公務員の人事異動の決め方。異動希望には意味なし!?【元人事課職員に聴く】

こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

先日、某県庁の元人事課の方と直接会って人事に関するお話を色々と伺いました。

 

今回はその時のお話に基づき、「公務員の人事異動の決め方」をテーマに書いていきます。

本記事の内容

  • 公務員の人事異動は誰が決める?【幹部は首長や人事幹部、ヒラは人事ヒラ】
  • 具体的な異動先の決め方【前例踏襲です】
  • 人事異動希望を出す意味【無意味だとよく言われますが・・・】

公務員の人事異動の仕組みについて知りたい方はぜひご覧ください。

公務員の人事異動は誰が決める?

幹部なら首長や人事幹部、ヒラなら人事のヒラ担当

まず、公務員の人事異動は役職が上の方から決まっていくのが原則です。

つまり、部局長→次長→課長→課長補佐→・・・といった順で決まっていくということです。

 

そして、それぞれの決定をする人は誰かということですが、

特別職(知事・副知事や市長・副市長)を除くトップの役職である部局長については、特別職の方たちが直接決めます。

ちなみに、議会から首長たちに色々と話が行けば、間接的に議会の意向は入り得るということにもなりますね。そういうきな臭い話も耳にしたことがあります。

 

それ以外(次長以下)は、基本的に人事課長がコントロールしていくということになります。

細かく言えば、課長補佐以上の人事は人事課の課長と課長補佐で対応

係長以下の人事は人事課の係長以下の担当者で対応するということになります。

 

もちろん最終的には首長や部長などが決裁していく事項です。

しかし、彼らはヒラの人間の異動なんて全部見てられません。

 

実質的には上記の役割分担で決めたものがそのまま通っていくということになります。

 

つまり、ヒラ公務員はヒラ公務員にその人事を決められているというのが実情ですね。(財政課も予算に関して似たような部分があります。人事とか財政の担当者権限は結構大きいです)

補足

あくまでお話を伺ったところの県庁の話ということになりますが、概ねの自治体はこれとほぼ同じでしょう。

公務員の人事異動先の決め方は?

次に、人事課が異動先を決める流れ(ステップ1とステップ2)を書いていきます。

【ステップ1】部局ごとに人数のやり取りをする

人事課の係長クラス以下の各人事担当者(ヒラの担当者)は、それぞれ担当部局を持っています。

 

例えばA主査→保健福祉部、B主任→教育委員会、C主任→農林水産部・・・みたいな感じですね。(財政課の予算担当も全く同じ仕組みです)

 

その中で、例えばA主査が、B主任の部局に50人、C主任の部局に30人出すよーみたいな感じで大枠のやりくりが行われます。

 

そして、この大枠の決め方は前例踏襲です。

 

そのため、公務員の人事異動は、似たり寄ったりのルートを辿るケースがよくあります。

例えばですが、X部の後にY部に行く人が多いなどです。

さらに言えば、異動は数年スパンで起こりますから、

X年→A部からB部20人、A部からC部30人

X+1年→A部からB部40人、A部からC部10人

X+2年→A部からB部10人、A部からC部30人

 ︙

X+α年(=X年に戻る)→A部からB部20人、A部からC部30人

X+α+1年(=X+1年)→A部からB部40人、A部からC部10人

てな感じですね。

 

こうしたことは、公務員という前例踏襲の組織の中において、ある意味必然的に行われているということになります。

(公務員のほとんどの仕事が前例踏襲なのに、人事だけが前例踏襲でないということはあり得ないということですね)

 

仮にこの大枠の人数を、前回と比べて大きく変えるような案を作れば、当然上司からそれはどうしてなんだ?と突っ込まれます。

突っ込まれる上に、実際問題としてその調整も非常に大変ですから、そうした大きな改変をわざわざやろうとしません。

 

前回はこのやり方で大きな問題が無かったのなら、変える必要はないというのが基本的な公務員のマインドです。

 

過去にそういうルートが確立されて、それで特に問題は無かったので歴々と続いている、逆に言えばそこに大して深い理由は無いということです。

(一番最初にルートが確立される時は色々と理屈があったのかもしれませんが)

