こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、試験やビジネスなどで成果を出したい方向けに、イメージトレーニングの効果的なやり方についてまとめました。
本記事の内容
- 参考書籍紹介【あのフェルプスも実践】
- 短期のイメージトレーニングのやり方
- 長期のイメージトレーニングのやり方
- イメージトレーニングで効果が出る理屈
スポーツの世界では有名なイメージトレーニングですが、面接対策・プレゼン対策・日々の営業など、日常のあらゆる場面で実践できる技術です。
今回は、NASAや国防総省で公式に採用され、世界最多金メダル記録を持つマイケル・フェルプスも学んだコーチングの権威による著作をベースに書いていきます。
参考書籍紹介【あのフェルプスも実践】
今回参考とした書籍は、ルー・タイス著「アファメーション」です。
ルー・タイスはコーチングの元祖と言われており、彼のプログラムはNASAやアメリカ国防総省で採用されたり、マイケルフェルプスがその指導法を学んでオリンピック金メダルを20個以上獲得する(厳密に言えば、ルー・タイスの弟子がフェルプスのコーチです)といった実績を残しています。
また、メキシコきっての大富豪(2019年のフォーブス長者番付では資産1兆オーバー)であるリカルド・サリナス氏もタイス氏の言葉をツイッターで呟いているなど、コーチングの顧客の質の高さが伺えます。
“Nuestras creencias limitan y condicionan la percepción de la realidad que nos rodea”. Lou Tice
— Ricardo Salinas Pliego (@RicardoBSalinas) 2011年6月16日
「わたしたちの信念は、わたしたちの周りの現実に対する認識を制限し、条件付けします。ルー・タイス」
タイス氏のコーチングは脳機能科学に基づいた内容です。
コーチングというと胡散臭いものも多いですが、きちんとした科学的裏付けがあるのが大きな特徴です。(この点については記事下部で補足します)
短期のイメージトレーニングのやり方
まずは、目前に迫ったスポーツの試合、就職の面接試験、プレゼンなど、短期的に効果を出したい場合のイメージトレーニングのやり方です。
イメトレと聞くと、こちらのニーズを求める方が多いのかなと思います。
基本的な流れは以下です。
- 達成したいゴールの状況をあらわす文章を作る
- その文章をとなえた後に、ゴールの状況をイメージする
- ゴールをイメージしながら、過去に感じた情動(嬉しい・誇らしいなど)と結びつける
1.ゴールの状況をあらわす文章を作る
まずはゴールをイメージする文章を作ります。
例えば、
「私は、面接に自信を持って堂々とした態度で臨み、試験官の質問に明るくハキハキと答えることができている」
といったものです。
文章にはいくつかルールがありますので、この点に注意して作っていきましょう。
- 主語は一人称(→私は〜)
- 肯定的な表現を使う(→こうなりたくないとか、これをやりたくないなどは×)
- 達成していることを示す内容とする(→×「私は〜をやり遂げる」、○「私は〜をしている」)
- 現在進行形にする(→〜している)
- 他人と比較した内容にしない
- 「動」を表す言葉を使う(→私はどんなに社会的地位の高い人に対してもにこやかに親しみのある笑顔を向け、落ち着いた身振り手振りを交えて交渉することができるなど)
- 情動を表す言葉を含める(→嬉しい、楽しい、ワクワクしているなど)
- 秘密にする(→人から否定的な言葉を投げかけるリスクを徹底的に避ける)
2.文章を口に出しながら、ゴールの状況をイメージする
次に、作った文章をとなえながらその状況をイメージします。
(となえた後に目をつぶり、頭の中で文章を復唱しながらイメージしてもOKです)
3.ゴールをイメージしながら、過去に感じた情動(嬉しい・誇らしいなど)と結びつける
そして、ゴールをイメージしながら、過去のプラスの感情と結びつけるようにしましょう。
上で「私は、面接に自信を持って堂々とした態度で臨み、試験官の質問に明るくハキハキと答えることができている」という文章を作りましたが、この状況をイメージする際に、例えば過去に自分が発言をして褒められた時の自信に溢れた感情を思い浮かべつつイメージするということです。
