公務員の出世・学歴

警察の階級ごとの人数と年齢目安は?キャリアとノンキャリアで大きな差。

こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!

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今回は、警察官の階級がテーマです。

階級ごとの人数と、その階級になれる年齢の目安を調べました。

 

本記事の内容

  • 警察の階級ごとの人数
  • 警察の階級と出世年齢の目安【キャリア・ノンキャリア比較】

なお、データについては警察法施行規則などの公的データに基づいています。




警察の階級ごとの人数について

警察の階級と人数をリンクさせた一覧表は以下の通りです。

階級 ( )は主な職名 人数
国=警察庁、地方警務官=都道府県警に所属する国家公務員、地方=地方警察官
警察庁長官※1(警察庁長官) 国:1人
警視総監(警視総監) 地方警務官※2:1人
警視監(警察庁次長・局長、警視庁副総監、道府県警本部長) 国:警視監又は警視長46人
国:警視長又は警視正125人
国:警視正又は警視817人

地方警務官:警視監38人
地方警務官:警視長又は警視正590人

警視長(警察庁課長、警視庁部長、県警本部長)
警視正(警察庁理事官、警視庁主要課長、道府県警本部部長)
警視(警察庁課長補佐、警視庁課長、道府県警本部課長) 国:警視正又は警視817人、地方:約6500人
警部(警察庁係長、道府県警本部係長、県警本部課長補佐) 国:1,112人、地方:約15,600人
警部補(警察庁係長心得、道府県警本部係長・主任) 国:79人、地方:約75,000人
巡査部長(警察署主任) 地方:約78,000人
巡査長※1(指導係員) 地方:約80,500人
巡査(係員)

※1 警察庁長官と巡査長は警察法に定める正式な階級ではない

※2 地方警務官の多くは警察庁出向組であるが、一部地方警察官(ノンキャリア)からの叩き上げも含まれる

(参考データ:警察庁警察官の階級別人員:警察庁の定員に関する訓令(H30.3.30改正)

地方警務官の階級別人員:警察法施行規則(H29.6.1現在)

都道府県警察官の定員:都道府県警察官の定員(H30.4.1現在)

 

警部以上の人数が圧倒的に少なく(それでも警部は9階級のうち上から6番目)、ものすごーく尖ったピラミッドの人数構成になっていることが分かりますね。




警察の階級と出世年齢目安(キャリアVSノンキャリア)

次に、各階級に出世できる年齢を、キャリア(国家公務員総合職試験に合格し、警察庁に採用された人)とノンキャリア(警視庁・道府県警で採用された人)に分けて比較しました。

階級 キャリア(警察庁採用)の出世年齢 ノンキャリア(都道府県警採用)の「理論上最速」出世年齢 ノンキャリアの「リアル最速」出世年齢
警視総監 56歳頃(1人)
警視監 49〜52歳頃(全員) 退職日昇任ケースあり 退職日(神)
警視長 41〜48歳頃(全員) 55歳(選考) 60歳間際頃
(神クラス)
警視正 33〜38歳頃(全員) 50歳(選考)
ここから国家公務員の扱い
50代中盤〜50代後半頃(ほぼ皆無)
警視 26〜29歳頃(全員) 40歳(選考) 40代中盤〜40代後半頃
※退職までに警視になれる人はかなり少ない
警部 23歳(全員) 30歳(要昇任試験) 30代中盤〜40歳頃
※この職で退職したら出世したというレベル
警部補 22歳(全員) 26歳(要昇任試験) 30代前半頃
※この職で退職する人多い
巡査部長 24歳(要昇任試験) 20代後半頃
※この職で退職する人多い
巡査 22歳 22歳

※年齢は大卒のケース(キャリアはほぼ全員が大卒か院卒。ノンキャリアの場合は高卒・短大卒・大卒に分かれるが、学歴による出世差別はなく、まさに能力次第で出世が決まるとのこと→知り合いの元警察官YouTuberやまよしさん談)

 

とにかくキャリアの出世スピードがすさまじいですね。

特に、ノンキャリアの人のほとんどが出世できない「警視」に20代でなってしまうインパクトは強いです。

 

なお、ノンキャリアは「理論上最速」と「リアル最速」で分けました。

理論上最速というのはあくまで「規則上あり得る」という話であり、実質的には皆無に近いため、リアル最速が実態に近いものです。

 

また、「リアル最速」の場合、50代中盤以降で「警視正」と書いてありますが、ここまで行く人はほぼ皆無であり、実際には退職までに警部(課長クラス)まで行けば出世したと見るのが一般的です。(→警部の人数は警察官全体の10人に1人くらいです)

 

ノンキャリアもキャリアに近づける?

表にある通り、退職日にノンキャリアが「警視監」に昇任したケースがあります(→伝説級の扱いです)。

 

警視監は上から3番目の階級(警察庁長官も含めた場合)ですから、頑張ればキャリア並みになれるんだと思われる方がいるかもしれませんが、実はこの「警視監」のクラスは非常に層が厚いです。

 

例えば同じ警視監であっても、

警察庁次長>警察庁局長>管区警察局局長>道府県警本部長

といった感じで差がついています。

 

キャリアの場合、基本的には全員が退職前に警視監になり、さらなる出世争いを繰り広げていくわけです。(警視監手前の警視長を最後に外部転出したり、もっと早い段階で退職してしまう方も少数ですがいます)

 

つまり、

キャリアの大多数(退職前に警視監)>ノンキャリアの伝説級の人(退職日に警視監)

ということであり、これはキャリアとノンキャリアの途方もない差を示していると言えるでしょう。

補足

途方もない差というのはあくまで仕組み上の話であり、実力は別です。

警視長まで至るようなノンキャリアの方であれば、尋常でない優秀さであることが想定され、実務能力もおそらく多くのキャリアの方を上回っている可能性が高いと思われます。

→が、出世では絶対に勝てません。納得いかなければキャリアになりましょうということですね。

 

まとめ

  • 警察の階級の人数構成については、警部以上になると一気に人数が少なくなる極端なピラミッド構造をしている(そんな警部ですら9階級のうちの上から6番目)
  • 階級ごとの出世年齢については、キャリアとノンキャリアの差が圧倒的
  • 例えば、キャリアは20代で警視になるにもかかわらず、ノンキャリアはどんなに早くても45歳程度(しかも警視になれるノンキャリアは極めて少ない)

以上です。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

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