こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
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今回は、都庁の給与や年収がテーマです。
僕は元県庁職員ですが、都庁は規模が圧倒的に大きく、また財政も豊かであるため、同じ都道府県庁とは言っても全く異質です。
→例えば僕の県で新規の施策について検討する時は、他県例で東京都を出すと、東京は比較しても仕方ないと言われます(笑)
そんな都庁は年収も異質なのか?ということで、年齢ごとの年収モデルや、平均給与・ボーナス・平均年収額などについて、以下で詳しくまとめました。
都庁の年収モデル
東京都の年収モデルについて
まず、年収の全体像が掴みやすいので、都が公表している年収モデルを見てみます。
なお、総務省が出している平成28年の地方公務員給与実態調査によると、都道府県の中で最も年収が高いのは東京都です。
<平成30年>
<平成29年>
東京都人事委員会事務局ホームページ(http://www.saiyou.metro.tokyo.jp/kyuuyokettei.html)より抜粋
このモデルを見る際に注意すべきなのは、都は昇任選考を実施しているということです。
大卒であれば、主任級・課長代理級になる際にそれぞれ選考が行われることになっていて、早ければ27歳で主任、29歳で課長代理になれるようです。
(実態として、最短でそこまで行く人は一握りなのだろうとは思いますが)
要は、上記モデルよりも給料が高い人もいれば、逆に低い人もいるということですね。
僕がいた県庁では40過ぎくらいまで差はつきません(多くの自治体がそうだと思います)でしたから、非常に先進的な仕組みを取っていると思います。
他県(平均的なところ)の年収モデル
次に比較対象として、平均的な年収モデルである茨城県を見てみます。
茨城県は、都道府県庁の年収ランクで21位(平成28年の地方公務員給与実態調査より推測)です。
「給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント(平成29年)」(茨城県人事委員会)(https://www.pref.ibaraki.jp/jinjiiin/kyuyo/kankoku/documents/0-2_point.pdf)より抜粋
都と比較すると、結構な差(35歳で100万以上、50歳では500万以上)があることが分かると思います。
※都において50歳で部長になる人はかなり限られているはずなので、一概には比較できませんが。
都庁(行政職)の平均年収は約710万円(41.5歳時)
次に、都庁(行政職)の平均給与・ボーナス・年収について見ていきます。
総務省HP(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/teiin-kyuuyo02.html)に掲載されている平成29年の最新データ(2018.4.11現在)を用いて算出しました。
都庁の平均給与(月収)について
東京都の平均給与額:445,077円(平均年齢41.5歳)
※2位の神奈川県は443,588円(平均年齢43.3歳)
都庁の平均ボーナス額について
東京都の平均ボーナス額:1,758,000円(平均年齢41.5歳)
※2位の三重県は1731000円(平均年齢44.0歳)
都庁の平均年収について
東京都の平均年収:7,098,924円(平均年齢41.5歳)
※2位の神奈川県は6,992,656円(平均年齢43.3歳)
都庁の年収について分析する
都道府県庁全体では圧倒的年収1位
都道府県庁の中でみると、都庁の年収は実質的に毎年トップです。
平成29年について、2位の神奈川とそこまで大きな差は無いと言われればそうなのですが、平均年齢が2歳近く違う(都庁のほうが若い)こともあり、昇給を考慮に入れれば、都庁と神奈川の差は結構あると言えます。
→2歳違うと年収は10万円以上変わっても不思議ではありません。
実は給料はワースト2位!?→手当が圧倒的
東京都の給料月額は314,800円と、なんと沖縄県についでワースト2位です。
これは都の平均年齢が若いということも一つの要因ですが、そもそも東京都の「給料」はそんなに高くありません。
給料はワースト2位なのに、給与(月収)は1位・・・。
これはなぜかと言えば、手当が圧倒的に多いからです。(給与=給料+手当で構成される)
東京都の月の平均支給手当額は約13万円であり、2位の大阪府よりも2万円高く、全国の平均額より5万円高いです。
この手当の内訳としては圧倒的に「地域手当」が高いです。
東京都の地域手当は約6万5千円なのですが、全国平均は1万2千円程度に過ぎません。
地域手当とは物価調整手当みたいなものです。
要は、東京は色々と物価が高いから、地域手当も多く出しますよという仕組みになっています。
地域手当は特別な手当ではなく毎月支給されますので、当然東京都の年収は高くなり、生涯年収ベースで見ると、一般的な県庁と見れば大きな差が出てきます。
昇任次第という点と物価が高いという点は押さえるべき
年収モデルのところでも触れた通り、都には昇任試験があります。
つまり、41.5歳で平均年収710万とは言ったものの、その時点でもっと貰っている人もいれば、もっと少ない人もいるということになります。
一方、昇任試験のない自治体(=これが大半)の平均年収が40歳で650万円ならまさに文字通りであり、同い年では大きな差がありません。
都庁の場合、昇任試験がある分の格差が生じうるという点は押さえておく必要があるでしょう。
(個人的にはそうあるべきだし、素晴らしい仕組みだと思いますが)
あとは、都内なので物価が高いという点は留意すべきですね。
収入が多くても、アパート代だの食事代だので地方の県庁に比べてかなり固定経費の支出が多くなるでしょう。
また、都内に家を買うとすれば土地代はかなり大変です。
関東近郊の田舎に家を建てて、新幹線で優雅に出勤するとかであれば別でしょうが、そうすると新幹線代もバカにならないです。
つまり、年収は1位ですが、支出面を考慮するとお金の面で圧倒的に恵まれているとも言い切れないということです。
都庁も含めた地方公務員の給料について動画で解説
都庁に限定せず、地方公務員の給料(国家との比較・民間との比較等)について動画でも詳しく解説していますので、興味があればあわせてご覧ください。
おわりに
都の給与面の大きな特徴としては、昇任試験があることで、若くても優秀なら出世できるし年収も上がるというところが挙げられます。
(昇任する自信が無いのであれば、都庁よりもっと横並び主義の自治体を選んだほうが賢明だと思います)
また、給与とは少し異なる観点ですが、都は財政が豊かということもあって、新たな施策提案に寛容であり、攻めの面白い仕事が出来るということも重要な特徴だと言えますね。
財政が豊かではない多くの自治体においては、攻めよりも守りが重視になるケースが多いです。
実際、県庁から都に出向していた知り合いにも聞いたのですが、県と都との大きな違いとして、攻めと守りのスタンスの差を挙げていました。
以上のような点は、他のところと比べて異質と言えばやはり異質で、例えば都庁と地元県庁でどちらに行こうか迷っている方がいれば、このような特徴を踏まえて検討してみることをおすすめします。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
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