こんにちは、元公務員のシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、公務員の仕事のプラスでもありマイナスなイメージでもある、「公務員=楽で暇そう」という点に関し、僕の10年間の県庁経験を踏まえて記事を書いていきます。
ざっくり言うとこんな感じです
結論をざっくりと言うと以下のような感じになります。
- 本庁より出先機関のほうが暇
- 本庁の中でも大きな格差があり、判断を多く行う部署よりルーチンの部署の方が暇
- 企画・経営・保健福祉分野より会計・文化・システム・生活分野の方が暇
- 優秀な人ほど忙しい部署を巡る羽目になる→割り切れれば暇な方向に仕向けることも可能
- どんなに忙しい部署であっても、最後は気合い・根性でどうにかなるという意味では民間よりずっと楽
以下でそれぞれ詳しく解説していきますね。
本庁と出先機関の違いについて
出先のほうが遥かに暇
本庁より出先のほうが暇です。
これは、特に行政職の場合に間違いなく言えます。
僕が知る限り、行政職の同期で出先のほうが忙しかったと言っていた人間は一人としていませんでした。
県の出先機関と言えば、県税事務所・保健所・福祉事務所・児童相談所・土木事務所・農業事務所・環境事務所・林務事務所・労政事務所・図書館などがあります。
僕は保健所1ヶ所しか経験してないですが、こう並べて改めて考えてみても、児童相談所を除けばまず暇でしょうね。
(児童相談所はちょっと異次元ですね。労働時間というよりも、精神的な厳しさが凄いようです)
出先であれば、仕事に慣れないうちはともかく、平均すれば18時前には帰れるでしょう(日中早い段階でやることがなくなってしまう日も多いと思います)。
有給も周りに気を遣いさえしなければ、全部(20日)取り得ます。(実際には皆気を遣って全部取る人はあまりいないですが)
技術職(土木職、農業職、林業職、保健師、心理職など)は少し異なる
技術職の場合、出先が現場であり主戦場的なところがあります。
橋や道路を作る際の現場監督をしたり、難病患者さんの相談に乗ったりということをするので、むしろ本庁よりも忙しいケースもあります。
また、仕事のやり甲斐に関しても、出先に魅力を感じている技術職の方は多かったです。
ただ、技術職においても本庁はやはり大変な環境であるようです(特に精神的に)。
なぜなら、
- 本庁の場合、仕事の内容がより事務的になものになるため、現場で切った張ったでやっている方にとってはこれを苦痛に感じる人も多いということ。
- また、出先に指示をする形になるので、そういうマネジメント的なところが嫌いな人も多いということ。
2点目について、本庁に行く技術職の方は選ばれし者みたいな側面があり、だからこそ出先の同じ技術職の方にあれこれ指示を出すのが気まずいというのもあるみたいでしたね。
狭い世界は狭い世界なりに色々大変らしいです。
本庁の中における違いについて
本庁の中でも忙しさはピンキリ
本庁のほうが忙しいとは言いましたが、もちろん本庁の中でも忙しさはピンキリです。
22時を超える残業が頻繁にあるとか、時期によっては0時超えもしょっちゅうなんて部署もある一方で、年間通じて定時近くに帰れる部署もあります。
もちろん中間的なところ(平均で19時付近には帰れるとか)もあります。
ある程度在職していれば、課名でなんとなく判断はつくようになりますが、基本的には、判断や調整を頻繁にしなければならないところは忙しく、ルーチンが多いところや施策自体が重視されていないところは暇ということになります。
より具体的に言えば、企画(企画課or総合政策課)・経営(財政課・人事課)・保健福祉分野(こども課、障害福祉課など)が忙しく、会計・文化・システム・生活分野が暇です。
補足
細かく言えば、保健福祉分野でも暇な課があったりしますし、文化都市なら文化関係の部署が凄く忙しかったりしますし、上に挙げていないところ(商工、土木、環境、農業など)は全て平均的な忙しさなのかと言われればもちろんそういうわけでもないのですが、ざっくりとしたイメージということで捉えていただければと思います。
