お役所仕事は治らない?仕組み上無理っす。

こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は、お役所仕事」をテーマに書きます。

本記事の内容

  • お役所仕事は治らない?
  • 役所の仕組みは的外れ
  • お役所仕事を変えるなら仕組みを変えるしかないが・・・

県庁の10年勤務経験(民間2年の出向経験含む)とその後独立してからの経験を踏まえて書いていきます。

お役所仕事は治らない?

公務員と言えば常にバッシングに晒される対象です。

 

ダラダラ仕事している、暇そうなのに高給を貰っている、税金を無駄遣いしている、住民のことはたらい回し・・・。

もちろん、公務員も公務員なりに大変だったりはするんですけどね。(サービス残業の嵐、法律の縛りによる不毛な仕事などなど)

 

これらはマスコミの報道による影響が強いですが、火のないところに煙は立たないのもまた事実です。

 

例えば、住民に与える印象面で最も大きな影響を持つ窓口での対応を観察していると、接客態度、スピード感など、民間企業(特に、東証一部などそれなりのレベルの企業)に比べて大きく劣っているのは一目瞭然です。

 

ただでさえマスコミによってあまり良くない第一印象を植え付けられている上に、目に見える仕事のクオリティもさほど高くないとすれば、住民の方がトータルで受け取る印象は非常に悪いものとなります。

 

それこそ、お役所仕事だ、高給取りだなんだと批判されても仕方がないでしょう。

 

ただ、少なくとも学力レベルで見れば、一流企業の人たちとさほど変わらないような人たちが揃っているお役所の仕事の質はどうして高くないのでしょうか?

そして、こうした仕事のやり方は治らないのでしょうか・・・?

 

結論としては、いくら表面的なバッシングをしても治ることはまずありません。

そこには根深い理由があるからです。

 

その理由について以下で解説していきます。

役所の仕組みは完全に的外れ

いくら価値を提供してもリターンがない?

「多くの人に価値を与えることで、多くのリターンを得る」

というのはビジネスの基本中の基本です。

 

Googleは多くの人に質の高い検索エンジンや地図を無料で提供することで儲けています(儲けは企業からの広告料)。

Amazonは多くの人に良質な商品を低価格で提供することで圧倒的なシェアを獲得して儲けています。

銀行は、多くの人にお金を貸したり、お金とお金の橋渡しをしてあげることで儲けています。

 

儲かれば当然ながら従業員に利益が還元されます。

それは平等ではなく、多くの儲けを与えてくれた従業員に対して優先的に利益が配分されます。

 

従業員はリターンが得れるからこそ、創意工夫をします。

創意工夫をしなければ、給料が増えない(出世しない)か、クビになります。

例えば僕が出向していた銀行でも、支店長クラスになれるのは同期の1/3、2階級ほど下の次長クラスで終わるのが1/3、さらに2階級ほど下の部長代理クラスで終わるのが1/3。

支店長と部長代理では2倍くらいの年収差があります。

 

何を当たり前のことを言ってるんだ?と思われるかもしれませんが、公務員はこうした当たり前の仕組みが働きません。

 

確かに、公務員の仕事はその全てが即時のリターン(=税収増など)に直結するものではありません。

むしろ、リターンがなかろうが、国なり自治体の責務としてやるべき性質の仕事も多い。

 

問題は、従業員側のリターン、すなわち、給料や出世などの面において全くインセンティブが働かないということです。

 

つまり、

  • 税収増に繋がる成果を残した
  • 事業をいくつもスクラップして財政健全化に寄与した
  • 接客面でお客様からとても良い評価をもらった

など、価値を生み出したことに対し正当に評価される仕組みがほぼありません。

 

もちろん長期的に見れば差はつきますが(しかも数字的な成果ではなく、どちらかと言えば無難にやったことが評価されます)、多くの自治体では、40歳半ばくらいをすぎるまで、出世でも給料でも差がつかないというのが実態です。

 

また、「差がつかない」ということは、

接客対応力が低くても、スピード感がなくても、それこそ税金を無駄遣いする施策ばかり立案しても、

給料が減ったりクビになることがありません。

 

こうした仕組みの中において、クオリティの高い仕事をできるかどうかは、全て個人の資質の問題になってきます。

 

「公益のため、住民のため」と思い続けられるかどうか。

 

当たり前ですが、人はそんなに完璧な生き物ではありません。

 

頑張っても大きく評価されず、適当にやってもある程度の報酬が約束されている状況であれば、淡々と最低限事務をこなせばいいだろうという意向が働くほうが普通です。

 

そうは言うけど給料高いでしょ?

