局人は理論の生き物ではなく感情の生き物である

官僚制というのは、各人が専門性に特化して仕事を分担する仕組みであり、理論上は仕事の遂行において最も効率的な仕組みであると考えられていたわけですが、観察をしてみるとむしろひどく効率の悪い仕組みであるということが見えてきたわけです。

 

ここで重要なのは、人は論理の生き物ではなく、欲求を優先する感情の生き物だということです。

 

つまり、感情によらず、各人が徹底して専門性に特化して業務を淡々と遂行していたならば、それは確かに効率的であったのかもしれませんが、実際に官僚の仕事を見ていると「人は必ず部下を増やしたがり、そして増えた部下は必ず仕事を作り出す」ということが分かったということです。(まさに人の承認欲求のなせる業ですね)

結果的に組織は肥大化し、どうでもいい仕事や支出がどんどん増えていく。

こうした観察結果を元にしてパーキンソンの法則が導き出されていきました。

 

実際に行政の現場を経験した元公務員として思うこと

10年近く公務員として現場を見てきた中で思うのは、公務員は本当にどうでもいい(誰の役にも立たない、まさに時間の無駄と言えるような)仕事に時間をかける割合が非常に多いですし、また、予算もあればあるだけ使おう、取れるだけ取ろうという組織の体質が染み付いてしまっているというところがあります。

 

行政へのニーズが増え、公務員のサービス残業が増えているというのは確かに事実としてあるのですが、その要因を探ると、多くは無駄な仕事や無駄な仕事のやり方、そしてそういう無駄な仕事を容認する組織体質にあると言っても過言ではないと思います。

 

無駄な仕事というのは二つの種類があって、

  • 「無駄な制度や無駄な事業が存在・存続している」
  • 「無駄な仕事のやり方が慣習化してしまっている」

ということです。

 

前者の場合、それが法律による規定であったりすればすぐにはどうにもならない部分も多いのですが、個別事業であれば担当者レベルから潰そうとトライしていくことはいくらでも可能です。

しかし、これを面倒くさがってやらないケースが非常に多いです。(利害関係者との調整などエネルギーが必要なため)

 

後者の場合、要は過去に事業数が圧倒的に少なく暇だった時代のやり方(まさにパーキンソンの法則で膨張させた仕事のやり方)に管理職たちがとらわれてしまっているという点が大きいですね。

組織環境的に、どうでもいいような細部を突き詰めるやり方に支配されてしまっているといった面があります。

 

例えば、文書の「てにをは」や文字のスペースを何マス空けるといった文書の体裁にこだわる、議会答弁案作成においてつまらない言い回しの議論に多くの時間を費やす、直属の上司がさらにその上司に対して指示の意図をよく確認せず(分からなければ分からないと率直に聞くのを恥と考える)部下に無駄な仕事を指示したりするといったことです。

 

ちなみにですが、僕が最も無駄だと思った仕事は、財政課時代に経験した議案書のチェックです。

議案書というのは、予算案や条例の改正案など、議会においてその書類に基づき議決がなされるという非常に重要なものです。

よって、数字や事実関係の誤りが許されないというのは当然理解出来るのですが、どうでもいい体裁も異常なまでにこだわっており、文字を何マス空けるといった細かなルールについて10名以上で何重にもチェックをするという人生で最も無意味な時間(笑)を体験することができました。

今思い出してもその生産性の無さにゾッとします。

 

なお、こうした公務員的な無駄について、現役市役所職員の方と対談をした件について興味がある方は以下の記事も参考にご覧ください。




パーキンソンの法則を活用して、効率的な仕事をする

人は、「もっと時間があれば」「もっとお金があれば」という点にスポットを当てがちですが、仮に時間やお金が増えたとしても、パーキンソンの法則が適用され、結局のところ問題は解決しないということになります。

 

それでは、具体的にどうすれば時間やお金を効率的に使って成果を出していけるのかについて書いていきます。

 

パーキンソンの法則の逆を考えればいい

経営で成功するとか、投資で成功するとか、何かで大きく勝つためのポイントとして「逆を行けば勝てる」というものがあります。

 

例えば、本物の投資家は株の暴落時にこそ株を大量に仕込みます。

一般の投資家(投資家とは言えないでしょうが)は、暴落時に株を売り、暴騰時に株を買います。

 

