公務員の人事

地方公務員の種類による違い。行政職以外は異動や出世の仕組みが独特?

こんにちは、シュンです!

いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!

 

今回は、公務員の種類(職種)にスポットを当てた記事を書いて行きます

 

公務員と言えば一般行政職をイメージされる方が多いと思いますが、それ以外にも、土木職、林業職、建築職、保健師、薬剤師など色んな職種があります。

 

僕自身の県庁での経験を踏まえ、一般行政職と他の職種を比較する形で、異動や出世面などの違いについて解説していきます。




公務員の種類(職種)について

まず、公務員の種類にはどのようなものがあるのか、東京都庁の2018採用案内の資料から抜粋してみます。

職種 H29合格者数 ( )は女性の人数(内数)
行政 439(190)
土木 169(36)
建築 24(11)
機械 53(1)
電気 36(5)
環境検査 28(9)
林業 7(3)
畜産 3(2)
水産 8(1)
造園 12(4)
心理 10(7)
福祉A 22(19)
衛生監視 15(12)
栄養士 15(14)
獣医 19(13)
薬剤A 29(25)
薬剤B 9(5)

採用案内2018(東京都)より、平成29年度採用試験実施状況(I類B一般方式)から抜粋して作成

 

都庁、県庁、市役所などのオフィスで働いている方たちは皆事務職の人かといえば決してそういう訳ではなく、これだけ多種多様な職種の方がいるということですね。

 

もちろん全体の多数を占めるのは行政職ということになります。

また、行政職以外の職種の場合はどちらかと言えば出先機関で働くケースが多いですね。

(薬剤師→保健所や病院、保健師→保健所、心理→児童相談所、土木→土木事務所など)

 

ちなみに、警察官や消防士、教員なども地方公務員ですが、これらの方は働いている場所も違いますし(出向して本庁にいる警察官や教員もいますが)、今回の話からは除外します。




職種ごとの異動先について

行政職以外の異動はかなり限定的

行政職はどんなところにでも異動します(企画、財政、人事、農業、商業、保健福祉、環境なんでもござれ)が、他の職種の場合は、基本的に異動先が限定されます。

 

例えば、

  • 薬剤師であれば、公立病院、保健所、本庁の薬事や食品行政部署
  • 保健師であれば、保健所、児童相談所、本庁の保健福祉部局の各課
  • 土木職であれば、土木事務所、本庁の土木部局の各課
  • 林業職であれば、林業事務所、本庁の林業部局の各課

といった感じです。

 

変わったところに異動する方もいる

僕がいた県庁で言えば、基本的に行政職以外の職員は上で書いたように異動部局が限定されていたのですが、一部かなり変わったところに配属されている人もいました。

 

例えば、

土木職の人が財政課にいたり、薬剤師の人が企画課にいたり・・・といった感じです。

 

そこでの業務内容も、その職種の専門性には一切関係無く、通常の行政職と全く同じことをやっていました。

 

一つ言えるのは、こういう少し変わった動きをしている人はすべからく優秀な人でしたね。

 

僕がいた県庁の場合、各職種のリーダーにしたいような人はそういった経験をさせるという仕組みを取っているようでした。




職種ごとの出世について

基本的に出世コースのトップを占めるのは行政職

県庁においては、選挙で選ばれる知事を除けば、トップは副知事、次いで部長ということになりますが、その大半は一般行政職の方でした。

 

まず、副知事に関しては行政以外の人がなることはないだろうという感じでしたね。

 

部長に関しては、一部行政職以外の人がなるケースもありました。

例えば、土木関係の部長は土木職と行政職が交互、保健福祉関係の部署は医療職(医師)と行政職が交互といった感じでした。(農業もだったかな・・・)

 

職種ごとにコースがある程度決まっている

というわけで、組織のトップは行政職がほとんどを占めていましたが、他の職種についても、その職種ごとのトップのポジションというものがある程度決まっていました。

 

例えばこんな感じです。

  • 薬剤師なら本庁薬務課の課長
    →その後出先の所長になって(給与上は)一応部長級になる(実質権限で言えば薬務課長のほうが上)
  • 保健師なら出先の次長級(本庁の課長級ということになりますが、本庁の課長はいなかったです)
  • 土木職なら土木事務所の所長級(こちらは本庁における部長級の力があり、かなり力が強いようでしたね)
    →上で書いた通り、土木職の場合、部長になる方も僅かにいました

 

要は職種ごとに自分たちのシマがあって、その中で異動も出世もぐるぐる回るという感じです。

 

人事も独特のラインが取られている(人事課がコントロールするのではなく、その職種の筆頭の方がある程度コントロール→人事課に希望を出した通りに人事課が配置を行う)といった話を聞いたことがあります。

この辺の真偽はよく分かりませんが、色々聞く限りまんざらデタラメでも無さそうな感じでした。

 

行政職以外の同期には、狭い世界だよなんて嘆いている人が結構いましたね。

 

専門性は行政より高いですし、その分面白さも感じやすいと思いますが(実際、行政に比べて自分の仕事が面白いと言っている人が多かった印象)、出世や異動も含めた世界の狭さというのは人によっては微妙かもしれませんね。

 

ただ、先ほど書いたように、独特の異動ルートを辿っている方もいましたので、将来の幹部の様相が変わってくる可能性はあるなと思っていましたし、また、本来そうあるべき(要は職種関係無しに実力のある人がトップに立てばいい)と個人的に思います。

 

おわりに

今回は、主に行政職以外の職種にスポットを当てて記事を書いてきました。

 

なお、出世が限定されているという話を書きましたが、行政職以外の人たちのそもそものマインドとして、私は◯◯職だからそれは出来ないとか、やっぱり行政の人は凄いみたいな感じで、なんというか、自分を卑下しているような方が多かったのは事実です。

これはあんまり行政職にはいなかったので、結構印象に残っていますね。

 

そもそもそういった考え方では大した結果は出せないです。

 

当時の部長が、◯◯職だとか、そんなの一切関係無いと言って怒ってましたが、まさにその通りだと思います。

 

要はどの職種だとしても、お互いの立ち位置の元でベストの仕事をやればいいだけの話です。

 

これから公務員を目指す方であれば、そういう気概を持って仕事をしたほうが、より前向きで面白いと思いますよ!

(また、そういう仕事であれば、慣例を打ち破れる可能性が大きいです)

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

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