人事面について
優秀であれば忙しい部署に行き、そうでなければ暇な部署に行く
優秀な人は忙しい部署に行きます。
優秀な人を中枢とかハードな部署に送ろうというのは、人事課の戦略(その人の一層の成長を図る、忙しい課の運営を円滑にする)上は当然の話になります。
(→ただ、そのことばかりが優先され、その人の強みとか適性がしっかり分析された配属になっていないことは、視点が短期的であり、根本的な問題だと思っていましたが)
公務員は3~4年で異動しますが、優秀な人は3回の異動のうち2回は忙しく1回は若干暇、もしくは4回のうち3回は忙しく1回は若干暇といった感じでした。
逆に優秀でない人の場合は、上の回数が逆転、もしくはずっと出先ばかりを巡ったりします。
なお、本気でやれば優秀であるが、手を抜きまくることで、ほぼ意図的に暇なところばかり巡る人もいます。
→公務員はとんでもないこと(それこそ毎日大半寝てる上に書類を全てシュレッダーにかけたとかそういうレベル)をやらない限り、ちょっと手を抜いたとか、少々仕事が出来ないくらいではクビに出来ませんからね。
ただ、そういう人は例外的で、基本的には自分のキャパの中でしっかり真面目に仕事をする方が大半でしたね。
その上で、結果として、優秀か優秀でないかというのはどうしても出てきてしまうところです。
余談
たまに、(自分は優秀なのに)不遇な環境ばかり巡っている・・・みたいなことを言っている人がいたりするのですが、仕事というのは、事務能力だけでなく、コミュニケーション能力も含めたトータルの能力が必要とされます。
そういう人はこのどちらか(だいたい後者)が欠けているだけです。
欠けているのであればそれはすなわち優秀ではないということになります。
そもそも、自分の不遇さに泣き言を言ったり愚痴ったりしてる人に優秀な人はいません。
そんな暇があれば前を向いて次に向けて行動をするのが本当に出来る人です。
結局公務員は民間より楽?
忙しい部署、しかもかなり激務の部署であっても、公務員の仕事は気合いと根性で毎日遅くまで頑張ればなんとかなるというところがあります。
民間であれば利益(成果)を上げることが重要、というか全てであり、時間をかけるか否かは問題ではありませんが、公務員の場合は、時間をかけて永遠に不毛なことをやり続ける人が重視されます。(そもそも仕事に不毛なものが多い)
そういう意味では、数字が挙げられなければ無能扱いされ、切り捨てられ、給与が減るといったシビアな民間に比べれば、気合いで頑張ればなんとかなる、評価されるというのは精神的にかなり楽だと言えるでしょう。
ただ、時間ばかりかけて不毛なことをやるのが嫌な人であれば苦痛以外の何物でもありませんが・・・。
補足
単純な労働時間だけを見ると、一概に公務員のほうが短いとは言えない部分があります。
僕は一時銀行に出向していましたが、平均的な労働時間は銀行よりも公務員のほうが長かったです。(しかし、成果を意識している銀行のほうが明らかに仕事の質が高い)
要は公務員の場合、仕事に成果よりも不毛さが求められる側面が強いためそうなります。
この不毛さは、仮に銀行員が公務員になったから解決するという問題ではなく、完全に組織慣例的な問題です。
まとめ
率直に、(今のところ)公務員は恵まれた職場であるのは間違いないと思います。
あとは価値観の問題で、一番最後の項目で書いたようなこと(成果より不毛さ)が非常にひっかかるようであれば、楽だろうがなんだろうがいずれ嫌になりますので、これから公務員を目指す方は考え直したほうがいいかもしれません。
逆に、とにかく時間をかけて頑張れば報われるということや、ノルマが無いことを魅力的だと感じる人にとっては、まさに魅力的な職場であると言っていいでしょう。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
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