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福岡で仮想通貨発行?現代の魔術師落合陽一氏とポスト孫・井上和久氏が語る。

こんにちは、シュンです!

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今回は、現代の魔術師とも称される落合陽一筑波大准教授と福岡市のスタートアップ企業社長の井上和久氏との対談記事に基づき、「地方自治体での仮想通貨発行」をテーマに記事を書いてみました。




福岡で独自の仮想通貨を発行か!?

以下、西日本新聞の記事です。

「福岡は、独自の仮想通貨やトークンを発行して財源を集めてはどうか」――。大学准教授の傍ら企業代表など幅広く活躍する落合陽一氏と、福岡市のスタートアップ「グッドラックスリー」の井上和久社長が4月中旬、東京都内で対談した。人口減が進み、社会が縮む「撤退戦」の中、新しい技術や発想が持つ可能性は――。ブロックチェーン技術を用いた自治体の財源確保や地域振興策について深められた対談の内容をお届けする。

 

引用 2018.4.27 西日本新聞経済電子版 「福岡は独自通貨で財源確保できる」 対談:落合陽一氏×グッドラックスリー・井上社長 縮む地方、新技術の可能性は(http://qbiz.jp/article/132710/1

 

実際に福岡で仮想通貨を発行しようという話が行政レベルで進んでいるわけではなく、あくまでアイデアとして、「福岡コイン」をはじめとした自治体における仮想通貨の活用についてお二人が語っています。

 

「現代の魔術師」とも称される落合氏とドリームインキュベータ出身でポスト孫(正義)候補とも言われている井上氏という日本の最先端を走るお二人のお話は、自治体の未来を考える上で非常に示唆に富む内容になっています。

 

行政と仮想通貨について

今後、国は確実に仮想通貨を発行することになる

以前別の記事でブロックチェーン技術について少し触れましたが、仮想通貨を支えるブロックチェーン技術には「改ざんが不可である」という非常に重要な特性があります。

関連記事最先端の都市は石川県加賀市?ブロックチェーン技術で人口減少に立ち向かう。

 

今後、世界各国は間違いなく仮想通貨を発行する方向に動いていきます。

なぜなら、改ざんが不可能なので偽コインを作ることができない上に、紙幣発行コストがほぼ0になるからです(1万円札なら1枚あたり30円程度の発行コストがかかっています)。

 

地方自治体が仮想通貨を発行する目的は?

国の仮想通貨発行については、要は紙から電子にしてコストを抑えましょうというのが主目的になるわけですが、地方の場合は少し観点が異なり、以下のお二人のやり取りにもある通り、まさに投資をしてもらうために発行をするというのが主な目的になってくるでしょう。

(もちろん、単純に地域の中で住民がお金を便利に使えるようになるという意義もありますが、それだけでは経済的なインパクトはあまり期待できません)

 井上和久氏 私も、地方自治体が大きなイノベーションを起こすには、国に依存せず、地方財源を新しく生み出す仕組みが必要だと感じている。

 落合 中央に税金を集めて、地方に再分配するだけでとても間接費がかかる。福岡は街中に中国語や韓国語の標識がある。ベトナムやインドネシア、タイなどの仮想通貨を発行したい人のハブになる可能性もある。

(中略)

井上 お土産、飲食、移動などで全て「福岡コイン」が使えたらいい。期間中は何%のポイントアップみたいなメリットも付けて。僕は、例えばサッカーJ2アビスパ福岡の「アビスパコイン」があったらいいと、勝手に思っている。スポーツには試合結果があって、コインの評価もしやすい。価格の変動は、人の情動を刺激し、マネーを呼び込める。応援している飲食店でも使えたら、コインとしての価値を担保できる。

 

引用 2018.4.27 西日本新聞経済電子版 「福岡は独自通貨で財源確保できる」 対談:落合陽一氏×グッドラックスリー・井上社長 縮む地方、新技術の可能性は(http://qbiz.jp/article/132710/1

 

井上氏のコメントにもある通り、「福岡コイン」のように地域限定でお得に使えるようなコインを発行することによって投資マネーを集めるという感じになるのでしょうが、結局は投資=将来性に期待して行われるものですから、何よりもその地域に魅力が無いとマネーは集まらないでしょう。

 

落合陽一氏 福岡市のスタートアップ支援に取り組む姿勢は面白い。きっとお金を出す投資家は多く、良いコミュニティーができるだろう。仮想通貨は、海外の「仮想通貨取引所」にも上場すると良いが、福岡は地理的にも韓国や中国など取引所がある国に近い。

 

引用 2018.4.27 西日本新聞経済電子版 「福岡は独自通貨で財源確保できる」 対談:落合陽一氏×グッドラックスリー・井上社長 縮む地方、新技術の可能性は(http://qbiz.jp/article/132710/1

 

落合氏の言うように、韓国や中国に近い福岡だからこそ、海外展開の広がりなどの可能性もあって面白そうなのですが、正直自治体によっては厳しいかな(アイデア次第でしょうが)というのが率直な意見です。

そういう意味では、ある程度場所を選ぶのかなという感じはしますね。

 

ちなみにお金を使われる店舗側から見れば、クレジットカードより大幅に決済手数料が落ちる(クレジットカードが5〜8%のところ仮想通貨なら1%程度で済む)メリットがありますので、クレジットカード以上に取組みには積極的に関与し易いかなとは思います。




自治体がジリ貧なのは間違いない、なら時代の流れに乗るしかない

日本全体の大幅な人口減少がほぼ確定している以上、地方自治体はどうやっても基本的にはジリ貧です。

 

どうにかして人口減少に対抗するとすれば、時代の流れに乗るしかない。

時代の流れの主軸はブロックチェーン、AI、IoTですので、仮想通貨は自治体側が未来にかける投資としても非常に大きなリターンが見込め得る案件の1つであると言えるでしょう。

 

一方、波に乗るのであれば、スピード感が絶対に重要です。

先行していくつかの自治体が○○コインを発行し、そのうちに各自治体が追随していくといったお決まりのパターンが目に見えるようですが、追随するところに関しては、せいぜい地元民に地元の買い物で使われます程度の話で終わりでしょう。

それもそれで住民にとっては便利かもしれませんが、人口減少による経済衰退に一矢報いるほどのイノベーションにはなり得ません。

 

それどころか、地方でコインを発行するために色々と人材などが必要だから、その費用を国が補助して・・・みたいにむしろ税金の浪費をする方向に行くような笑える(笑えないですが・・・)構図も想定できます。

 

厳しいようですが、他者の様子を見ながら同じようなことをやろうとする発想を取ろうとする自治体であれば、他の多数とともにジリ貧の道を歩むしかありません。

 

おわりに

落合氏が「中央に税金を集めて、地方に再分配するだけでとても間接費がかかる」と言っていますが、まさにその通りで、国が税金の再分配の仕組みを作って(地方交付税やら色んな補助金やら)実行することには多大な時間と事務処理コストがかかり、また、地方が再分配をしてもらうための各種申請の事務処理にも多大なコストがかかっています。

 

この辺りも、ブロックチェーンやAIの活用などでかなり簡素化されていくとは思われますが、中央を介在させず、各自治体が自分たちで好き勝手にアイデアを出し、どんどん投資マネーを集めていくような仕組みには強烈なインパクトがあります。

 

そして、それが簡単に出来るのが仮想通貨のICO(イニシャル・コイン・オファリング=要は新規株式発行の仮想通貨バージョン)であるわけですから、ぜひとも各自治体には積極的に仕掛けて行って欲しいなと思います。

 

今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!

 

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