こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、僕が変だと思っていた公務員の仕事や人事ということで、「役所のこども課に独身者や子育て経験をしたことがない人がいること」をテーマに書いてみます。
【役所の変な仕組み】どうしてこども課に独身者がいるのか?
どこの役所でも、こども関係の部署があります。
児童手当の支給、保育所の入所認定などを行っています。
職種としては、行政職をはじめ、保育士、保健師などが配属されています。
僕が変だと思う点は、子どもに関連する部署にもかかわらず、なぜか子育て経験のない職員(もちろん若い職員も含め)も結構多いということです。
これって、普通の感覚からすればものすごく変なことだと思います。
断言しますが、子育て経験がない人に子育てのことを理解することは100%できません。
つまり、こどもを持たない方が、本当に住民のためになるようなこども関連施策を立案したりすることなんてできません。
(→なお、こどもがいなくても、不妊治療経験がある方がその担当を行うのは適正だと思います(もちろん本人が嫌でなければですが))
もちろん、自分たちが当事者に近い位置に立つことで入れ込んでしまうリスク(例えば明らかに財政バランス的におかしな施策を立案しようとするなど)はありますが、それは最終的に課長や部長が責任を持って判断すればいい話です。
こども課に限らず、例えば介護関連の部署なども同じことが言えます。
それではなぜそんな分かりきったことなのに、そういった配置がなされないのかと言えば、簡単に言えば面倒くさいからでしょう。
結局人事異動も前例踏襲で回しているため、極端でイレギュラーな人事方針を個別に作ると運用が手間なのだと思われます(出来るはずですが)。
ちなみに、僕がいた役所では、こども課には若い方や女性が多い傾向にありました。
そのため、結果的に子どもを持つ方の比率も多かった気がします。
しかし究極的な徹底はしない。つまり「中途半端」なんです。
また、役所は極端を避ける傾向にあります。
つまり、じゃあ農政部なら農家がいいのかとか、土木部なら土建屋の子どもがいいのかとか、商工部なら経営者の子どもがいいのかとか、枝葉に話を広げるのが得意であり、収拾がつかなくなる(→だからやらない)という判断を下す傾向にあります。
(外部の話であれば公平性という観点で話を広げるのは分かりますが、内部は極端で構わないと思います。単に決断の問題ですから。)
本質は、住民のためになる仕事をすることですよね。
だから、経験というその人の強みを活かすのは当然あるべき姿だと思うのですが・・・。
役所に勤務するなら「経験」を重視すべき
ここまで書いてきたこども課の話は一つの例です。
今回一番言いたい肝は、結局評論家には何もできないということです、
一方、役所は評論家養成所的な側面が非常に強いです。
仕事の性質上(事務的な仕事が多い)、経験を軽視し、理屈や論理だけで判断する傾向にあります。
(内部管理の仕事も同様→例えば相手に頼み事をする際にもメールなどで全て済まそうとするなど。一方で、現場感覚を重視する方はまず皆さん優秀な方ばかりでした)
仏教では「月の方角を指し示す指は月そのものではない」という寓話があります。
指は縁起や空などの仏教の真理的な教え、月は内面経験を経て悟った真理そのものを指します。
つまり、人は教えの解釈を学ぶことにこだわりがちだが、あくまで目指すべきは真理であり、それは瞑想などの実践を経て辿りつくものだよという物事の本質を示したお話です。
別に公務員の世界に限りませんが、理論(指)ばかりを重視し、実際の体感覚に落として物事を判断(月)しなければ絶対におかしな方向に行きます。
百聞は一見にしかず。
経営者になりたければ経営の勉強をするよりも経営者になってみる。
投資家になりたければ投資の勉強をするよりも投資家になってみる。
その上で走りながら勉強をしていくというのがうまくいく人のパターンです。
子ども課の例は極端と思われるかもしれませんが、要は理屈でばかり物事を考えているので、常識で考えるとおかしなことをやってしまうわけです。
→何の役にも立たない無駄な施策を提案・実施するのも然り。スピード感の無さも然り。
より良い行政マンであるかどうかの分岐点は、経験にあると言っても過言ではないでしょう。
おわりに
色々書いてきましたが、「組織」は基本的に変わりません。
大きな組織ほど変わりません。
結局のところ、どうにもならないことに対してああだこうだ言っても仕方がない部分があります。
しかし、個人レベルでの行動は変えられます。
例えば、まだ若手で子どももいないのにこども課に配属されたらどうするか?と言えば、その中で最善を尽くす、つまり、子育てをしている友人に会いに行き実際の悩みを聞くなどの実践をしてみる。
あくまで次善の策ですが、何もやらないよりは100倍マシです。
また、こういったマインドを持っていれば、別の課においても経験に基づくより良い判断ができます。
現役公務員の方であれば、役所の変な習慣(評論家的習慣)に染まらず、住民にとってより良い仕事ができるよう工夫していくことが重要だと思います。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!