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「となりのトトロ」の都市伝説は嘘?死亡説はジブリが否定だが、お母さんの結核説は・・・。

こんにちは、元公務員のシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は、全然公務員ネタとは関係無いのですが、先日金曜ロードショーで放映されていた「となりのトトロ」の都市伝説をテーマに記事を書いてみます。

 

僕も大好きな映画なので、2歳の娘と楽しく見ていたのですが、余韻に浸ろうとネットで色々と検索すると、出てくるのはトトロが死神だとかメイやサツキは実は死んでしまっているなど、恐ろしげな都市伝説の話ばかり。

 

ということで、トトロの都市伝説について分析してみました。(結構古い話のようなので、人によっては今更な話かもしれません。その分濃く分析してみたつもりです)

  • そもそも都市伝説は本当なのか?
  • どんな都市伝説があるのか?
  • 各都市伝説の分析

などについて、金曜ロードショーの公式twitterの小話や、各種1次情報なども踏まえ深掘りをしています。

 

全然余談ですが、僕が公務員試験を受けた時に県庁に提出した診断書は、七国山病院のモデルとなった新山手病院(東京都東村山市の八国山緑地に隣接)でとったものです(笑)

非常に雰囲気のある病院でしたよ。




トトロの死神説やメイの死亡説は公式が完全に否定

まずは結論から。

メジャーな都市伝説であるトトロの死神説やメイの死亡説はジブリ公式が否定しているので嘘ということになります。

 

みなさん、ご心配なく。トトロが死神だとか、メイちゃんは死んでるという事実や設定は、「となりのトトロ」には全くありませんよ。最近はやりの都市伝説のひとつです。誰かが、面白がって言い出したことが、あっという間にネットを通じて広がってしまったみたいなんです。「映画の最後の方でサツキとメイに影がない」のは、作画上で不要と判断して略しているだけなんです。みなさん、噂を信じないで欲しいです。 ...とこの場を借りて、広報部より正式に申し上げたいと思います。

引用:2007.5.1 ジブリ日誌より

 

情報は1次情報(厳密に言えば、監督本人ですが)が全てなので、これで概ねケリはついてしまうということにはなりますが、以下で公式が触れていない都市伝説も含め、個別に分析をしてみます。

 

トトロの都市伝説について

既に書いた通り、有名なところは公式が明確に否定していますが、トトロの都市伝説には以下のようなものがあります。

  • 映画の中でサツキとメイは死んでしまっている【公式が否定】
    • 映画の後半で二人の影が描かれていない
    • 池に落ちていたサンダルはメイのものである
    • メイが道に迷ったところのお地蔵さんにメイと名前が書かれている
    • ネコバスの行き先に「墓道」という行き先が表示される(ネコバスはあの世へ繋がる乗り物であり、トトロは死神)
    • 最後の病院の場面で、お父さんとお母さんが二人の姿を認識できない
    • 最後の病院の場面で、二人がお母さんに会わないのは不自然
  • 原作小説がエグい(トトロが死神という設定、母親は死亡、メイは自殺、サツキは後追い、最後は地獄でネコの化け物に喰われる)
  • 所沢市の隣の狭山市で起きた少女の殺害事件(狭山事件)をモチーフにしている
  • お母さんは結核である

以上について、それぞれ分析してみます。




トトロの都市伝説を徹底分析

作中においてサツキとメイは死んでしまっている

作中でサツキとメイが実は死んでしまっているというのが最もメジャーな都市伝説ですね。

一方で、既に書いた通り公式が否定しているので嘘ということになります。

 

この都市伝説が広まった理由としては以下のようなものがあります。

 

映画の後半で二人の影が描かれていない

これは先ほど取り上げた、ジブリ公式が都市伝説を否定した文章の中に答えが書いてあります。

「映画の最後の方でサツキとメイに影がない」のは、作画上で不要と判断して略しているだけなんです。

 

単に意図的に略しているだけということですね。

 

