こんにちは、シュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、僕が興味を持った話題ということで、石川県加賀市がブロックチェーン都市を目指すという日経新聞の記事をテーマに書いて行きます。
人口減少が進む局面において加賀市は一体何をしようとしているのか?
公務員の将来像について興味のある方にもオススメです。
ブロックチェーン都市を目指す石川県加賀市
以下、4月10日の日経新聞記事です。
仮想通貨の中核技術、ブロックチェーン(分散型台帳)を電子行政や産業育成に活用しようという構想が石川県加賀市で動き出す。大阪のIT(情報技術)企業2社と組み、安全性を保ちながら行政手続きなどを効率化する実証実験に2018年度から着手する。自治体では先進的な取り組みで、最先端の研究施設を誘致し、産業集積と雇用確保にもつなげる。
〜中略〜
具体的な実験内容は今後詰めるが、将来はマイナンバーと連携させて証明書の発行手続きを簡素化したり、行政文書を電子記録で管理したりする用途を想定する。
引用元
2018.4.10 日本経済新聞「電子行政拡大へ実験 加賀市、ブロックチェーン活用」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29230110Q8A410C1LB0000/
こうした新しい技術には積極的に関与せず、いずれ普及したら採用するという保守路線が一般的な自治体のスタンスですから、ある意味自治体らしからぬ非常に興味深い取り組みです。
具体的な内容はまだこれからということでしょうが、職員削減、残業代削減、より有意義なことに職員の頭を使う時間を増やせる、ブロックチェーン関連企業の誘致などといった成果が見込めるように思います。
ブロックチェーン技術は確実に世界を変える
ブロックチェーン技術とは、ものすごーくざっくり言えば、電子データの改ざんが不可能になる仕組みです。
(ここでは技術的なことは解説しません)
改ざんが出来ない=正しいものということなので、同技術に基づく電子上のあらゆる手続きは真正性を担保されるということになります。
(紙で手書きをしてあるもののほうが信頼がおけて、電子上のやり取りは信頼がおけないみたいな話が一切無くなります)
元々は仮想通貨のビットコインを支える仕組みです。
ビットコインの登場までは、電子上の通貨を作ろうとしても、勝手に複製されたり、二重払いをすることができてしまうといったことを防ぐことができず、本当に有効な電子通貨は存在しませんでした。
ビットコインが誕生する際に、改ざんを防ぐ仕組みとしてブロックチェーン技術があわせて示され、これなら改ざんが出来ないということでビットコインが通貨としての効力を持ち、また、この技術をベースにその他様々な仮想通貨が作られてきたという歴史があります。
偽札は作れても偽コインをつくることはできません。
紙幣の発行コスト(要は紙の印刷代)もかからないので、例えばロシアはルーブルの仮想通貨を作ることを公言していますし、おそらく今後ほとんどの国において法定通貨(ドル、ユーロ、円など)の仮想通貨化が進むことになります。
前置きが長くなりましたが、データ改ざんを防ぐこの技術はあらゆる電子手続きに応用できるのではないかということで、様々な分野でのブロックチェーン技術応用が世界中で進められています。
仮想通貨を否定する人はいても、ブロックチェーン技術を否定する人はほとんどおらず、インターネット登場以来の破壊的(旧来の仕組みを全てぶっ壊すという意味)な革新であるという評価が一般的になっています。
行政にどう応用するのか?
あらゆる行政上の手続きは電子化されていく
ブロックチェーン技術を用いることで、あらゆる行政上の手続きが電子上で完結できるようになっていきます。
補足
ブロックチェーンを使わなくても電子化は出来るのですが、それだけ頑強なセキュリティ上の仕組みを構築しなければならず、そのコストが大きいです。
しかも、中央のセキュリティが突破されたら終わりです。
ブロックチェーン技術によって、圧倒的低コストで、しかも改ざん不可という超高レベルのセキュリティを持つ電子行政が実現可能になります。
若干技術的な話になりますが、中央に全てのデータが保管されているわけではないため、どこか1箇所を攻撃すればセキュリティを破って情報を盗み出したり改ざんしたり出来るというものではありません。
例えば、様々な手当の申請、住民票取得、登記、選挙投票などなど。
印鑑持って役所に出向いて書類に手書きをするなんて原始的な仕組みは一切消え去ります。
選挙なら、二重投票をしたり結果を書き換えたりすることは出来ない上、集計も即時ですから、体育館に紙を広げてみたいな、時間と税金(開票している人の人件費)の無駄をなくすことが出来ます。
また、行政に限らずそうですが紙ベースの書類保管は大きなコスト(場所の確保や管理の手間)になっています。
ここのコストも極小化できるということになります。
森友問題で文書の改ざんが話題になっていますがこれも不可能になります。
また、家を建てる時であれば、所有権の移転の関係などで、土地や建物の登記に司法書士が仲介者として絡むことで、凄く無駄なお金や時間がかかります。
ブロックチェーン技術により、電子上で簡単に権利移転が行えるようになるため、この辺の仲介業も消滅していく流れでしょう。
ぶっちゃけ、行政に関連する手続きって時間の無駄じゃないですか?
たまに何かの手続きで役所に出向かなければならないことがありますが、はっきり言って時間の無駄だと思います。
自分の人生に意味のある時間を少しでも増やすためにも、こうした余計な手続きにかかる時間は0に近いほうがいいと思います。
そして、その方向に進化してきたのが人間です。
また、その手続きをさばく行政側の仕事はぶっちゃけただのルーチンですので、職員の頭をとても非効率的に使用する非生産的なものです。
(そういう手続き系の仕事に安穏としている公務員が多いのも事実ですが)
将来的に、ブロックチェーン、AI、IoTの組み合わせで、この辺のルーチンは全てオートメーション化され電子上で完全に完結されていくことになるでしょう。
おわりに
ブロックチェーン技術(AIやIoTと組み合わせたもの)が今後世界の中心になっていくのは間違いありません。
なお、投資の鉄則として「人口」と「時代の流れ」を見るというものがあるのですが、日本は「人口」はもうダメです。(東京は当分大丈夫ですが)
であれば「時代の流れ」に乗るしかない。
ブロックチェーンという「時代の流れ」に乗ろうとする加賀市の取り組みは、行政の生き残りをかけた非常に素晴らしいチャレンジであると考えます。
記事の中にこうした一文があります。
加賀市がITを核にした産業振興を急ぐのは、人口減少と人手不足の深刻化に対する危機感がある。ピーク時に8万人を超えていた人口は6万7千人ほどに減少。若者の流出も続き「魅力ある就職先や教育の場の提供が急務」(イノベーション政策課)とみている。
引用元
2018.4.10 日本経済新聞「電子行政拡大へ実験 加賀市、ブロックチェーン活用」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29230110Q8A410C1LB0000/
加賀市は現状と将来を冷静に見つめた上でこの戦略を取ったということです。
結果はともかく、その判断については、よく分からない町おこしイベントを行う自治体と比べて圧倒的に合理的であると言えます。
このように、未来を読む方向に頭を使った自治体は生き残り、そうでない自治体は消え去っていくことになります。
特にこれから公務員を目指す人などは、人口の地域予測もよく調べた上で、そこに対してどのような対策を打っていこうとしているのか?という点もよく見極めていくことをオススメします。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!
>>こちらの記事もオススメです。
2045年人口から見る企業と公務員の将来。給料は下がり、仕事はAIに取られる?