こんにちは、元公務員ブロガーのシュンです!
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参院選の期日前投票に行ったら、役所の人件費とか立会人の人件費とかマジ無駄だなと率直に感じたので、選挙費用の分析をしてみました。
本記事の内容
- 参院選の人件費は200億オーバー?
- コストカットの対応策【電子投票】
期日前投票で暇そうにしているおっちゃん、おばちゃんたちの日給は1万円近いです。
参院選の人件費は200億オーバーと推計
先日、参院選の期日前投票に行ったところ、役所の人とか立会人の人がホント暇そうに仕事してたので(立会人はベラベラくっちゃべりながら仕事してました)、完全に人件費(税金)の無駄遣いだなぁと感じました。
そもそも国会議員って多すぎない?といった選挙そのものの話は置いておくにして、ブロックチェーンやら仮想通貨やらAIやら自動運転やらという話が出ているご時世に、こんなアナログなやり方を続けて人件費垂れ流すのって一体どうなんだ?と率直に疑問に思ったわけです。
そんなわけで、果たして人件費の内訳はどうなっているのかを分析してみました。
以下、前回参院選(2016年)に関する総務省のレビューシートより経費を抜粋します。
ということで、選挙の経費総額528億のうち、大半が都道府県(58億)・市町村(428億)への選挙事務委託費ということが分かります。
ここに多数の人件費が含まれます。
都道府県と市町村の中で最も金のかかっている東京都と横浜市の内訳が以下。
つまり主な人件費は、市町村における投票所経費・開票所経費・期日前投票所人件費で、横浜市はそれぞれ2億8000万+1億4500万+6100万で計4億8600万。
よって、横浜市の場合、トータル経費9億1500万のうち53.1%が人件費。
市町村全体の経費が428億4100万なので、ここに53.1%をかけると、227億7500万円。
つまり全体経費528億のうち228億近くが投票所やら期日前投票やらの人件費であるということが推計できます。
なお、さらに具体的なレベルで言うと、立会人については一人当たりだいたい9000〜13000円程度の報酬が支払われています。(各地方自治体の規則で確認できます)
いやいや、実質ただ座ってるだけなのにそのお金って一体・・・。
特に暇そうにしてる期日前の立会人を見ると強く思いましたね。(→投票日の立会人はもう少し気を張ってるのかもしれませんが。)
コストカット対応策【電子投票】
コストカット策として考えられるのは電子投票の導入です。
どちらかと言えば投票率UPに視点が置かれてるのが電子投票ですが、完全に実現すれば開票・集計作業はほぼ0になりますので、大幅なコストカットが可能になります。
とは言え、国政レベルで電子投票(自宅のPCから投票可能)を導入している国はエストニアくらいしかないですし、エストニアでも紙の投票を併用しています。
ただ、2019年3月の国政選挙では56万票中24万票が電子投票で実施されたということであり、その分立会人や開票作業において大幅なコストカットが実現していることが想定されます。
ちなみに、そんな先進国エストニアで最初に電子投票がおこなわれたのは2005年の地方議員選挙なのですが、実は日本はそれより早い2002年から地方で電子投票が解禁されています。
しかし、2003年の可児市の市議選挙でサーバーダウン、投票数が狂うなどの問題が発生、その後下火となり、2019年4月に青森県六戸町が紙の投票に戻したことで、現在電子投票をする自治体はないという状況にあります。
エストニアと日本のコントラストは非常に興味深いですね(要はリーダーシップの問題だと思います)。
一方、2000年代前半では、不正投票も含め、電子投票に大きなリスクがあったのは間違いありません。
しかし現在はブロックチェーン技術の登場により、電子投票を取り巻く環境そのものが大きく変化しています。
→ブロックチェーン技術とは、要は改ざんができない電子上の仕組みです。
実際、アメリカのウェストバージニア州ではブロックチェーン投票アプリを用いた連邦議員選挙が国内で初めて実施されるなど、諸外国でも実験が進んでいます。
おそらくですが、数年でブロックチェーンを用いた電子投票は世界中で主流になっていくでしょう。
日本も放っておくと取り残された状況になり、結果的にいつまでも無意味な人件費を垂れ流し続けてしまうことになると想定されます。
おわりに
今回は、電子投票を導入しましょう!という話をメインでしたいわけでなく、あんなに生産性が低いのに、日給がやけに高いバイトが公然とおこなわれていることに対して個人的にすごく疑問を感じたので記事を書いたというのがあります。
ネットでなんでもできる時代に、あんなに人をたくさん配置させて、多くの人件費を払って選挙をやるんだろう?という疑問を持つのはそれなりに大切なことだろうと個人的には思います。
なお、日本のトータルGDPは世界3位ですが、一人当たりGDPで見ると25位ほどです。
日本人は働きすぎだと言われるほどに労働時間は多いわけですが、生産性で見ると圧倒的に低い。
投票所の姿を見ていると、その生産性の低さをすごく象徴しているように感じてしまいました。
(もちろん民と公でさらに労働生産性が違うという議論は承知の上で)
そして、電子投票のくだりで話した通り、世界各国がブロックチェーンという便利な技術を選挙に積極的に応用していこうとしている中、日本でそうした動きが見えてこないことにもすごく危うさを感じています。
今後日本は人口が圧倒的に減っていくからこそ、生産性を上げるために最先端の仕組みをどんどん活用し、他とは違うことを国主導でやっていかないと難しいだろうということを選挙に行って改めて感じたところです。
今回も貴重なお時間の中で文章をご覧いただきまして、本当にありがとうございました!