 

【ステップ2】個別の配属を決める【担当者裁量?】

部ごとの異動人数の大枠は前例踏襲で決まるという話をしました。

 

その枠の中で誰をどこに当てはめるかというのは個別の案件ですから、まさに各担当者のさじ加減であるとも言えます。

 

ただ、実務上の問題として言えば、課の当てはめも前例に基づくものにならざるを得ない部分が大きいです。

→例えばですが、ある部局担当者のところにA部から30人、B部から50人、C部から40人みたいに来ることになった場合、各人をどの課にしようか適性を見て事細かに判断するなんていうのは時間制約的に無理(だから過去の前例に従う)ということです。

 

〇〇課の後に△△課に行く人が多かったりするのもまさにこのためですね。

 

もちろん、本当に優秀な層や(国に出向させるとか、財政課や人事課へ異動させるとか)、色々あって至急異動させねばならない人たちの場合はこの前例踏襲とは異なる形で配置がされていくことになります。

 

一方、大多数の方たちの異動に関して言えば、一人一人に配慮した素晴らしい裁量などは期待しないほうがいいですし、また期待をしても実務上まず無理であると言っていいでしょう。

(そういう配慮をされたければ、とてつもなく優秀になるか、または妊娠・子育てをするか、何か問題を起こすか(これはまずいですが)しかないということになります)

補足

ちなみに、省庁派遣などの少し変わった異動や、知事秘書への異動の場合は、たとえ対象者がヒラ職員であっても判断には上の方が絡むようです。

特に秘書に関しては首長自らの仕事に直結するため、候補者名簿から知事自ら選抜していたとのこと。

→実際、知事秘書は凄く優秀な方が多かったですが、こういう裏事情もあるということですね。

人事異動の希望は無意味なのか?

今の部署が嫌で仕方ない場合や、子育てに力を入れたい場合などには大きな意味を持つ

結局は前例踏襲がメインなのだとしたら、異動希望など意味がないのではないか?と思われるかもしれません。

県庁時代も、異動希望なんてどうせ通らないから何を書いても同じだと言っている方もたくさんいました。

 

確かに、先ほど書いたような人事異動の決め方の仕組み上、なかなか異動希望は通らないというのが実情です。(それを細かくやっていたら前例が総崩れするということですね)

 

その一方で、重視される異動希望もあります。

 

それは、

  • 「この職場は絶対に嫌だから何が何でも異動したい(精神的に苦しい)」
  • 「子育てを重視したいので、その点が実現できる部署に異動したい」

といったものです。

 

前者の場合、こうした希望を無視してその職員の方が病んでしまったとか、亡くなってしまったみたいなことになれば、当然組織としての責任を追及され得ることになります。

そのため、そうした強い希望には人事も真剣に向き合わざるを得ません。

 

ですから、職場が嫌で嫌で堪らない時は、ぜひ強い異動希望を出すことをオススメします。

 

また後者の場合、子育て施策の重要性をアピールしている行政として、自分たちの組織における子育て女性を蔑ろにすることは絶対できません。

 

時短などの制度が取得できるのはもちろんですが、子育て重視のために異動をしたいというのも希望としては非常に通りやすいということになります。

 

まとめ

  • 異動は上の役職から順に決まっていく
  • 部局長は知事副知事・市長副市長クラスが決める
  • 次課長以下は基本的に人事課対応案件
    • 次課長・課長補佐クラスは人事課長・人事課長補佐対応案件
    • 係長以下クラスは人事係長・人事課各担当者対応案件
  • 異動は概ね前例踏襲で決まっていく
  • 「絶対に今の職場が嫌だから何が何でも異動したい」とか「子育てを充実できる部署に異動したい」とかいった異動希望については優先される傾向にある

以上です。

 

あくまで今回お話を伺った方のところの例であり、自治体によってやり方は異なり得るということはご留意ください。

(だいたい同じだと思いますが)

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

>>今回お話を伺った元人事課の方に寄稿いただいた「公務員の不祥事と処分」の記事に興味があれば以下をご覧ください。

公務員の不祥事と処分の関係は?某県庁の元人事課職員が徹底解説!

2019年2月1日



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