こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
先日、現役公務員の方のこんなツイートを見ました。
公務員から民間への転職活動について、端的に総括すれば以下の2点。
【1点目】
書類選考は意外と通る。転職も出来る。ただ、待遇を追求するのであれば面接での戦略が必要。【2点目】
本当に皮肉ですが、一部の民間よりは、圧倒的に公務員のが優秀じゃない?って思った。— オラフ@地方公務員9.0 (@keito239) 2019年5月29日
内容の2点目、公務員と民間ってどっちが優秀?という話について僕なりの視点で書いてみたいと思います。
本記事の内容
- 公務員と民間はどちらが優秀?【質の違い】
- 公務員は守り、民間は攻め
- 僕の経験上、優秀な人の割合は圧倒的に〇〇に多かった
僕自身は県庁に10年、そのうち銀行に2年出向、そして独立して2年弱ということで、経験値としてはそれなりにあるかなと思いますので、これらの視点を踏まえて書いてみます。
公務員と民間はどちらが優秀?
質の違いだ!
こちら、僕の大好きなマンガ「幽遊白書」の1シーンです。
引用:幽遊白書完全版13巻より
「質の違い」
公務員と民間の違いについて考える際、最もそれを的確に言い表す言葉はこれだろうと思ったので取り上げました。
上のセリフの場面についてざっくり説明すると、
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という感じです。
魔界には圧倒的な強者がいて、霊界の者たちは力を合わせても到底敵わない。
しかし、霊界は連携することでどんな圧倒的強者もこちら側に侵入できない結界を築くことができる。
つまり、質が違う、我々は守に長けているんだと説いてるわけですね。
公務員は守り、民間は攻め
公務員と民間の関係も、上でとりあげたシーンと同じような関係にあります。
つまり、公務員は徹底的に守、民間は徹底的に攻であるということです。
【守】公務員の特徴
まず、公務員の特徴としては以下のようなものがあります。
- 全ての人たちにバランスよくサービスが届くように目を光らせる。
- 様々な議員、団体、企業などとの利害関係調整を重視する。(例えば、ある工事を民間一社と組んでやるのが最も安く効率的であったとしても、あえて多くの企業を絡ませ、また地元企業へお金を落とす仕組みを作る)
- 民間事業者が法律を守っているかどうかをきっちり見張る。
- (財政的に苦しいこともあるが)部局間や地域間のバランスを考慮し、そう簡単に新たな事業を実施しない。(特に前例のない事業について、失敗するリスクが想定できないとやらない)
つまり、資金使途、利害関係者、規制面など、全てのことにバランスを取ってうまくやろうとするのが公務員の特徴です。
ある意味、その気遣いというか、視野の幅広さは民間を凌駕するものがあると思います。
そんなところまでやるの?と思われるような細かなところまで詰めるのも得意です。(もちろんそれに意味がないものも数多くあったりしますが・・・)
一方、周りに配慮をすればするほど、施策の効果(ターゲットが分散すればその効果は弱まる)やスピード感は薄れていきます。
【攻】民間の特徴
民間の場合、利益を生み出してナンボです。
綺麗事言ってたら会社は潰れます。
だから、どうやれば儲かるかを考え、動き続けるしかない。
そのため、
- お客様全員に公平なサービスを提供するというよりも、リターンを多く生み出してくれるお客様にどれだけ多くの資本を投下して効率的な経営ができるか。
- 儲けるために、どう相手の心理を読むか。
- 競合他社をいかに出し抜くか。
など、どうすれば効率がもっと良くなるか、どうすればより付加価値の高いサービスを提供できるかを考え、とにかく貪欲に行動する傾向にあります。
その一方で、あまりにもリターンを考えすぎるあまり、それは本当にお客様のためになるのか?と思えるような行動(銀行で言えば投信の販売などはその最たるものでしょう)に出るケースもあったりします。
僕の経験上、優秀な人の割合は〇〇に多かった
そんなわけで、公務員も民間もそれぞれ一長一短があります。
まさに質の違いですね。
じゃあ、どっちが優秀というのはないのか?と聞かれれば、
ぶっちゃけ、仕事面で優秀な人の割合は、圧倒的に民間のほうが多かったというのが率直な感想です。
(銀行時代に接した銀行員や大手企業の同世代の人たちと県庁の職員を比較した場合)
これはなぜかと言えば、
守りか攻めかによって大きく頭の使い方が違ってしまい(→できない理屈を考える(守)、どうやればできるかを考える(攻))、この思考に結果が依存するから
だと考えます。
究極の目的は一緒
結局のところ、公も民も究極的な目的は同じです。
それはお客様への価値提供です。
しかし、守りがベースの思考になっていると、この目的意識はどんどん希薄になっていきます。
例えば、公平性を重視して誰にも幅広くサービスを提供しようとすればするほど、誰にとっても大して役に立たないサービスができます。
そこに「大衆」というお客様らしき人はいますが、リアルなお客様は存在していません。
できるだけ無難な方向でおさめようという考えがベースにあれば、やらない理屈はどんどん上手になりますが、やるための打開策は決して思い浮かびません。
一方で、攻めがベースの思考であれば、リターンを得るために何をすればいいかを貪欲に考えることになります。
できないなら、どうやればできるか?を考えます。
この思考は結果的に、お客様への価値提供という目的に直結します。
→結局のところ、最大のリターンは価値提供の結果としてしか得られないため。
(先ほど、自分のリターンを優先し、相手のリターンをおろそかにする傾向がありがちと書きましたが、こうしたケースは結局淘汰されますので、最終的には顧客価値に徹底的に向き合ったところが勝つようにできています。)
やらない方向で考え続けた思考と、やる方向で考え続けた思考。
お客様への価値の提供という大きな目的をベースに考えた場合、両者に差が出るのは必然だと思います。
おわりに
ここまで書いてきたことは、「優秀」が何を指すかによってまるで異なります。
労力をかけずに給料を得ることを「優秀」と考えたり、
数ある関係者の利害調整をおこない、どっちつかずの路線で仕事を進めることを「優秀」と考えたりするのであれば、
むしろ公務員のほうに優秀な人が多いかもしれません。(別に嫌味ではなく)
ただ、「顧客に価値を生み出す」というビジネスの基本を前提に考えるのならば、
その能力は圧倒的に民間に分がある、その理由は思考(つまり守りか攻めか)に原因がある
というのは正しいだろうと思います。
→これは、独立後自分で色々経験したり、また数多くの成功者を見てきて間違いないと確信してます。(全ての行動や結果は「考え方」に基づいています)
別に、どちらが良いとか悪いとかを論じたい訳ではありません。
また、民間も企業によって、公務員も国や自治体によって色々差はあるでしょう。
しかし、平均的な傾向を知っておくと便利です。
例えば、もし民間と公務員で迷っている方の場合、上記の違いを押さえておけば、よりその判断がしやすくなると思います。(また、自治体間の比較材料として、守か攻のどっちの傾向が強いかという点を検討しようという考えにも繋げられます)
また、現役公務員の方であれば、他の公務員の方から優位性を生み出すためのヒントになるのではないかと考えます。
(→例えば、予算がなくてもできる理由などを積極的に考えるようにする。もしくは、やるべきでない(中途半端な価値提供になってしまうもの)ことはすっぱりやめる決断をするようにする。など)
重要なのは、公務員と民間の思考の違いを踏まえた上で、自分はどちらに立つべきか、また、立った側のスタンスと自分の思考や信念が異なっていた場合に何をすべきかという点を考え、実践することだと思います。
今回の話がその一つのきっかけとなれば幸いです。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!