書評

前田裕二著『人生の勝算』書評。優しげな見た目と異常な熱量のギャップに受けた衝撃。

こんにちは、シュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は、仮想ライブ空間「SHOWROOM」を立ち上げた前田裕二社長の著書「人生の勝算」を読んだ学びをまとめました。

31歳と若くして圧倒的な成果を出している前田社長ですが、成果の裏側にある凄まじい努力のエピソードとともに、読者が「人生の勝算」を持つために学べるたくさんの考え方が示されています。




優しそうな前田社長だけど実は・・・

まず、本書を読んで最も衝撃を受けたことは、前田社長の仕事に対する熱量、異常なまでの行動量です。

 

前田社長の見た目はイケメンで柔らかい感じであり、経営スタイルもそんなにガツガツではないのかなと思ったりしていたのですが、とんでもなかったです(笑)

 

↓こっちのイメージだったのですが、

↓今はこれを見て凄く納得します。

 

本書から学べる、人生を成功に導く本質

主に3~4章(社長の外資系投資銀行勤務時代のエピソード)を中心に、成功するために必要な本質的な考え方を僕なりに抜粋してみました。

  • 【最重要】コンパス(人生の指針)に基づいて行動を決める
  • 成功するための秘訣は「見極めて(仮説思考)、頑張る(圧倒的な努力投入)」こと
  • メンターを決めたら、徹底的に真似る
  • 基本中の基本をやり続ける
  • とにかく1位を取る

 

各項目について、以下で詳しく解説していきます。

 

なお本書では、SNSの次に「来る」サービスはライブ配信であると前田社長が確信していることとその理由、そこでSHOWROOMが世界一を取るといった野望やそのビジネスモデルなども解説されています(主に1、2、6章)。

 

一方で、今回は「多くの人に応用できる成功法則」という観点からまとめてみましたので、それらの部分は敢えて割愛しています。




【最重要】コンパスを持つこと!

コンパス無しで人生という航海に出るのはリスキーだ

前田社長は、コンパス、すなわち人生の指針を持つことの重要性について解いていますが、これこそが本書の肝であると感じました。

 

本書を読んでいると、前田社長の実績や行動量に圧倒される場面が多々あります。

 

しかし、凄い人だな、真似できないなーで終わってしまっては何も学べません。

 

そこで重要なのは、前田社長の行動のベースとなっている考え方は何かということです。

 

それはすなわち、自分の人生の指針を徹底的に磨きに磨いていること、だからこそ全く迷いがなく、まさに異常なまでの行動ができるということです。

 

前田社長のコンパスは、「SHOWROOMを通し、あらゆる人が均等にチャンスを得て、投じた努力量に応じて報われる場を創る」ということ、そしてその実現のために「仕事に狂う」ということです。

 

前田社長は、その点をまず徹底的に考え抜いた上で、仕事以外は捨てると決めたわけです。(多くの成功者の共通点である「選択と集中」です)

 

それこそが前田社長の圧倒的な行動量、そして成果の源であるという点は非常に大きな学びになると思います。

 

一方、コンパスはあくまで個人ごとに違うものであり、もちろんそれが仕事でなくてもいいわけです。

 

例えば、社長のお兄さんのエピソードが出てくるのですが、お兄さんは、「家族を最も大切にする」ことを人生のコンパスにしており、そこが少しでも崩れる可能性があるということで、高待遇の仕事のオファーも迷わずに断ったそうです。

 

お兄さんは本当に幸せそうに生きており、まさにそれは価値観という自分のコンパスに従っているからだということを前田社長は述べています。

 

つまり、自分のコンパスを持っているかどうかが重要であり、そのコンパスが自分自身に最大限向き合って導き出されたものであれば、その内容は個人それぞれの自由だということです。

(一方、適当に向き合って導き出されたものである場合、それはコンパスたり得ないということも知っておく必要があります→就活時に自己分析ノートを30冊以上書いたという前田社長の自己との向き合い方は一つの参考になると思います)

 

コンパスは自分の欲求に従っていいし、途中で変えてもいい

ここで僕なりに付け加えておきたいのは、コンパスについて、無理をして最初から高尚なもの(社会貢献性の高いもの)にする必要はないということです。

 

実際、前田社長も「早く金を稼ぎたい、誰が見ても成功していると思うキャリアを歩みたい」という思いの元で、外資系投資銀行で圧倒的な成果を出してきたということが書かれています。

 

それが、親戚のお兄さんの死をきっかけとしてコンパスが変更され、SHOWROOMの起業に至ります。

 

つまり、途中でコンパスを変えることは全く悪いことではないし、また、最初のコンパスは自分の欲にまみれたようなもので良いということです。

 

お金を稼ぎたい、女性にモテたいという欲にまみれた方のほうが成功する可能性が圧倒的に高く、また、そうした欲を満たした後に社会貢献的なミッションを抱く流れが多いということは、神田昌典さんの「非常識な成功法則」においても書かれています。

 

前田社長が現在掲げているミッションは、その社会貢献性という意味でも大変に素晴らしいものだと思います。

 

しかし、まさにこれから成功を目指すという方の場合、最初から社会貢献性の高いミッションを掲げたとしても熱意が継続できずに失敗する可能性があるという点は、僕自身の学びから付け加えておきたいと思います。

 

成功の秘訣は「見極めて頑張る」こと

投資銀行で成功した秘訣も、新規事業立ち上げの秘訣も、とにかく「頑張る」ことだと前田社長は語ります。

 

