こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、公務員試験の突破を目指す方向けに、倍率について解説します。
公務員試験の倍率が気になる。
倍率って高いとやっぱ難しいの?
こういった疑問に答えます。
本記事の内容
- 公務員試験の倍率データ【国家・地方】
- ぶっちゃけ筆記の倍率はどうでもいい
- 面接の倍率は超重要【対策をイメージしてから勉強開始せよ】
なお僕自身は県庁に2位で合格しています。(他、国家総合職の1次試験に上位合格、大手予備校模試で関東2位)
この辺りが記事の信頼性の担保になるかなと思います。
公務員試験の倍率データ【国家・地方】
国家公務員総合職の倍率
申込者 | 1次合格者 | 1次倍率 | 最終合格者 | 2次倍率 | 採用者 | |
政治 | 1,391 | 117 | 11.9 | 56 | 2.1 | 13 |
法律 | 10, 216 |
1,032 | 9.9 | 504 | 2.0 | 150 |
経済 | 2,069 | 437 | 4.7 | 210 | 2.1 | 58 |
※2017年合格者(2018年採用)のデータ。大卒区分。
なお、国家総合職の場合、2次では筆記試験(専門記述試験・政策論文試験=配点比率7/15)と面接試験(配点比率3/15)が行われます。
国家一般職の2次は面接のみ、地方公務員も面接と論文(論文の配点は面接に比べ大きくない)だけのケースが多いため、この点は他試験との大きな違いです。
なお、国の場合試験合格者=採用者ではありません。
官庁訪問(希望省庁における面接)をやって採用されないと働けないわけですが、最終合格者のうち30%くらいしか採用に至っていないことが分かります。
(もちろん辞退者もいるため、実質採用率はもう少し高いです)
国家公務員一般職
申込者 | 1次合格者 | 1次倍率 | 最終合格者 | 2次倍率 | 採用者 | |
北海道 | 1,138 | 524 | 2.2 | 375 | 1.4 | 144 |
東北 | 1,826 | 620 | 2.9 | 406 | 1.5 | 174 |
関東甲信越 | 12, 200 |
2,608 | 4.7 | 1,724 | 1.5 | 731 |
東海北陸 | 3,056 | 1,036 | 2.9 | 691 | 1.5 | 277 |
近畿 | 3,987 | 965 | 4.1 | 664 | 1.5 | 345 |
中国 | 1,669 | 549 | 3.0 | 432 | 1.3 | 168 |
四国 | 1,114 | 303 | 3.7 | 199 | 1.5 | 83 |
九州 | 3,141 | 732 | 4.3 | 504 | 1.5 | 220 |
沖縄 | 921 | 187 | 4.9 | 128 | 1.5 | 61 |
※2017年合格者(2018年採用)のデータ。大卒行政区分。
国家一般職の2次は面接のみです。
また、面接の配点は2/9とそこまで大きくないため、1次で上位合格をしておくと圧倒的有利です。(2次倍率もさほど高くないです)
こちらも国家総合職と同様、試験合格者=採用者ではありません。
採用率は総合職より高く50%程度ですね。
国家一般は最終合格してから辞退する人も多いため、実質的な採用率はさらに高いです。
地方公務員(都道府県庁)
1次受験者 | 1次合格者 | 1次倍率 | 最終合格者 | 2次以降の倍率 | |
北海道 | 1,668 | 802 | 2.1 | 367 | 2.2 |
青森県 | 366 | 169 | 2.2 | 68 | 2.5 |
岩手県 | 270 | 87 | 3.1 | 43 | 2.0 |
宮城県 | 639 | 170 | 3.8 | 73 | 2.3 |
秋田県 | 360 | 56 | 6.4 | 34 | 1.6 |
山形県 | 346 | 105 | 3.3 | 63 | 1.7 |
福島県 | 509 | 171 | 3.0 | 101 | 1.7 |
茨城県 | 745 | 181 | 4.1 | 94 | 1.9 |