池に落ちていたサンダルはメイのものである

メイが迷子になった際に池で発見されたサンダルは実はメイのものであり、サツキは現実逃避のあまり認めないといった話があります。

 

これは以下を見ていただくと分かりやすいと思います。

要は、デマということになりますね。

 

メイが道に迷ったところにあるお地蔵さんにメイと名前が書かれている

メイが終盤に道に迷ってお地蔵さんが何体かいるところに座り込んでしまうのですが、このお地蔵さんにメイと書かれているという話があります。

地蔵にメイの名前など書かれていないので、サンダルと同様にデマということになります。

 

ネコバスの行き先に「墓道」という行き先が表示される(ネコバスはあの世へ繋がる乗り物であり、トトロは死神)

サツキがネコバスに乗り込んだ時、目的地が「めい」に切り替わる途中で、確かに「墓道」という行き先が表示されます。

「墓道」について、特にモデルとなったところは無いようですし、意図はよく分かりませんが、そもそもトトロ死神説やメイ死亡説を公式が否定している以上、あまり意味のないこじつけ話だということになってくると考えます。

 

また、トトロについて死神説が出ているのは、「トロル」のイメージ(サツキが作中でメイに対し、絵本のトロルのこと?と聞いています)も大きいようです。

トロルとは北欧で伝承されている妖精のことなのですが、地域によっては女子供をさらっていく魔物であるとみなされていたりします。

 

一方、トロルは確かに一つのモチーフなのかもしれませんが、トトロという名前の由来自体は、トロルではなく、「所沢にいるとなりのオバケ」が短くなったものらしいです。

 

どちらにしても、死神説は公式で否定されていますが、以下金曜ロードショー公式ツイッターの「トトロが一緒に行ったらサツキは人間界に戻れなくなってしまうのではないか」というのは結構意味深ですよね。

 

最後の病院の場面でお父さんとお母さんが二人の姿を認識できない、またお母さんに直接会わないのは不自然

確かに、この場面は不自然と言えば不自然な場面です。

気づかれずにトウモロコシを窓際に置いたりとか、「サツキとメイが笑った気がした」というコメントは、見方を変えれば死亡説に結び付けられないこともありません。

 

しかし、これは単純にストーリーとしてあの流れが完璧だからそうなっているというだけの話だと思います。

 

「サツキとメイが笑った気がした」→「案外そうかもしれないよ。ほら。」→トウモロコシに書かれた「おかあさんへ」がアップ→エンディング

これ以上無い展開ですよね。

演出が最高に素晴らしいんだから細かいことはいいだろという感じでしょうか(笑)

 

どちらにしても、これも公式で死亡説が否定されている以上あまり意味の無い解釈であると言えるでしょう。




原作小説がエグい

「隣のととろ」なる原作小説があり、しかもその内容が、

  • お母さんは周りの村人に迫害され死亡、お父さんは酒に溺れ姉妹に暴力をふるい、メイは絶望して自殺。
  • サツキはメイを追って死後の世界に行き、二人でお母さんを探すも、最後は巨大なネコの化け物に食われ、魂だけになる。

といったものだという、なかなかにとんでもない話があります。

個人的にはこれはこれで見てみたいですが(笑)

 

残念ながら(?)、「隣のトトロ」は国会図書館のHPで検索できない(国会図書館には日本国内で発行された全ての出版物が納入される)ため、デマということになります。

 

ちなみに小説版となりのトトロという本があり、ところどころオリジナルストーリーは入っているものの、あくまで映画版がベースのため、都市伝説のような内容とは全く異なります。

 

所沢市の隣の狭山市で起きた少女の殺害事件(狭山事件)をモチーフにしている

昭和38年5月に所沢市の隣の狭山市で起きた少女の誘拐殺人事件(通称狭山事件)がモチーフになっているのではないかという都市伝説があります。

この事件は、殺害された妹の捜索(身代金引渡し)に姉がかかわっており、姉はその後ノイローゼにより自殺してしまったという非常に痛ましい事件です。

 

