こんにちは、シュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、元公務員の身としてふっと考えた「本来公務員として押さえるべき仕事の原理原則」について書いてみます。
僕自身、公務員になってから仕事の原理原則みたいなのを教わったことは一度もありませんでした。
いや・・・、前例を踏襲するのと近県の実施状況を必ず調べるということは叩き込まれましたね(笑)
ただ、これは本来あるべき原理原則というよりはただの文化に過ぎないと考えます。
以下、僕が考える仕事の原理原則について書いていきますので、現役公務員の方の参考なれば幸いです。
公務員になってから仕事を覚えるまでの流れ
まず、僕自身が県庁に勤めていた際に受けた教育や仕事を覚えるまでの流れを振り返ってみます。
全く意味が無い、形だけの研修
まず、公務員になると新人の研修が2週間くらいあります。
これは仲間を増やすのが実質的な目的というところもあり、中身はどうでもいいようなものですし、誰も覚えてません。
また、1年目の10月に2度目の研修がありましたがやはり形骸的なものでした。
さらに後年、資料分析研修やらプレゼン研修やら主任研修やらがありましたが公務員として押さえるべき原理原則を徹底的に教え込むといった類のものでは全くありませんでした(外注されてましたし)
つまり、研修における教育は担保されておらず(対外的にやった感を出してるだけです)、要はOJT(on the job training)、仕事の中で学べという感じでした。
仕事は徹底した前例踏襲を繰り返す中で覚え、それが基本となる
公務員の仕事というのは、概ね前例踏襲でなんとかなります。
ファイリングシステムがしっかりしているので、前任者のファイルをめくってその通り対応していけば1年仕事がこなせるというケースが大半です。
あとは、この繰り返しですね。
前例踏襲をベースにしながら、うまく公務員の組織の中で立ち回るスキル・テクニックを身につけていくというところにとどまることになります。
つまり、そもそも公務員として仕事を行う際に押さえるべき原理原則的なところを教えられる機会はほとんどありません。
自分で学べと言われればそれまでですが、はっきり言ってほとんどの人が原理原則的なものは持っていなかった(また持っていてもそのようには動いていなかった)ように思います。
(仕事をこなすためのスキルが高い人はもちろんいました)
ちなみに僕で言えば、やはりうまく立ち回るためのテクニックに終始していました。
理想は持っていても、仕事を進めなきゃどうしようもないという現実ですね。
これが環境の本当に怖いところだと思います。
僕が考える公務員として押さえるべき原理原則
その1 収入の範囲内で支出せよ
「収入の範囲内で支出をすべき」
もの凄く当たり前の話ですよね(笑)
でも公務員は本当にこの感覚が薄いです。(その昔、どんどんと人口や税収が増えていた頃の流れをいまだに引きずっています)
民間の場合、利益の中から給料が払われることは分かっているし、売上げが多い人の給料が上がるというシンプルな仕組みだったりするので、敢えてそんなことを言われなくても、体感覚として分かる部分があります。
(それでも、例えば僕が出向していた銀行で言えば、政治的な意味で色々と利益にならないこともやってました。ただ、これは「政治的な意味合いにしかすぎない」というのをやる側が強く意識している傾向にありましたね。)
もちろん、公務員の場合、利益(税収増)に繋がるような施策ばかりを行うわけにいかないということは承知していますし、そこに行政的な役割があることも分かっています。
ただ、自治体などを「経営」する組織である以上、原理原則として、施策を行う際には税収増に繋がるものかということを特に優先すべしとか、そうでない部分の支出は徹底して押さえるべしといった点は叩き込まれてもいいはずです。
が、全然そういう教育は無かったですね。
困っている人やクレームがいれば全てそこに対応していこう、それが行政の正義だみたいな感じになってしまっています。
なので、事業ばかりがどんどん増えたり、全く成果の無いような事業(使う人がほとんどいないような無駄な道路を作ることもそうです)を平気で実施するということに繋がっています。
だから、いつまで経っても国や自治体の収支は狂ったまま(毎年微妙な帳尻合わせをする程度)です。
その2 成果(どれだけ多くの人の役に立つのか)を重視すべき
その1で税収増という観点について書きましたが、仮に税収に結びつかないようなものであっても、「成果」を重視すべきであるという点はやはり徹底されるべきだと思います。
成果というのは「それがどれだけ多くの人の役に立つものか」という点にあると考えます。
(分かりやすく言えば、例えば東名高速みたいな流通面で凄く重要な道路を作ることだったり、日々のゴミ収集などは最も役に立つ仕事の一つでしょう)
こういう点が刷り込まれていれば、チラシやら啓発グッズを作るだのなんだのといったつまらない発想は少なくなるはずです。
(予算担当をやっていると分かりますが、本当にこういう啓発系の事業は多いです。ネットが使えない人たちもいるから紙が必要だとか言ったりするんですが、普通に考えれば笑っちゃいますよね。行政のチラシなんて最終的にほとんどがゴミになります)
また、国が補助制度をやるからどんどん乗っかるみたいなことをして、仕事が分散することで成果が低下しているのも実態です。
今ある施策を集中してやっていたほうが絶対に効果は高い(物事の効果を高めたければ、できるだけ多くの物事を捨てて、少ないものに集中していくことが原則です)ですが、国のお金だから収支的にはOKだろうという点に飛びついてしまう。
確かに収支的にOKだとしても、事業の分散による成果の低下を招くという点を常に意識すべきだと思います。
理想と現実
こういう原理原則を、ある意味洗脳レベルでしっかりと叩き込むべき(それこそ最初の3ヶ月あたりで集中してそういうトレーニングをする機会を多く作るとか)ではないかと考えます。
ただ、どうしてこういう点が徹底されないのか?ということを考えてみると、結局、首長やら議員やら(選挙で票を持っている人の顔色が重要)、上司やら(議員や首長の顔色を伺う)の都合が悪いからということになります。
原理原則に立ち返ってそんな意味ない事業はやめましょうよとなれば、相当の事業が潰れることになります。
そうなれば、首長や議員としては選挙に向けて非常に都合が悪い。
それどころか、票をたくさん持っている業種(農家・建設業など)の人たちや高齢者やらに色々やってますよーというのを見せるために、事業を増やす方向に動きます。
(一方、投票率の低い20〜30代くらいの世帯向けの施策なんてろくなものがありません)
つまり、上がそういう仕組みなので、なかなか難しいよねというのが、元も子もないですが現実だという結論になってしまいます。
結局一兵卒としてできることは、無駄に事業を作らない(提案しない)、事業の選択と集中、自分の仕事のやり方の工夫くらいですからね。
ただ、こういう原理原則を意識しておくことは、間違いなく公務員という仕事をしていく上で将来的に意味を持ってくると思います。
おわりに
結局人は環境に引っ張られますので、上で書いたような原理原則を貫くのはそう簡単ではないことは分かりますが、このような考え方や行動を習慣づけておくと、今後AIの台頭やら人口減少で激変していくであろう公務員の中で抜きん出る上では非常に役立つと思います。
また、公務員としてよりクオリティの高い行政運営をしてほしいというのが一国民、一住民としての願いでもあります。
(フリーランスになって、税金は本当まともに使ってくれよなーという意識が強くなりました。)
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>「集中」の重要性についてはこちらの記事もオススメです(現役公務員の方からも高評価をいただきました)。
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