こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、新人公務員さんから以下の悩みをいただいたので、公務員の労働組合への加入について、元公務員の僕が考えることを書いていきます。
本記事の内容
- 公務員の労働組合に入るべきか?【僕は全くメリット感じず。具体的なデメリットをメインに紹介】
- 労働組合に入るメリットももちろんあります
10年の公務員歴を踏まえ、率直な意見を書いていきます。
公務員の労働組合に入るべきか?
個人的には組合に1ミリもメリットを感じなかった
早速結論からですが、僕としては全くメリットを感じることが無かったですし、ぶっちゃけ入らなければよかったと公務員をやめた今でも思います。
なお、僕も相談者さんのように高い加入率を伝えられ、その後よく検証もせずに加入してしまいました。
辞めなかったのは、辞めるとなると引き止めがうるさいという話を聞いていて面倒だったからです。
以下では、どうして僕が組合に入らなければよかったと考えているのかについて、僕が感じた具体的なデメリットをいくつかあげて説明していきます。
僕の感じた労働組合の具体的なデメリット
組合費が高い割に、全く有効活用されているとは思えない
給与明細を見たところ、手取り月収約27万円の時(29歳の頃)で、組合費が約4200円引かれていました。
年間5万円です。
デカいですよね。
もちろん給料が上がれば払う額も増えていきます。(なお、町田市の自治労HPによれば、町田市は上限4500円とのことなので、永遠に増えるわけではないのかもしれません。→自治体によります)
結構な額の組合費を徴収しているにもかかわらず、
なんだか怪しげな体裁の機関紙みたいなものが頻繁に発行されたり(こんなのわざわざ刷るならPDFでも使って、もっと組合費を安くして欲しいと思ってました)、
組合主催の若手交流会みたいなものではザルのように経費が使われている(若手組合員にとっては年輩者の組合費を贅沢に使えるメリットでもあります)など、
組合費が本当に有効活用されているとは思えませんでした。
要は、お金を要求する組織なのに、お金に対して非常に甘いんじゃないの?というのを感じていたわけです。
もちろん、きちんとやっている部分もあるのかもしれませんが、一組合員からそのように見られるという時点でどうなのかなと思います(一事が万事ですから)。
そもそも給料の大勢は人事院や人事委員会で決まる
公務員の労働組合は、ストライキ活動などに制限があります。
こうした制限(=民間に比べれば雇用者側との交渉余地が少ない)の代償措置として、中立的な機関である人事院や人事委員会が社会情勢に応じて給与を決める仕組み(→要は民間に準拠するように調整)になっているわけです。
ぶっちゃけて言えば、人事院や人事委員会がきちんと民間の給与を調べた上で、これくらいが妥当ですよという数字を出している以上、それを大きく覆すようなことはできないってことです。
(人事院などが、よほど適当に民間の給与調査を行ったとなれば別ですが、実質的にそれはあり得ないです)
もちろん何もできませんとなれば組合の存在意義は無くなってしまいますから、自治体によっていくらか特色があったりするケースは多いです。
(例えば、うちの県は周りの県がほとんどこの手当を削減しているにもかかわらず、交渉を頑張った結果として残っているんだ!というのがありがちなパターンですね)
ただ、言っちゃ悪いですが枝葉の部分だということです。
一応申し上げておきますと、組合員と非組合員で給与などの条件が変わることはありません。
そういう意味で言えば、いくら枝葉だったとしても、組合の活動の成果によって残された(?)恩恵を非組合員でも受け取れてしまうというのは、組合員から見れば不公平だという理屈は分かります。
タダ乗りはしたくないから組合員でいるというのも立派な理由であると思います。
役職を押し付けられることになる
組合は本部と青年部に分かれていますが、若い頃は青年部の何らかの役職につかざるを得ないケースが多かったり(実質持ち回りです)、本部であれば課の職場委員長などになることもあります(これも若い人に押し付けられるケースが多い)。
役員になると、組合の集会の人集めやら、人事課との交渉に動員させられたりなど、仕事以外にやることが増えます。
「主体的にかかわってもらって組合活動を維持することが、当局との交渉力を保つために重要なんだ!」という話なのは分かりますが、わざわざ仕事とは別の時間を使ってまでやるほどのメリットがないと僕が思っていたというのはここまで書いてきた通りです。
