こんにちは、シュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、警察キャリア(国家公務員総合職合格後、警察庁に入庁した人)の出身大学がテーマです。
警察キャリアといえば、ドラマ「踊る大捜査線」において、柳葉敏郎演じる室井慎次が東北大出身ということで多数派の東大出身者に対して肩身の狭い思いをしている場面が描かれています。
果たしてそれほどまでに警察庁における東大の力は圧倒的なのか?
その実態を調べてみました。
警察庁入庁者の出身大学
警察庁の入庁者は圧倒的に東大多し
警察庁(国家公務員総合職(当時は国家公務員1種))の平成23年度入庁者の学歴一覧です。
大学名 | 人数 |
東大法 | 9人(事務系) |
東大文・経済・理 | 3人(事務系) |
京大法 | 2人(事務系) |
北海道大法 | 1人(事務系) |
慶応法 | 2人(事務系) |
東大工・東大院2 | 3人(技術系) |
京大院 | 3人(技術系) |
九州大院 | 1人(技術系) |
早稲田院 | 1人(技術系) |
「採用昇任等基本方針に基づく警察庁における任用の状況(平成23年度)」より
少しデータが古いのですが、平成25年度以降、省庁ごとの大学名公表はされていませんので、今分かる範囲でのデータ(平成24年度の警察庁データは見つからず)ということになります。
見事に東大・京大が多いですね。
東大が採用全体の60%、京大が20%を占めています。
また、他の大学も全て旧帝大か早慶です。
(この北大の方は、室井さんのように肩身の思いをするのかもしれませんね・・・。)
なお、技術系の方は、あくまで技官であり、警察官ではありません(よって警部、警視といった階級にはつきません)。
技官の最高位は警察庁の情報通信局長というポジションになります。
(技官が県警トップである本部長として出向するケースもあります。その場合は警察官となり、警視長という階級が与えられます)
なお、警察のキャリアとノンキャリアの階級・出世差についてはこちらで書いています。
警察官のトップである警察庁長官の出身大学
警察庁長官はほぼ東大法
次に、全警察官のトップの地位に立つ警察庁長官(直近10名)の出身大学一覧です。
階級 ( )は任期 | 大学 |
栗生俊一(2018〜) | 東大法 |
坂口正芳(2016〜2018) | 東大法 |
金高雅仁(2015〜2016) | 東大経済 |
米田壮(2013〜2015) | 東大法 |
片桐裕(2011〜2013) | 東大法 |
安藤隆春(2009〜2011) | 東大法 |
吉村博人(2007〜2009) | 東大法 |
漆間巌(2004〜2007) | 東大法 |
佐藤英彦(2002〜2004) | 東大法 |
田中節夫(2000〜2002) | 京大法(歴代2人目の東大以外出身長官) |
ここまで来ると見事ですね。
東大かそれ以外かというレベルでなく、東大法かそれ以外という感じになっています。
なお、田中元長官のところにも書きましたが、彼が東大以外出身の歴代2人目長官であり、もう1人は山本鎮彦氏(9第長官 1978〜1981)の東北大法です。
とにかく明確な東大閥だということが確認できます。
警察官ナンバー2である警視総監の出身大学
警視総監もほぼ東大法
全警察官のナンバー2に位置し、法律上の階級はナンバー1(警察庁長官は階級外となっています)である警視庁のトップ、警視総監(直近10名)の出身大学一覧です。
階級 ( )は任期 | 大学 |
吉田尚正(2017〜) | 東大法 |
沖田芳樹(2016〜2017) | 東大法 |
高橋清孝(2015〜2016) | 東大法 |
高綱直良(2014〜2015) | 東大法 |
西村泰彦(2013〜2014) | 東大法 |
樋口建史(2011〜2013) | 東大法 |
池田克彦(2010〜2011) | 京大法 |
米村敏朗(2008〜2010) | 京大法 |
矢代隆義(2007〜2008) | 東大法 |
伊藤哲朗(2006〜2007) | 東大法 |
長官と同様、こちらも見事に東大法ですね。
京大もお二人いますし、長官に比べればほんの僅か(?)ですが東大色が薄まっているのかもしれません。
→ただ、過去歴代ずっと調べてみるとほぼ東大です。
ちなみに、第67代警視総監(1967〜1970)である秦野章氏は横浜高等商業学校(現在の横浜国立大)卒業後、日本大専門部政治科を卒業したというかなり珍しい学歴になっています。
目立つのはこの方くらいで、あとは基本東大や京大ということです。
今は公務員不人気だから東大以外も出世できるようになるのでは?
人気は落ちても東大出身合格者の割合が圧倒的
この記事を書いているのは2018年ですが、最近は民間企業が好調ということもあり、国家公務員総合職の申込者数が大幅に減少(2017年は47年ぶり低水準、2018年はさらに減)していることが報道されています。
そのような現状の中、国家公務員総合職の東大出身合格者と京大出身合格者(共に院含む)の直近推移を見てみると以下のようになっています。
東大出身合格者 ( )は合格者全体に占める割合とその順位 |
京大出身合格者 | |
2014年 | 438人(22.8%、1位) | 160人(8.3%、2位) |
2015年 | 459人(26.6%、1位) | 151人(8.7%、2位) |
2016年 | 433人(21.5%、1位) | 250人(12.4%、2位) |
2017年 | 372人(19.8%、1位) | 182人(9.7%、2位) |
2018年 | 329人(18.3%、1位) | 151人(8.4%、2位) |
ということで、東大や京大出身の合格者割合は減少傾向にありますが、それでも東大出身合格者の割合が圧倒的な1位です。
警察庁の入庁者における東大の割合も若干減ってはきているかもしれませんが、警察庁長官や警視総監の学歴伝統を見る限り、今後も警察庁のトップクラス幹部における東大天下は続くものと思われます。
まとめ
- 警察庁はとにかく東大法
以上です(笑)
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>キャリアの出世(階級)事情など、警察官に関連する各種記事をまとめたものはこちらです。