栃木県 | 529 | 240 | 2.2 | 92 | 2.6 |
群馬県 | 521 | 134 | 3.9 | 60 | 2.2 |
埼玉県 | 1,631 | 608 | 2.7 | 256 | 2.4 |
千葉県 | 958 | 303 | 3.2 | 181 | 1.7 |
東京都 | 2,706 | 923 | 2.9 | 550 | 1.7 |
神奈川県 | 1,103 | 579 | 1.9 | 221 | 2.6 |
新潟県 | 339 | 118 | 2.9 | 40 | 3.0 |
富山県 | 337 | 115 | 2.9 | 71 | 1.6 |
石川県 | 355 | 117 | 3.0 | 92 | 1.3 |
福井県 | 212 | 107 | 2.0 | 56 | 1.9 |
山梨県 | 499 | 140 | 3.6 | 65 | 2.2 |
長野県 | 389 | 176 | 2.2 | 63 | 2.8 |
岐阜県 | 298 | 149 | 2.0 | 85 | 1.8 |
静岡県 | 428 | 255 | 1.7 | 112 | 2.3 |
愛知県 | 928 | 320 | 2.9 | 186 | 1.7 |
三重県 | 348 | 72 | 4.8 | 31 | 2.3 |
滋賀県 | 543 | 124 | 4.4 | 76 | 1.6 |
京都府 | 398 | 191 | 2.1 | 96 | 2.0 |
大阪府 | 956 | 655 | 1.5 | 174 | 3.8 |
兵庫県 | 494 | 369 | 1.3 | 92 | 4.0 |
奈良県 | 436 | 136 | 3.2 | 73 | 1.9 |
和歌山県 | 341 | 141 | 2.4 | 47 | 3.0 |
鳥取県 | 177 | 49 | 3.6 | 29 | 1.7 |
島根県 | 177 | 94 | 1.9 | 45 | 2.1 |
岡山県 | 332 | 140 | 2.4 | 57 | 2.5 |
広島県 | 301 | 70 | 4.3 | 34 | 2.1 |
山口県 | 349 | 112 | 3.1 | 43 | 2.6 |
徳島県 | 546 | 120 | 4.6 | 75 | 1.6 |
香川県 | 282 | 89 | 3.2 | 55 | 1.6 |
愛媛県 | 493 | 163 | 3.0 | 73 | 2.2 |
高知県 | 245 | 60 | 4.1 | 37 | 1.6 |
福岡県 | 580 | 90 | 6.4 | 53 | 1.7 |
佐賀県 | 1,176 | 256 | 4.6 | 64 | 4.0 |
長崎県 | 231 | 69 | 3.3 | 44 | 1.6 |
熊本県 | 429 | 200 | 2.1 | 67 | 3.0 |
大分県 | 436 | 169 | 2.6 | 56 | 3.0 |
宮崎県 | 376 | 130 | 2.9 | 75 | 1.7 |
鹿児島県 | 458 | 104 | 4.4 | 49 | 2.1 |
沖縄県 | 1,194 | 83 | 14.4 | 51 | 1.6 |
※2016年合格者(2017年採用)のデータ。大卒行政区分。(県によって、同じ行政でも一般方式と新方式など2種類以上の試験がある場合があるが、その場合、最も採用者が多いメインの区分の数字を採用した)
地方公務員(指定都市)
1次受験者 | 1次合格者 | 1次倍率 | 最終合格者 | 2次以降の倍率 | |
札幌市 | 1,517 | 258 | 5.9 | 166 | 1.6 |
仙台市 | 766 | 140 | 5.5 | 99 | 1.4 |
さいたま市 | 1,152 | 489 | 2.4 | 213 | 2.3 |
千葉市 | 410 | 83 | 4.9 | 39 | 2.1 |
横浜市 | 2,564 | 1400 | 1.8 | 455 | 3.1 |
川崎市 | 827 | 324 | 2.6 | 184 | 1.8 |
相模原市 | 716 | 410 | 1.7 | 99 | 4.1 |