「いやいやリターンは十分あるだろう。年収も退職金も高いはずだ。」

と思われる方もいるかもしれません。

 

確かに公務員の平均年収は中小企業に比べれば非常に高い水準です。

 

しかし、繰り返しになりますが、問題は給料の額ではなくその仕組みにあります。

 

頑張れば頑張った分評価される、出世をする、報酬が上がる。

仮に出世や報酬でなくとも、せめて何かしらの内部表彰制度などによってその頑張りが報われる。

 

要は、やりがいを感じられる仕組みが構築されているかどうかのほうが、給料が高い水準であるかどうかよりもずっと重要な要素です。

 

一方で公務員組織は、前例に従って余計なことはやるなというのが基本方針です。

財政が苦しい以上、それにはやむを得ない部分もありますが、

  • 自分の創意工夫をする余地があまりない
  • やっても余計なことはやるなという反応をされる
  • 頑張っても周りと目に見えた差がつかない
  • 適当にやっても大きく給料は下がらない

こうした環境下において、高いクオリティの仕事をしろというほうが土台無理な話でしょう。

役所を変えるには仕組みを変えるしかない

結論としては、お役所仕事を変えるなら仕組みを変えるしかないということになります。

 

自発的にやる人はやります。

それはどんな組織でも、どんな時代でもそうです。

 

重要なのは、自発的にはやらない人たち(そして、役所は仕組みに大きな問題がある以上、これが「普通」です)をどうするか。

 

それは「頑張れ!」という根性論でどうにかなる話ではありません。

繰り返しになりますが、仕組みこそが重要です。

 

例えば、

  • 成果主義を徹底し、20代からでもどんどん出世をさせる
  • 接客態度についてお客様からポイントで評価させ、高得点の人間を評価する(表彰や臨時ボーナス)
  • 年功序列の出世を廃止し、全て昇任試験制度に変更する(場合によっては一生主事や主任の人も存在する)
  • 完璧に副業を解禁し、稼ぐことの難しさや意義を学ぶようにする

あくまで一例ですが、こういった仕組みを導入しなければ役所は変わりません。

 

一方で、仕組みを大きく変えるのは簡単ではありません。

例えば、知事や市長といった首長レベルの改革、もしくは最低でも部長クラスによる改革が必要になるでしょう。

 

おわりに

今回一番書きたかったのは、何をするにしても「仕組み」は非常に重要だということです。

別に役所の仕事に限らず、どんなことでもそうだと思います。

 

この仕組みにメスを入れず、また理解をせずに、表面ばかりを批判することはあまり生産的ではありません。

 

僕が好きな「進撃の巨人」という漫画の中で、「憲兵団」という官僚的な組織の腐敗を打倒しようと張り切っているマルロというキャラに対し、アニというキャラが以下のように言います。

あんたの言うように本来人間が皆良い人であれば

この組織はこんなに腐ってないでしょ?

この組織の仕組みが人間の本質がよく表れるような構造になってるだけで

だから・・・私は・・・ただ

そうやって流されるような弱いヤツでも

人間だと思われたいだけ・・・

進撃の巨人8巻 アニ・レオンハート

 

これに対してマルロは、

「全員が正しい人であることを前提にした仕組みに問題があるのなら変わるべきは人じゃなくて仕組みのほうなのか?」

と考えるのですが、まさにその通りだと思います。

 

当ブログには、現役公務員の読者さんや、公務員を目指している方も多いので、ぜひ頭の片隅に置いていただき、それこそ上で取り上げたマルロの気づきのように、何か将来に活かしていただけると幸いです。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!