【公務員種類別】月収・年収・生涯年収まとめ記事

【医師(公務員)の給料】年収・ボーナス・民間勤務医との比較など全てまとめました。

こんにちは、元公務員のシュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は、医師(地方公務員)のお給料がテーマです。

 

地方公務員の医師というのは、主に公立病院で働くお医者さんのことです。

また、数としては非常に少ないですが、行政職公務員と一緒に働く医師もいます。

→例えば僕も勤めていた県庁で言えば、保健所長は基本的に医師ですし、また、医療政策を担当する部署に所属して行政的な仕事をしている若手・中堅医師もいました。(その場合でも将来的には保健所長になっていく方がほとんど)

 

以下では、総務省の最新の統計資料(H29地方公務員給与実態調査)を元に、公務員医師の

  • 給料月額(全体平均及び年齢別)
  • 給与月額(全体平均及び年齢別)
  • ボーナス(全体平均及び年齢別)
  • 平均年収(全体平均及び年齢別)
  • 退職金
  • 生涯年収

を全てまとめました。

 

以下を見れば基本的な給料のデータは全て分かるという形にしてあります!

比較のため、民間勤務医のデータについても掲載しています。




公務員医師の給料

公務員医師の給料月額(全国平均)

504,283円(平均年齢45.2歳)

(総務省:平成29年4月1日地方公務員給与実態調査より。以下同じ)

 

ここに各種手当が加わったものが給与(月収)ですので、正直あんまり意味のない数字です。

医師なので当たり前なのですが、公務員の各職種の中では圧倒的に高いです。

 

ちなみに、初任給ベースで見ると、最も高い給料なのが町村、次いで市であり、そこから結構離れて都道府県・指定都市の順となっています。

具体的には、町村が約31.5万円、市が約30万円、都道府県・指定都市が約26万円です。

なんと最も高いところは町村で107万円というところがあるようです(!)

 

これは行政職と比べると完全な逆転現象(行政職は県が高く、町村が最も低い)です。

要は、田舎のほうは高いお金を払わないと人が集まらないということですね。

 

公務員医師の年齢別給料月額(全国平均)

給料を年齢別に推計してみたものが以下です。

26~28歳 313,344円
29~32歳 341,240円
33~35歳 391,310円
36~40歳 441,175円
41~45歳 487,162円
46~50歳 526,671円
51~55歳 544,803円
56~60歳 559,982円
61~64歳 553,748円

※総務省:平成29年4月1日地方公務員給与実態調査と人事院:平成29年国家公務員給与等実態調査を元に独自推計。以下、給与等の年齢別推計についても同じ方法で推計。

 

公務員医師の給与(=月収)

公務員医師の給与月額(全国平均)

1,115,797円(平均年齢45.2歳)

(参考)民間勤務医(企業規模10人以上):952,000円(平均年齢42.1歳)(厚労省「平成29年賃金構造基本統計調査」より。以下同じ)

 

いわゆる月収です。

毎月の手取りに関連してくるのはこっちです。

(なお、手取りはざっくり65〜70%くらいと考えておけばOKです)

 

先ほどの給料との差額611,514円が手当額ということになります。

(給料より手当が多いという・・・笑)

 

なお、手当のうち額の多いものは以下です。

  • 特殊勤務手当 234,732円
  • 初任給調整手当 129,154円
  • 時間外勤務手当 62,831円
  • 地域手当 60,144円

※ちなみに、初任給調整手当というのは名前的に若い頃しか貰えなそうですが、35年ほど貰えたりします(笑)

 

参考で民間勤務医の数字を書きましたが、平均年齢の差を加味したとしても、民間病院の勤務医よりは高い給与ですね。(無論民間は額もピンキリでしょうが)

 

また、給料のところで、町村や市が県などに比べ初任給が高いという話をしましたが、平均給与についても同様の結果です。(上で出した111万円というのはあくまで以下の平均です)

  • 都道府県医師平均給与:約94万円
  • 指定都市医師平均給与:約106万円
  • 市医師平均給与:約116万円
  • 町村医師平均給与:約135万円

都道府県と町村だと結構な差があります。

 

公務員医師の年齢別給与月額(全国平均)

給与を年齢別に推計したものが以下です。

26~28歳 768,743円
29~32歳 874,279円
33~35歳 981,971円
36~40歳 1,067,479円
41~45歳 1,133,879円
46~50歳 1,201,975円
51~55歳 1,247,425円
56~60歳 1,261,544円
61~64歳 1,250,517円




公務員医師のボーナス

公務員医師のボーナス年額(全国平均)

2,511,700円(平均年齢45.2歳)

(参考)民間勤務医(企業規模10人以上):902,900円(平均年齢42.1歳)

 

公務員医師のボーナス額は民間の勤務医に比べて大幅に高いことが分かります。

 

公務員医師の年齢別ボーナス年額(全国平均)

ボーナスを年齢別に推計したものが以下です。

26~28歳 1,662,021円
29~32歳 1,786,160円
33~35歳 2,008,969円
36~40歳 2,230,869円
41~45歳 2,435,513円
46~50歳 2,611,328円
51~55歳 2,692,015円
56~60歳 2,759,560円
61~64歳 2,731,820円

※(給料+地域手当(平均額60,144円)+扶養手当(0円))×4.45月(2018年の支給基準)で算出→扶養者がいる場合は5〜6万円程度(人によってはそれ以上)高くなると想定

 

