こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
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今回は、歴代サッカーの名将という特集があると必ず上位に顔を出すジョゼ・モウリーニョ監督の名言や発言を通し、その成功哲学や部下のコーチング術をテーマに書いていきます。
本記事の内容
- モウリーニョ監督に学ぶ、成功のために最も重要な資質とは?
- モウリーニョ監督のコーチング術【リーダーを目指す方・部下を持つ方におすすめ】
モウリーニョ氏は、自身でも言っているようサッカー選手としては三流(プロ経験なし、2部リーグ経験のみ)ながら、引退後にコーチングを学び、小中学校で体育教師を勤めながらキャリアをスタートさせ、最終的に名門クラブを率いる超一流監督に登り詰めたという極めて独特なキャリアを持っています。
プレーヤーとしては成功できなくともコーチとして成功できる事例、遅咲き(セカンドキャリア)での圧倒的成功事例として、我々が学べる点は多いです。
モウリーニョ監督に学ぶ成功において最も重要な資質とは?
モウリーニョ氏の発言や考え方について調べる中で、最も重要だと感じたキーワードが、「勉強・学習」です。
「私は常に勉強している。あなた方はいつも時代遅れだ」(イギリスメディアに対して)
「監督キャリアとしての5年間は長い時間だ。私にとっても重大な5年間だった。サッカーの世界は日々が学習の世界なのだから」(チェルシー監督再就任時の記者会見)
「監督の仕事とは、物事を学び続けていく過程に他ならない。国が変われば、監督に求められる資質も当然変わってくる。果たすべき役割はもとより、リーダーシップの質さえ違ってくるといっていい。練習方法、選手の管理の仕方、クラブやメディアとの付き合い方……学べることは他にもたくさんある。」(雑誌numberのロングインタビュー)
冒頭でも書きましたが、氏はサッカー選手としては三流であることを自覚していました。
その中で、サッカー指導者として成功するためにはどうすべきかという点を考えた結果、「徹底的に学習すること」に力点を置いたのだろうということが想定されます。
氏は選手を引退後、ポルトガルのリスボン工科大学でスポーツ科学を学び、イギリスでコーチングコースに参加するところから指導者の道をスタートしています。
理論として抽象的・俯瞰的な視点を学んだ後、コーチとして現場の実践経験を積む。
彼のキャリアからは、論理と実践の中で最も成果が出るものを探るという戦略的なプロセスが見て取れます。
両端を学ぶというのは何かを極めるプロセスとして非常に有効なものだと考えられます
上で挙げたモウリーニョ監督の発言からは、学習に関する姿勢そのものに大きな才能を感じます。
その学習量は、サッカー監督としてまさに世界トップを争うものだったのではないでしょうか。
ただし、モウリーニョ氏に限らず、名将と呼ばれるような監督やスポーツ選手、というよりあらゆる職業において超一流と呼ばれる方は、共通してかなりの勉強・学習・研究量を誇っています。
モウリーニョ氏が選手スキルに劣る分、学習量が特筆していたということは言えるかもしれませんが、だからと言って他の監督が選手時代の経験にばかり頼っており、学習をしていないかと言えば当然そんなことはありません。
つまり、成功をしたいのであれば、程度の差はあっても勉強・学習・研究に多くの時間を費やすという点は絶対に避けられないということです。
ここで言いたいのは、「成功したいならたくさん勉強しましょう」という話ではありません。
そもそも、「好きでもないことに対して勉強をし続けるなどというのは土台無理」だということです。
サッカーは常に進化を続けています。
今の仕事を楽しんでいますし、それはあなたも同じでしょう。
(中田英寿氏との対談より)
「自分が好むものをやる、そして、自発的に選んだことをやるからこそ貪欲に学び続けることができ、偉大な結果を残すことができる」
これが、今回モウリーニョ氏について調べる中で、成功の共通要素として最も重要だと感じた点です。
モウリーニョ監督のコーチング術
ここまでは、モウリーニョ氏が最も重要とみなしていると思われる勉強・学習をテーマに「成功哲学」について書いてきましたが、以下では彼の「コーチング」について取り上げます。
部下がいる方やリーダーを目指す方には非常に参考になる話が多いと思います。
リーダーは自信を持つべし
私は私の仕事において自分より優秀な人間はいないと信じている。
多くの部下は、自信の無い上司についていきたいとは思いません。
自信を持って成功までのビジョンを見せてくれる、そういう上司の元でこそ働きたいと思うものです。
(無論、これはパワハラ上司にも繋がりかねないので、この要素だけではまずいですが・・・)
未来志向
私が勝者なのは、過去をすぐに忘れ、常に未来を考えるからだ。
勝つためには、常に強力なモチベーションを持ち続けることが不可欠だ。
過去の失敗ばかりを責めるような上司の元で働きたい部下などいません。
また、物事は常に変化しており、過去にこだわっていては成果を生み出すことはできません。
失敗をした際には、その状況を冷静に見つめた上で、次回の改善策をどうすべきか考えて新たな行動に移る。
これはリーダーに求められる必須の思考体系だと言えるでしょう。
正直・率直・明確・野心的
私の人生哲学はサッカー哲学に似ている。それは正直、率直、明確、そして野心的であるべきということ。私はこれらの特徴を絶対に失いたくない。
言っていることが曖昧であったり、試合ごとにその内容がコロコロ変わったり(変わるならその理由を明確に説明すべき)、フロントに迎合したり・・・そんな態度では選手の信頼を勝ち取ることはできません。