物語の設定(昭和30年頃)と時期が近いことや、5月に起きた事件ということで監督はそこからメイとサツキという名前のインスピレーションを得たのではないかといった説もあるようです。

 

サツキ・メイ死亡説が先か、それとも狭山事件モチーフ説が先かは分かりませんが、両者が相まって一連の都市伝説が構築されたということになりそうです。

 

宮崎監督の頭の中は知り得ませんので、どこまでいっても想像の域を出ませんし、これも公式で死亡説が否定されている以上、関連を考えてもあまり意味の無い話なのかなと思います。

 

お母さんは結核である

お母さんが何の病気で入院されているかは最後まで言及されませんが、結核であるという説があります。

 

実は、お母さんが入院している病院のモデルとなったと言われる東村山市の「新山手病院」(冒頭、僕が健康診断を受けに行ったと書いたところです)は結核の療養所である「保生園」がその前身となっています。

また、運営母体は公益財団法人結核予防会でもあります。

 

さらに、この保生園を退院した元結核患者の会である保生会の会長さんが、こちらの記事で、

宮崎駿監督のアニメ『となりのトトロ』をご存じだろ うか。メイちゃんのお母さんが結核を患って昔の学校の校舎のような長い木造の病舎に入院するが,あれが「保生園」である。

と言っています。

「おぉーー・・・断言するんすね」という感じですが、まぁ公式ではないですしね。

 

また、宮崎監督自身が、引っ越してきた家と結核の関連性について語っていたりします。

あそこは要するに病人が死んでしまった家なんですよ。僕は、基本的にあの家は、病人を療養させるために建てた離れのある別荘だと思ってるんです。つまり、結核患者のために建てた離れなんですね。で、その人が死んでしまったので、そのまま用無しになって空いてたんです。そこへ、サツキとメイが引っ越して来たと。これは裏設定なんで、言う必要がないので誰にも言わなかったけれど、そう考えていた家なんです。妙に日当たりがヨさそうなのもこの設定のためなんですね」

引用:「出発点1979~1996」(宮崎駿著)より

だからお母さんが結核だということには全く繋がらないのですが、設定として意味深と言えば意味深ですよね。

(逆にこういった裏設定を考える宮崎監督だからこそ、色々と勘ぐった結果として各種都市伝説が生まれている部分はあるのだと思います。ちなみに、「千と千尋の神隠し」の油屋についても風俗がモチーフである旨を雑誌のインタビューで言及しています。)

 

そんなわけで、お母さんの結核説は若干リアリティを伴う説でもあり、別に公式が何か言っている訳でもありませんので、グレーですね。(確かに若いお母さんが入院をするっていうのは謎めいていると言えば謎めいていますよね)

 

一方、最後のエンディングでは退院して楽しく二人とお風呂に入っているシーンが描かれてますし、そもそも昭和30年頃であれば、結核は十分に治り得る病気です。

 

ということで、結核だが回復をしたと捉えるほうが自然かもしれませんね。

 

おわりに

最初にも書いた通り、公式が否定しているので死亡説などの都市伝説は嘘である(お母さんの結核説は不明)というのが結論になりますが、実際のところ、宮崎監督が何を考えていたかを知る術はありませんし、そもそも物語をどう解釈するかは個人の自由だということになります。

 

都市伝説を踏まえて、違った見方をして楽しめるならそれはそれで良いですよね。(人に押し付けるのはどうかなと思いますが)

 

ただ、このように考えてみると人の想像力は凄いし(実際、僕は怖い話が結構好きなので、非常に興味深い話だと思いました)、また、世の中の物事は全て見方次第だなという点について改めて感じることができ、とても勉強になりました。

 

ちなみにですが、僕が最も恐ろしいと感じる都市伝説(というか実話)は、となりのトトロと火垂るの墓が二本立てであったということですね。

火垂るの墓は素晴らしい映画だと思いますが、当時の子どもたちが、トトロが終わった後に火垂るの墓を見た後に一体どういう気持ちになったのかを考えるだけで正直怖くなります。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!