組合加入時の説明が適当すぎる
改めて相談者さんのコメントを掲載してみます。
正直、僕も全く同じような状況で、確か90数%だかそんな数字を言われて、よく考えることもなく加入した記憶があります。
もちろん強制をされた記憶はないですが、何も分からない新米公務員が、90数%の職員が入っているみたいな話を聞いたとすれば、ほとんど全ての人が加入するのではないでしょうか。
その一方で、組合費のこととか、何らかの役職につくケースがあることとか、給与が決まる仕組みはこうだけども、交渉によってうちの自治体はこういったメリットを勝ち取っているからぜひ入って欲しいとか、そのような大切なことについて全然解説しないというのは全くフェアじゃないと思います。
正直、最後まで僕が組合に対してあまりいいイメージを持たなかった理由はここに尽きますね。
もちろん、あくまで僕の加入していた組合はそうだったという話です。
他のところがそうでないことを願っていますし、加入者に金銭的な負担を求める以上は絶対丁寧に説明されるべきだと思います。
労働組合に入るメリットももちろんあります
ここまでは僕のネガティブな意見を中心に書いてきましたが、ポジティブなことも書かないとフェアではないと思いますのでいくつか書いておきます。
出会いの場が増える
若手組合員による交流会(飲み会やらBBQやら)が年に数回開催されます。
若手同士で集まる機会は少ない(特に同期以外)ため、知り合いが増えたり、男女の出会いの場になる可能性があります。
また、デメリットのところで資金の使われ方が甘く感じたと書きましたが、若いうちは組合の恩恵に預かって美味しい思いができます。
組合の若手飲み会とかは、本当に豪勢だった記憶があります。
(無料だったか、いくらか取ったのかは忘れましたが、取ったとしても僅かな額だったと思います)
「行かないともったいない」というのは、組合の若手飲み会の時の合言葉であったようにも思います。
色々と後ろ盾になってくれる
例えば、何らかの懲戒処分を受けた際など、それを不服として申し立てを行う際の後ろ盾となってくれます。
例えば、自動車事故で相手の方が亡くなってしまった際(もちろん故意ではない)に懲戒免職を受けた方の処分が重すぎるとして、その方の復職のための活動をかなり大規模で行なっている様子を組合ニュースで見た記憶があります。
また、不幸にも旦那さん(奥さん)やお子さんが亡くなってしまった時に組合員からカンパ金を集めて届けてくれたりもします。
また、「どうしても異動したい」というのを組合を通して主張することができるシステムもありました。
(別にそんなことしなくても、本当に本当に嫌で仕方がないというのを強く主張すれば、基本的に話にのってくれるケースが多いです)
共済に入れる
自動車保険とか、生命保険とか、火災保険などについて、比較的安い掛け金で対応してくれる「共済」に入れます。
ただ、僕は退職後に、自動車保険を共済からネット保険に変えたら大幅に保険料が安くなりましたので、正直そこまで大きなメリットがあるとは思えません。
確かに人によって(各種条件によって)は安い部分があるのかもしれませんが、今の時代、格安保険は多く存在していますので、自分できちんと比較する視点が何より大切です。
おわりに
かなりデメリットに偏った意見を書いてきましたが、これが僕の本心ですし、若手の同期にも組合に対し違和感を持っている方が多かったですよ。
メリットは組合の方がいくらでも語ってくれると思うので、そうした意見も総合し、加入するかどうかは自主的に判断すべきでしょう。
(組織率が90%だとかなんだとかという「数字」とか、周りが皆入っているからみたいな「雰囲気」に惑わされるのはやめましょう)
なお、一度加入してしまったけど辞めたいという場合ですが、地方公務員法第52条3項に「職員は、職員団体(=組合のこと)を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる」とあり、組合に加入しないこと、また、加入後に脱退することも完全に職員の自由です。
つまり、法的にも脱退させないよう強制する権限は組合にはありません。(ただ、引き止めは間違いなくあるでしょうが)
一度加入した場合でも、やはりよく考えたら辞めたいと思ったという場合には思い切って申し出ることをオススメします。
なんでもそうですが、ずるずると続けるほど辞めづらくなるものですので。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!