(これが仇となり、氏の場合はその過激な発言がメディアに取り上げられることも多いのですが・・・)
この発言の中で重要なのは、氏が人生哲学を明確に定め、それを貫くべく行動をしているということです。
一貫性の無い態度というのは、部下から見れば非常に情けないものです。
個別化
「2人の選手を例に出させてもらう。1人は、『君はまったくどうしようもない。わたしは君に絶望した』と言うと、選手としてつぶれてしまうタイプだ。逆にもう1人は、同じことを言うと、次の試合で最高のパフォーマンスを見せる。そのくせ、『君は素晴らしい』とほめると、次の試合で最悪のプレーをする。つまり、選手1人1人をよく理解した上で、かけるべき言葉を考えなければならないということだ。」
「必要なのは監視することではなく教育することだ。これは親子の関係でも同じことだ。私は誰の監視などもしない。選手たちの性格とパーソナリティを理解し、それに適した関係を築くというのは、我々現代の監督にとっては仕事の重要な一部をなしている。」
「クラブが同じで監督が同じだとしても、その時々のシチュエーションが、まったく異なる環境を作り出す。監督にとって重要なのは、変化に対応する能力だ。これは生物が自然に進化していく過程とも違っている。私は自分のDNAが変わらないと言ってきたが、かつてマケレレを指導した時のやり方を、そのままファンヒンケルに当てはめるわけにはいかない。35歳になったランパードを、27歳の頃と同じように扱うこともできない。いろんなところが似ているように見えても、同じ要素は一つとしてないんだよ」
まさに超一流の監督だと分かる発言ですね。
一人一人の個性を尊重することは、コーチングにおいて最も重要な点でもあります。
特に日本人は、義務教育で一つの答えばかりを求めるやり方をおこなっているため、何事にも「正解」があると思い込みがちです。
試行錯誤を重ねる中、自分にとっての正解というものは見出せるかもしれませんが、それが他者に通用するかどうかは全く別の問題です。
自分の頭で考えさせる
これまでいろいろな人に影響を受けてきたけど、私は、他人の言ったことをただ受け入れる、というタイプじゃない。たとえば、スコットランドで学んだトレーニング方法にしても、自分なりに発展させてきた。僕のあとに続く若い人たちには「私がやったことを、そのまま鵜呑みにするな」と言いたいね。
「自分の頭で考えろ」というのは成功者がまず決まって言うセリフの一つです。
もちろん、成功するためには成功者のやり方を真似するのが手っ取り早いのも事実です。
一方、真似をする中でも、どういう工夫をすればよりよくなるだろうということを考えながら取り組んでこそ大きく成長できます。
絶対的な正解を示してくれる指導者がいて、その人のやり方を全て真似すればいいという考えでは、いつまで経ってもその成功者を超えることはできませんし、また、人生において常に指導者を追い求め続けることになってしまいます。
一流の指導者であれば、生徒がそういう罠に陥らないように、また、生徒がいずれ自分を超えていくような指導をしていくこと。
その一つが氏の言う「鵜呑みにするな」という点だと言えるでしょう。
選手のとのかかわり方
「上司がいないドレッシングルームは、選手たちが好きなようにできて、好きなように話すことができる『聖域』になるんだよ。彼らが望むなら、監督を非難することだってできる。選手たちで親交を深められる空間をつくるんだ 。ドレッシングルームにおける人間性は重要だよ。彼らはそこで多くの時間を過ごすからね。私が言うドレッシングルームには、ホテルの部屋も含まれている。夕食後にそういう場が必要であることを監督は理解しなくてはいけないんだ 」
「練習では、2時間高い集中力が求められるし、試合でやることを再現しようとする必要がある。だから私にとって練習は試合そのものだよ。1日に2時間行う練習は仕事の時間なんだ。でも、練習前後では食事を摂ったり、ミーティングをしたり、ジムに行ったり、遠征をしたり、ホテルに滞在したりと、当然息抜きができるゆとりを設けているし、それは必要なことなんだ。特に若い選手にとってチームメイトと気持ち良く過ごすことは重要だよ。愉快なキャラクターに欠けるチームを率いた記憶はないね。ポイントになるのは、プロ意識、責任感、野心の間で正しいバランスを見つけて、良い雰囲気をつくることだよ」
全てをコントロールしようとするタイプの指導者もいますが、モウリーニョ氏はそういうタイプの指導者とは異なると言えます。
先ほど「自分で考える」ことの重要性を氏が述べていると書きましたが、監視をし続けてしまえば、選手が創造力を育むゆとりが生まれません。
また、常に監視をされ続けることは選手にとってストレス以外の何物でも無いでしょう。
毅然とすべきところは毅然としつつ(モウリーニョ氏は遅刻や、チームのためにプレーをしなかった選手に対しては厳しい態度を取ります)、一方で緩めるところは緩め、トータルでのバランスを取ることが指導者にとって大切だということでしょう。
おわりに
以上、モウリーニョ監督の名言や発言に学ぶ成功哲学やコーチング術でした。
もし気になったものがあれば、日々の実践の中で身につけていくことをオススメします。
ただし、最初にも書いた通り、その物事が好きで情熱を持てることだからこそ、実践や学習もうまくいきます。
個別スキルを身につけようと努力するのもいいですが、大前提となる根幹部分(木で言えば根っこに当たる部分)がしっかりしていないと、身につくものも身につきません。
この点はきっちり押さえておきたいですね。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!