こんにちは、シュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、歯科技工士の給料や年収がテーマです。
厚労省の最新の統計資料(医療経済実態調査・賃金構造基本統計調査)を元にして、
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といった点をまとめました。
歯科技工士の給料・ボーナス・年収
企業(主に歯科技工所)に勤務する歯科技工士の平均年収は約400万
企業規模(平均年齢) | 給料年額(手当含) | ボーナス年額 | 年収 |
10人以上(40.1歳) | 3,476,400円 | 590,500円 | 4,066,900円 |
1000人以上(32.2歳) | 3,175,200円 | 768,000円 | 3,943,200円 |
100~999人(37.9歳) | 3,108,000円 | 511,100円 | 3,619,100円 |
10~99人(47.9歳) | 3,921,600円 | 484,500円 | 4,406,100円 |
厚労省「平成29年賃金構造基本統計調査」より
歯科技工士の7割近くが歯科技工所で勤務することになります。
そのため、上記の厚労省統計も概ね歯科技工所の年収を表しています。
1000人以上のところは平均年齢を考えればそれなりの金額ですが、他は40歳で概ね400万程度ということになっています。
なお、本統計は10人以上の企業のものですが、歯科技工所の大半が個人事業主です。
よって、この年収に比べてさらに厳しい数字となることが想定されます。
歯科診療所に勤務する歯科技工士の平均年収は300万もしくは360万
形態 | 給料年額(手当含) | ボーナス年額 | 年収 |
個人 | 2,679,149円 | 350,950円 | 3,030,099円 |
医療法人 | 3,270,856円 | 345,017円 | 3,615,873円 |
厚労省:平成29年医療経済実態調査より
歯科診療所勤務となると、先ほどの統計に比べてさらに厳しい数字になっています。
また、厚労省のデータによると、歯科診療所のうち医療法人化しているのは2割に満たないです。
よって、歯科診療所に勤務する歯科技工士の方の場合、その多くは個人事業主の歯科診療所に勤務しており、平均年収は300万円程度ということが言えるかと思います。
歯科技工士の手取り月収と手取り年収
歯科技工士の平均手取り月収は18万〜23万
形態 | 月収(手当含) | 手取り月収 |
10人以上の事業所(歯科技工所メイン) | 289,700円 | 約230,000円 |
歯科診療所(個人事業主) | 223,262円 | 約179,000円 |
歯科診療所(医療法人) | 272,571円 | 約216,000円 |
※月収は厚労省統計の給料年額を12で割ったもの
ざっくりと算出していますが、手取り月収は18~23万円ですね。
歯科技工士の平均手取り年収
ボーナスを含めた手取り年収は以下です。
企業規模 | 手取り年収 |
10人以上の事業所(歯科技工所メイン) | 約3,230,000円 |
歯科診療所(個人事業主) | 約2,430,000円 |
歯科診療所(医療法人) | 約2,870,000円 |
歯科技工士の年齢別年収について
歯科技工士の年齢別年収は以下の通りです。
歯科技工士(男性、企業規模10人以上)の年齢別年収
20~24歳 | 2,636,900円 |
25~29歳 | 4,016,100円 |
30~34歳 | 3,588,000円 |
35~39歳 | 4,596,400円 |
40~44歳 | 4,415,000円 |
45~49歳 | 6,559,700円 |
50~54歳 | 6,815,300円 |
55~59歳 | 5,215,600円 |
厚労省「平成29年賃金構造基本統計調査」より
なお、歯科診療所勤務の場合の年齢別の数字はありませんが、上記の年齢別と比べ各年代ともにかなり低い数字になってくるのは間違いありません。
歯科技工士の年収を民間企業(全産業)の年収と比較
歯科技工士の年収は、民間企業の平均年収と比べてどうなのかという観点から比較をしてみます。
以下が民間企業(全産業)の平均年収です。
厚労省「平成29年賃金構造基本統計調査」より算出 |
既に算出した通り、歯科技工士の年収は400万(企業規模10人以上の事業所=主に歯科技工所)、300万(個人事業主の歯科診療所)もしくは360万円(医療法人の歯科診療所)です。
歯科技工士は男性が主流ですので、男性の民間平均年収551万と比較した場合、大幅に低いと言っていいと思います。
まとめ
- 歯科技工士の年収について
- 規模10人以上の事業所(=主に歯科技工所)勤務の場合は約400万円
- 個人事業主の歯科診療所勤務の場合は約300万円
- 医療法人の歯科診療所勤務の場合は約360万円
- 歯科技工士の手取り収入について
- 規模10人以上の事業所(=主に歯科技工所)勤務の場合は約23万円
- 同じく手取り年収は約323万円
- 個人事業主の歯科診療所勤務の手取り月収は約18万円
- 同じく手取り年収は約243万円
- 医療法人の歯科診療所勤務の手取り月収は約22万円
- 同じく手取り年収は約287万円
以上、歯科技工士のお金に関するデータについてまとめてみました。
規模1000人以上の企業に勤務できればそれなりの収入が確保されそうですが、基本的には民間の全体平均と比べて低い年収ですね。
また、あくまでこちらは公的統計に基づく給料データですが、その裏側にはかなり多くのサービス残業(つまり公的統計には報告されていないもの)や、それに伴う離職率の高さといった実態があるようです。
※記事下の、現役歯科技工士の方からいただいたコメントもご参照ください。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>比較対象として各医療関係者の給料や年収に興味がありましたら、こちらの記事もオススメです。
歯科技工士の年収は400万円(企業規模10人以上の事業所=歯科技工所)
300万円(個人事業主の歯科診療所)
もしくは360万円(医療法人の歯科診療所)
とありますが…これには労働時間が加味されていませんね…。
歯科技工士は一般的に超長時間労働です。1日に15時間労働も当たり前です。
しかも社会保険や厚生年金、福利厚生など無い事業所も多いです。
なので労働時間を加味すれば、実質賃金はこの半分以下になります。
高い学費を払い国家資格を取得しても離職率は8割をこえるブラック業界ですね…。
大変貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。
そういった実態までは統計では掴めない(公式統計ではサービス残業などの実態は掴めない)ところがあるため、大変重要な情報だと感じました。
情報のご提供心より感謝申し上げます。
世の中では介護士、保育士等の話題が取り上げられたことから待遇改善に動いていますが、この業界では歯科医師を挟まないと何も出来ないことが全て悪い方向へ流れていると考えられます。これまで100人以上の歯科医師と仕事をしてきましたが技術、知識、人間性の全てを持つ方はごく一部に感じます。そういう歯科医師は歯科技工士の大切さをわかっている為、技工物には見合った金額が支払われています。
しかし残念ながら大半の歯科医師は歯科技工士の技術よりも「安い、納期が早い」を優先する為、歯科技工士も数をこなさないと利益が上がらず労働時間だけが増えていきワーキングプア化が進む結果となっています。
「保険だからこの程度の仕上がりでいいや。」そんな技工物が患者様の口の中に入っている歯科業界。医療とは?そんな事を考えさせられます。
この問題は保険点数の加点だけでは歯科医師だけが得をしてしまう為、何も解決されない問題です。学生数も激減している現状を見る限り今後の歯科技工業界には不安しかありません。
貴重なご意見をいただき本当にありがとうございました。
給料が低い裏側の構造的な問題を理解できました。
問題提起としても非常に意義深いものだと思いますので、コメントを公開させていただきます。
引き続きよろしくお願いいたします。