(なお、結びつけたい過去の感情を自然に引っ張り出せるよう、過去を振り返りながらその時の感情を何度も何度も再確認することが重要です)
これによって、面接で堂々と自信を持って答えているゴールの姿を、自信に溢れた感情とともにリアリティを持ってイメージできることになります。
ルー・タイスは、Imagination(想像力)×Vividness(臨場感)=Reality(現実)と述べています。
Imaginationは主に文章やイメージで喚起される部分であり、Vividnessは過去の感情によって喚起される部分です。
つまり、いくら文章で綺麗なイメージを作って何度もとなえても、そこに臨場感を与えられなければ効果が下がるということです。
それどころか、「私は、面接に自信を持って堂々とした態度で臨み、試験官の質問に明るくハキハキと答えることができている」と口でとなえながら、慣れない状況で知らない人たちと話す過去の不安な感情を結びつけてイメージしてしまえば、完全に逆効果になるので要注意です。
長期のイメージトレーニングのやり方
次は、夢を叶えるとか成功するとか、それなりの長期スパンで考える場合のやり方です。
本書はむしろこちらを主眼に置いて執筆されています。
人生で大きな成功をしたいと考えているならこのやり方を学んで用いましょう。(基本的に短期のやり方と同じですが、ゴールの設定方法に少し違いがあります)
こちらは別途以下の記事で詳しく書いていますのでご参照ください。
イメージトレーニングで効果が出る理屈
「そもそも上のやり方で効果が出る理屈ってなんなの?」という点について解説します。(フェルプスが結果出したからというのでは科学的じゃないですよね)
ざっくり言うと、
- 人は本能的に安定・現状維持を求め、そうでない状況に直面すると逃亡しようとする(凶暴な獣に襲われる状況(=不安定な状況)から身を守るため、脳がそのように発達した)
- その本能を逆に利用するのが今回のやり方
- 何度もImagination×Vividnessの作業を繰り返すことで、ゴール達成状況こそが居心地の良い状態(安定の状態)であると脳に刷り込んでしまう
- すると、安定状態に戻ろうとする脳の本能的働きにより、行動力が湧くと同時に、ゴールにたどり着くための方法論も脳が拾ってくる
というのが効果が出る理屈です。
なお最後の「ゴールにたどり着く方法論は脳が拾ってくる」というのは少し眉唾のように聞こえるかもしれませんが、これも脳の機能で説明がつきます。
例えば、妊婦になると街に子どもが増えたように感じる、アパートを探し出すとそこら中で空き室の情報が目に入る、PCが壊れたらちょうどお買い得のPCのチラシを発見したなど、自分が関心を向けた途端に情報が飛び込んできたという経験は誰もが持っていると思います。
当たり前ですが、子どもが増えたわけでも、空き室が増えたわけでも、ちょうどよくPCのお買い得セールがあったわけでもありません。
単に注意が向けられたので、無意識下でその情報を拾ってきた(本人にとってはまるで偶然、幸運のように感じる)というだけの話です。
これは、脳は見たいものを見るという働き(RASという脳の機能)に基づくものです。
この働きがあるからこそ、「ゴールを設定したもののその方法が分からない」という場合でも、きちんと脳が必要な情報を見つけ出してくるということです。
(例えば、ゴールを知っている人の情報をツイッター上で見つける、ブログで見つけるなど)
ちなみに、「願えば叶う」的な文脈で使われる「引き寄せの法則」という有名なものがありますが、それもここで説明がつきます。
(一方、引き寄せの法則で宝くじが当たるみたいなのは眉唾ですね。それはあくまで確率論ですから)
おわりに
以上、イメージトレーニングのやり方と効果が出る理屈でした。
詳細について興味があれば、ぜひ本書を読んでみてください。
なお、本書の内容は平易なのですが、400ページ以上のボリュームがあり、人によってはハードルが高いかと思います。
本書のエッセンスを詰め込んだバージョンとして、ルー・タイスの直弟子の一人、脳機能学者の苫米地英人博士が書いた以下の本がありますので、こちらもオススメです。
(苫米地氏もルー・タイスの「アファメーション」のエッセンスを詰め込む目的で執筆したと述べています)
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!