新潟市 | 307 | 230 | 1.3 | 54 | 4.3 |
静岡市 | 694 | 144 | 4.8 | 69 | 2.1 |
浜松市 | 237 | 121 | 2.0 | 44 | 2.8 |
名古屋市 | 1,037 | 233 | 4.5 | 87 | 2.7 |
京都市 | 749 | 279 | 2.7 | 115 | 2.4 |
大阪市 | 790 | 195 | 4.1 | 53 | 3.7 |
堺市 | 437 | 228 | 1.9 | 46 | 5.0 |
神戸市 | 242 | 116 | 2.1 | 24 | 4.8 |
岡山市 | 260 | 141 | 1.8 | 49 | 2.9 |
広島市 | 797 | 358 | 2.2 | 137 | 2.6 |
北九州市 | 405 | 116 | 3.5 | 18 | 6.4 |
福岡市 | 610 | 58 | 10.5 | 33 | 1.8 |
熊本市 | 410 | 125 | 3.3 | 62 | 2.0 |
※2016年合格者(2017年採用)のデータ。大卒行政区分。(市によって、同じ行政でも一般方式と新方式など2種類以上の試験がある場合があるが、その場合、最も採用者が多いメインの区分の数字を採用した)
地方公務員(特別区)
1次受験者 | 1次合格者 | 1次倍率 | 最終合格者 | 2次以降の倍率 | |
特別区 | 11,795 | 3,433 | 3.4 | 1,781 | 1.9 |
ぶっちゃけ筆記試験の倍率はどうでもいい
筆記は倍率がどれだけ高くても、きちんと勉強すれば受かる
公務員試験の倍率は、基本的に景気が良ければ低下(民間人気が高まる)、景気が悪ければ上昇(安定を望み公務員人気が高まる)します。
近年は景気上昇に伴い公務員倍率は低下傾向です。
ただ、この倍率の数字はほぼ意味がありません。
というのも、公務員試験には「とりあえず受けてみるか」みたいな勝負に全くならないレベルの層の人がたくさんいるからです。
よって、見た目の倍率は何のアテにもなりません。
(倍率が下がっている時には、筆記の合格ボーダーラインがいくらか緩くなるのも事実ですが)
では本当の倍率(勝負できる実力を備えた人たちの競争率)って何なの?と言えば、それは誰にも分からないということになります。
ただ、筆記試験は所詮暗記です。
合格者平均と言われるくらいの勉強時間を、きちんとした勉強のやり方でこなしていれば、倍率関係なく合格可能性は非常に高くなります。
それ以上にやり込めば合格確率はどんどん100%に近づいていきます。
きちんとした勉強のやり方(戦略)で学ぶため、予備校に通ってやればなおよしということになります。
要は、正しいやり方で継続できれば必ず突破できるのが筆記試験です。
そして、倍率が低い時も高い時も、そのようにやってきた人が合格しているというのが共通した事実です。
もし筆記すら突破できないというのは、それは単なる努力不足である(戦略がズレていることも含めて)としか言いようがありません。
一方、面接の倍率は非常に重要
筆記の頑張りは面接で簡単にひっくり返される
筆記はぶっちゃけ単なる暗記ですし、先ほども書いた通り、きちんとした戦略で正しく勉強すれば受かります。
問題は面接です。
筆記の倍率とか、最終倍率(申込者/最終合格者)はどうでもいいのですが、面接の倍率(1次試験合格者/最終合格者)はぜひ注目して欲しいと思います。
国家なら試験に合格しても官庁訪問で採用されない人も多いという事実とか、地方上級なら1次に合格してもそこから最終合格まで2〜3倍も倍率があるということが見えてくると思います。
つまり、きちんとした戦略で勉強をやってきて筆記試験を突破した猛者たちの中ですら、2人に1人とか3人に1人とかしか受からないということです。
これは、全く勝負にもならない人がたくさんいる筆記試験の倍率に比べると、かなり重い事実です。
結局は総合得点で合格を決めるんだから、筆記でたくさん点数を取っておけばいいんでしょ?と思う方もいるかもしれませんが、決してそうは言い切れません。
と言うのも、面接の配点が非常に高いケースが多く、筆記の頑張りが簡単に覆されうるからです。
