こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、日本の数学史上最大の天才とも言われる岡潔の著作「春宵十話」をベースに、アイデアの発想法について書いていきます。
本記事の内容
- 岡潔に学ぶアイデア発想法
- 他の天才数学者も同じことを言っている!
岡潔は、数学の多変数解析函数論という分野における三大問題を一人で解決し、海外の数学者から「kiyoshi-oka」というのは数学者集団のペンネームだろうと勘違いされたほどの大天才です。(詳しくはwikipediaなどでご覧ください)
本書では、彼が世界的発見をした際の流れについて詳しく触れられており、いいアイデアや問題の解決策が生み出せなくて悩んでいる方にとって非常に大きなヒントになると思います。
岡潔に学ぶアイデア発想法
岡潔は、アイデアが出るまでの流れについて以下のように記しています。
全くわからないという状態が続いたこと、そのあとに眠ってばかりいるような一種の放心状態があったこと、これが発見にとって大切なことだったに違いない。
種子を土にまけば、生えるまでに時間が必要であるように、また結晶作用にも一定の条件で放置することが必要であるように、成熟の準備ができてからかなりの間をおかなければ立派に成熟することはできないのだと思う。
だからもうやり方がなくなったからといってやめてはいけないので、意識の下層にかくれたものが徐々に成熟して表層にあらわれるのを待たなければならない。
そして表層に出てきた時はもう自然に問題は解決している。
引用:岡潔「春宵十話」P32
まさにこの部分が、今回の結論である「アイデア発想法」ということになります。
少し抽象的に感じるかもしれませんので、実際に彼が数学上の大きな発見をした際の具体的な流れを書いてみます。
- 33歳の時、「多変数解析函数論について」というドイツで出版された論文を読んだところ、三つの中心的な問題が未解決であったため、その点を解決したいと考えた
- 毎朝方法を変えて問題を解く手がかりの有無を一日中考えたが、その方法で手がかりが得られるかどうかすらもわからない状況だった
- それを3ヶ月続けたが、それ以降は考え出して10分もすると眠くなってしまう状態になってしまった
- その後(1〜2ヶ月後と想定される)、夏休みに北海道に行く機会に恵まれたため、北大の応接室を借りて研究を続けたが、研究中に椅子で眠ってしまうことが多いような状態だった
- 夏休みが終わりに近づき、もうそろそろ帰ろうと思っている時、朝食後にぼんやり考えていると、問題解決の方向性がはっきりしてきた
- 2時間半もすると、どこをどうやればいいかがすっかり分かった
- この翌年から2年に一つくらいの割合で論文を発表したが、5番目の論文まではこの時に見えたものが元になった
他の天才数学者たちも全く同じことを言っている!
岡潔は大きな発見をする方法について、ポアンカレというフランスの数学者の発言を取り上げてその類似性を指摘しています。
※ちなみにポアンカレは、彼が考えた「ポアンカレ予想」という問題の解決に100万ドルの懸賞金がかけられたことで有名です。
ポアンカレの発言は以下の通りです。
数学上の発見の特徴は3つ。
第1は、一時にパッと分かってしまうこと。
第2は、理性的活動が「必ず」必要であること。しかし、発見の時期は理性的活動からズレる(1年とか1年半後)のが多いこと。
第3は、結果が理性の予想の範疇の中にあったことはなく理性の予想とはたいてい違うこと。
なお、この発言をフランスの心理学会が注目し、世界の大数学者に数学上の発見をする流れについてアンケートを取ったところ、多くの回答がポアンカレと一致していたということです。
アイデアを出す秘訣をざっくりまとめる
以上で書いたことを改めてざっくりまとめます。
良質な発見(アイデア)を生み出す流れは、
- めちゃくちゃ考える
- どこかのタイミングで考えられなくなるから、そこで一旦放置して、環境でも変えてのんびりする
- ふっとアイデアが突然閃く。しかも、考えていた時には思いもつかないような突拍子もないアイデアが出てくるケースが多い
ということになります。
科学的根拠は不明ですが、世界中の大天才数学者たちが言っているという事実こそが最も重要な根拠だと思います。
おわりに
彼らが言う発見の仕方は、まさに神秘としか言いようがありません。
(ちなみにこの究極形が「ラマヌジャン」という数学の大天才です。こちらも興味があればwikipediaでぜひ調べてみてください)
考えに考え、その後放置した結果(つまり脳に勝手にやっとけと放り投げた結果)、全く別次元のアイデア(解決策)が導き出されるという流れは、科学的にはまだはっきりと証明できないと思います。
ここで重要なのは、科学的に解明できるかどうかではなく、実際に凄い成果を出した人たちがそれで成功しているんだから素直に真似ようという姿勢です。
僕自身独立した後に、世の中で成功している人とそうでない人を色々見てきましたが、そういう素直さにこそ分かれ目があるように感じています。
理屈をこねてやらない人、もしくは素直に真似ずに我流でやろうとする人は成果が出ず、とりあえず試してみようという軽いノリでトライする人は大きな成果を出しています。
そんなわけで、アイデアが出ないと悩んでいる方は、大天才たちの肩に素直に乗っかってみることをお勧めします。
なお、今回取り上げた「春宵十話」は、全く数学的な本ではなく、岡潔が自身の哲学をまとめたもので、生きるためのヒントとなるような話が数多く書かれています。
しかも、数学者という究極的に論理的な人間が書いているにもかかわらず、内容には凄く形而上学的な部分が多いのが面白いです。
いわゆる論理的に正しいと言われているものと、そうではないとされているものの境目というのは凄く曖昧なのではないか?という点についても学びになるので非常にオススメです。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!