公務員医師の年収

公務員医師の年収(全国平均)

15,901,264円(平均年齢45.2歳)

(参考)民間勤務医(企業規模10人以上):12,326,900円(平均年齢42.1歳)

 

(給与とボーナスが高いので当然なのですが)公務員医師のほうが民間勤務医より高い年収を貰っているという結果になりました。

なお、開業医だと2,500万とか3,000万とか言われていますので、そこに比べればかなり劣ります。

 

公務員医師の年齢別年収額(全国平均)

年収を年齢別に推計したものが以下です。

26~28歳 10,886,936円
29~32歳 12,277,503円
33~35歳 13,792,691円
36~40歳 15,040,620円
41~45歳 16,042,056円
46~50歳 17,035,032円
51~55歳 17,661,118円
56~60歳 17,898,085円
61~64歳 17,738,025円

※平均給与×12+ボーナス額で算出




公務員医師の退職金

公務員医師の退職金額(全国平均、定年退職の場合)

約35,000,000円

※明確な統計データが無いため、給料の額を踏まえてざっくりと計算しました。仮に公務員医師の定年である65歳まで勤めたとすればこれくらい(もしくはもう少し多い)貰えます。

 

公務員医師の生涯年収

公務員医師の生涯年収額(臨床研修後、26〜64歳まで勤務したと仮定)

647,485,335円(給与収入612,485,335円、退職金35,000,000円)

※給与収入は、年齢別の推計平均年収を累積(26〜64歳)して算出した。

 

生涯年収を民間勤務医や行政職と比較

  • 公務員医師の生涯年収(26〜64歳):647,485,335円(給与収入612,485,335円、退職金35,000,000円)

  • 民間勤務医(男性)の生涯年収(26〜64歳):610,000,000円程度(給与収入580,000,000円、退職金30,000,000円)
    ※厚労省:平成29年賃金構造基本統計調査の年齢別給与をベースに推計
  • 一般行政職地方公務員の生涯年収(22〜59歳):259,102,281円(給与収入236,241,810円、退職金22,861,000円)
  • 民間企業(大卒男性)の生涯年収(22〜59歳):288,000,000円(給与収入270,000,000円、退職金18,800,000円)
    ※労働政策研究・研修機構:ユースフル労働統計2017より

 

ざっくりした推計ではありますが、民間の勤務医に比べ3500万円程度高い結果となっています。

 

まとめ

  • 地方公務員医師の給料月額 504,283円(平均年齢45.2歳)
  • 地方公務員医師の給与月額 1,115,797円(平均年齢45.2歳)
  • 地方公務員医師のボーナス年額 2,511,700円(平均年齢45.2歳)
  • 地方公務員医師の年収 15,901,264円(平均年齢45.2歳)
  • 地方公務員医師の退職金 35,000,000円(定年まで勤務した場合)
  • 地方公務員医師の生涯年収額 647,485,335円(給与収入612,485,335円、退職金35,000,000円)

 

以上、地方公務員医師のお金に関するデータについてまとめてみました。

公務員と言っても、要は病院で診察を行うお医者さんのことですから、当然ながら行政職を始めとする各公務員とは一線を画す給料になっています。

 

民間病院の勤務医と比べて給料が高いとか、同じ公立病院でも人口の少ない町村部のほうが給料が高いといった構成になっているのは、各自治体における政策医療の担い手となってもらうべく、高い給料を払って他と差別化をすることで人材を呼び寄せているということですね。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

>>開業医と勤務医の年収比較について知りたい方はこちらをご覧ください。

POSTED COMMENT

  1. 匿名 より:

    公務員医師の、過去5年から10年間ぐらいに、遡って平均年収が、どのように変化したかを知りたいです。また、公務員医師の、地域別年収を知りたいです。都道府県別、市町村別、など。また、公務員医師の時間外手当について、詳しく知りたいです。

    • シュン より:

      ご質問ありがとうございます。

      公務員医師の年収(民間医含む)は厚労省の医療経済実態調査の中に詳細が掲載されています。

      この中で国立と公立の医師のデータだけを抜粋しますと、
      H28 国立14,562,552円、公立15,312,022円
      H27 国立14,655,241円、公立15,248,654円
      H26 国立14,253,163円、公立14,940,182円
      H25 国立13,987,725円、公立14,798,277円
      H24国立14,911,913円、公立15,167,406円
      H23国立14,748,435円、公立15,209,270円
      以上です。

      公務員医師の地域別年収はデータがないため不明です。

      時間外手当は総務省の地方公務員給与実態調査の中に明記されており、
      H29地方公務員給与実態調査によれば、公立病院医師の時間外は62,831円であり、初任給調整手当などに比べれば決して大きい額ではありません。(一般行政職の公務員よりは高いですが)

  2. 匿名 より:

    公務員医師の年収と、ラスパイレス指数との関連性について知りたいです。公務員医師の勤続勤務年収と依願退職した際の退職金について、知りたいです。

    • シュン より:

      ご質問ありがとうございます。

      記事の内容は、総務省の「地方公務員給与実態調査」に基づいて書いているのですが、同調査は行政職・警察・教員等について詳しく掲載されているものの、医師については情報が非常に少ないというのが実態です。

      ラスパイレス指数については、行政職であれば地域ごとに細かくデータが取れますが、医師は詳細データがありません。
      平均勤続年数や依願退職の退職金も全く同様に詳細データがありません。(記事内の退職金を仮定で書いているのはそのためです)

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