(なお、国家の場合は試験合格順位が官庁訪問段階でも重視されるため、筆記試験の比重は地方以上に大きいです)
以下いくつか事例ということで、人口上位10都道府県から配点を公開しているところだけ抜粋しました。
都道府県 | 1次 | 2次 | |
神奈川県 | 教養100点、専門100点 | 論文50点、グループワーク50点、1回目個別面接50点、2回目個別面接200点 | 筆記250点、面接300点 |
愛知県 | 教養15点、専門30点 | 論文10点、面接45点 | 筆記55点、面接45点 |
千葉県 | 教養100点、専門100点 | 論文100点、面接400点 | リセット方式。最終合格は2次試験の点数のみで合格判断。 |
兵庫県 | 教養・専門・論文150点 | 1次面接450点、最終面接(集団討論と面接)400点 | リセット方式。 最終面接に進めるかどうかは筆記150点と1次面接450点の総合得点で判断。 最終合格は最終面接の点数のみで判断。 |
静岡県 | 教養40点、専門40点 | 論文40点、面接480点 | 筆記120点、面接480点 |
※全て行政区分
上の例では、千葉・兵庫は筆記が無視されますし、静岡も実質的に面接だけで決めるくらいの配点です。
また、配点非公開のところもほとんどが同じような方針=面接重視というところが想定されます。
いくら筆記を頑張ったとしても、面接で失敗すれば普通に落とされるということは押さえておきましょう。
面接の倍率を踏まえて試験対策を考えよう
個人的には予備校がオススメ
倍率を気にしてこのページにたどり着いた読者さんであれば、試験対策はこれからという方も多いのかと思います。
その場合、上で書いた面接の倍率や配点の話をしっかり踏まえて対策を考えるようにしましょう。
例えば、筆記は所詮暗記だから頑張ればなんとかなる!みたいな考えで独学を開始してしまうと、面接で予備校組に対して大きな遅れを取る可能性が出てきます。(→面接対策(模擬面接)のみを予備校でやろうとしても受け付けていないところが大半だからです)
面接対策自体は1次合格後に始めても余裕(※)ですが、1次合格後に何をやるのかという対策プランはしっかり事前に決めておく必要があります。
→1次に受かったら予備校で練習しようと思っていたけど模擬面接が受けれずに慌てるとか、面接がイマイチでも筆記の得点に引っ張ってもらえばなんとかなるでしょと思っていたらリセット方式でしたとかでは話になりません。
個人的には、模擬面接ができること、また筆記試験の対策も独学よりずっと楽になるため予備校をオススメ(戦略を教えてもらえますから、その通りやれば合格できます)しますが、独学を選ぶのであれば、面接対策をどうするのかも含めて自分なりの根拠を持ってから勉強をスタートするようにしましょう。
当たり前ですが、行き当たりばったりでやっていたら受かりません。
ゴールから逆算するようにしましょう。
なお、試験職種ごとに予備校の費用や特徴を細かくまとめた記事は以下です。
費用に対する考え方(=1年目のボーナスで簡単に回収できるため、費用対効果を長期視点で考えたほうがいい)についても書いたりしてますので、今のところ独学を考えている人も一旦はご覧になってみてください。
まとめ
- 筆記試験の倍率はぶっちゃけどうでもいい→きちんと戦略立てて勉強すれば受かる
- 面接試験の倍率や面接の配点は重視すべし→面接対策にも力を入れなければ最終合格はできない
- 面接の肝は模擬面接であり、プロから指導を受けられる予備校は非常にオススメ
- 筆記は独学で、面接(模擬面接)だけ予備校で対策するという方法は基本的に取れない(受け付けてない予備校がほとんど)
- 独学を選ぶ場合、面接対策はどうするのかもしっかり決めてから決断する必要がある
以上です。
重要なのは倍率の数字ではなく、そこから何を読み取り、どう動くかです。
これから試験対策を開始する方であれば、ぜひ上で書いてあることを参考に、どのような対策を取るのか検討してみてください。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>当ブログの筆記対策と面接対策についてまとめた記事はこちらです。