もちろんそんなに単純な話ではなく、暴落時であっても本当に価値がある銘柄を仕込むだけの知識を持っているのが本物の投資家ということになりますが、大原則として大衆と同じ方向に動いていたら成功することは出来ないということを押さえておく必要があります。

なぜかと言えば、圧倒的多数の人は成功をしていないからです。

(余談ですが、大暴落時に財務諸表を見て堅い企業を仕込むだけという非常に簡単な方法でも、僕自身株ではほぼ負けたことはありません。それくらい逆を行くというのは重要な観点です)

 

このことを踏まえ、パーキンソンの法則も逆に考えて実行をすれば、より効率的な時間やお金の使い方ができるということになります。

 

つまり、

  • 短い時間であればあるほど良い仕事ができる
  • お金が無ければ無いほど良いお金の使い方ができる

ということです。

 

時間が無ければ無駄なことをする暇がないので、本当に大切な仕事に集中できます。

お金が無ければ本当に大切なものに厳選し、効果的にお金を使うようになります。

 

時間もお金も少なければ少ないほど、本質だけに集中できるようになるということです。

 

成功者はだいたい短期集中で一気呵成に事を成し遂げる方が多いのですが、長い時間をかけてやってもいい結果は出ないということを体感覚で知っているということだと思います。

極端に言えば、3ヶ月でできないことは3年かけてもできないということです。




考え方を不足から感謝へと変えることがポイント

時間やお金を制限して行動していくためには、実践をする前に考え方から変えていく必要があります。

「1時間しかない」「1万円しかない」という考え方のまま、時間やお金を制限して効果的な実践をしていくということは不可能だからです。

 

「1時間しかない」という不安・不満から「1時間もある」という感謝へ

「1万円しかない」という不安・不満から「1万円もある」という感謝へ

 

このように、「不足」から「満ち足りた状態や感謝」に考え方を変えた上で、本当に大切な本質だけをやる、効果的なお金の使い方に集中していくということです。

 

なお、本質をついた時間やお金の使い方が習慣化されれば、今度はお金や時間が増えた場合でも同様に効率的なやり方を持続することができます。

 

まとめ(環境を整えることも非常に重要)

  • パーキンソンの法則とは、時間があればあるほど仕事が増え、収入が増えれば増えるほど支出も増えるというもの
  • これを逆に捉えれば、時間を制限するほど良い仕事ができ、支出を制限するほど良いお金の使い方ができると言える
  • このことを実践するためには、「これだけしか時間やお金がない」という不足の考え方から、「これだけ時間やお金がある」という満たされた考え方に切り替えていく必要がある

 

そしてここに最後に付け加えたいのは、環境整備の重要性です。

 

公務員の仕事に無駄が多く、また、残業時間も多いというのは、仕事が終わらなければ終わるまでやればいいという考えが組織に根付いていることや、規制もかからずにサービス残業が容認される職場であるといった環境面の影響が非常に大きいです。

(公務員時代に銀行に出向した経験があるのですが、銀行では徹底して残業時間が管理される一方、その中できちんと成果として数字をあげる仕組みを目の当たりにし、環境面の影響を体感覚として強く実感したということもあります)

 

もし組織として環境が整っていないと考えるのであれば、自分から環境を作っていくしかありません。

例えば、午後7時には何か予定を入れ込んでしまい、必ずその時間までに帰るというリミットを設定して仕事をするなどの工夫を行うといったことです。

 

人の意思の力は非常に弱いです。

今日から一気に時間を制限して仕事をするぞ!と心に決めたとしても、長く続かないケースがほとんどです。

 

よって、意思の力ではなく、そうせざるを得ないような強制的な環境を整備する(そして人間関係を変えていく)というのが、物事を成し遂げるための最大のコツだということを腑に落として実践していくことが非常に大切です。

 

以上、偉そうに書いてきましたが、僕自身ブログの執筆では細部にこだわって時間をかけてしまうことが多く、短期で物事を仕上げるという事をさらに徹底していこうというのを改めて考えたところです!

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

>>「エッセンシャル思考」という書籍に基づき、本質に目を向けて仕事をすることの重要性について書いたこちらの記事もオススメです。