一方、ただ頑張ればいいわけでなく、最初に見極める(=仮説を立てる)ことが重要とも言っています。

 

例えば、宝石を探り当てるレースがあり、A~Zという採掘のスタート地点があるとすれば、まずは実際に宝石を採掘できた人にヒアリングしたり、探知機を買ったりして、事前にある程度見極めをつける。

 

その上で、CとDに宝石がある可能性が高そうだとなれば絶対に見つけるまで掘る。血みどろになっても掘る。

(この「血みどろ」という表現は、凄く前田社長らしさを表していると感じました)

 

つまり、闇雲にスタートするのではなく、まず仮説を立て、やるべきことを集中(分散化させない)したら、あとはとにかく全力でやる。

これがPDCAの基本中の基本だということを述べています。

 

メンターを決めたら徹底的に真似る

前田社長の外資系投資銀行時代の逸話として、宇田川さんという超優秀な証券マンのお話が出てきます。

 

もちろんこの宇田川さんの考え方も非常に興味深かったのですが、個人的には、前田社長が宇田川さんをメンターとし、その後彼の全てを真似したというお話に凄く学びがありました。

 

具体的には、しゃべり方、仕草、ノートの取り方、使う文具まで、全てを真似していたそうです。

 

物事をマスターするに当たって、「守破離」の重要性は必ずと言っていいほど説かれますが、ほとんどの人がこの「守」ができず、だから物事が身につかないというのもよく言われることです。

 

「守」とはすなわち、この部分は取り入れるけどこの部分は取り入れないといった選択をするものではなく、まずは全てを取り入れる、まさに完コピをすることです。

 

前田社長のこの徹底した「真似」のエピソードからは、新たなことに取り組む際のスタンスについて深い学びを得ることができます。




基本中の基本をやり続ける

これも、引き続き宇田川さんに関連するお話です。

 

宇田川さんに倣って前田社長は毎朝日経新聞を隅々まで読んでいたということですが、宇田川さんの教えとして以下のような話が語られます。

「お客さんは、日経を必ず読んでいる。そして、誰がどの記事に興味を持って話題にしてくるかはわからない。

中略

君の競争相手である他のブローカーをはじめ、みんなサボっている。だから、普通に真面目にやるだけで、勝てるんだよ」

P104

 

このことについて前田社長は、

  • 証券マンが日経を読むのは、サッカー選手の走り込みやパスの練習と同じような基本中の基本
  • しかし実はどの分野でも、基本中の基本をやり続けている人は意外に多くなく、当たり前を徹底的にやり続けるだけで圧倒的な差がつく

と語っています。

 

野球選手やサッカー選手になりたいと言いながら、実戦が好きだからと言って、素振りやパス、走り込みを一切せずに選手になれるはずはありません。

 

仮に、本当に好きなことに人生を捧げる場合であっても、必ずこういった地味であまり面白くない作業は出てきます。

その際、本物の一流を目指すのであればどう対応すべきかということが学べるエピソードです。

 

なお、ボクシングの世界チャンピオンである井上尚弥選手も、あまり好きでないロードワークであっても毎朝必ず8キロ前後走っている、つまり基本中の基本を徹底しているということを語っています。

 

とにかく1位を取る

前田社長は、SHOWROOMでライブ配信分野の世界一を目指しています。

また、過去に勤めていた外資系投資銀行では、日本でもアメリカでも1位の営業成績を勝ち取っています。

 

この1位を過去に取ったとか、1位を目指すというのは、成功を目指す上で非常に重要な観点だと思います。

 

SHOWROOMの立上げ時に直面した様々な失敗を支えた一つの要因として、根拠なき自信が挙げられるといったことが書いてありますが、この自信は過去に外資系投資銀行で1位を取っているからこそ得られた自信なのだろうと考えます。

 

何かの分野で成功を目指すに当たっては、まずは何も実績のないところからスタートするしかありません。

しかし、実績は行動をしなければ出ませんから、その行動を開始・継続する源として、まさに根拠なき自信が必要です。

 

つまり、根拠なき自信が無ければ新たなことに挑戦できないし、仮に挑戦できたとしても成功するまで継続できないということです。

 

外資系投資銀行で1位を取るとなれば相当ハードルが高いかもしれませんが、とにかく何かの分野で1位を取って自信を持つ。

これは、人生で成功するために非常に重要な考え方です。

 

おわりに

前田社長はSHOWROOMのミッションとして、あらゆる人が均等にチャンスを得て、投じた努力量に応じて報われる世界を創りたいということを書いています。

 

人は生まれた時には間違いなく平等ではありません。

最初から勝ちの決まったような家に生まれる人もいれば、一生這い上がるのが難しい家に生まれる人もいる、明日死ぬかも分からない環境に生まれる人もいる。

 

これは外国(特に貧困国や紛争国)であれば特に顕著だということになります。

 

しかし、生まれた環境で一生が固定化されてしまうのではなく、強い志と努力で大きな夢を実現できる世の中を作っていきたいという考えは、8歳の時に両親がいなくなるというどん底から這い上がった前田社長にふさわしい素晴らしいミッションだと感じました。

 

本書は、ここまで書いてきた通り、成功するための考え方として素晴らしい内容が散りばめられていますし、今回は詳しく書きませんでしたが、今後世界を制すると前田社長が考えている「ライブストリーミング」に関するビジネスモデルについても詳しく解説がされています。

 

そちらについて興味がある方は、ぜひ一読して深掘りすることをオススメします。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!