こんにちは、元公務員のシュンです!
いつも当ブログをご覧いただき感謝しております。ありがとうございます!
今回は、公務員の給料って低い?高い?がテーマです。
総務省統計(H30地方公務員給与実態調査)や厚労省統計(平成30年賃金構造基本統計調査)に基づき、公務員と民間の生涯年収を徹底比較しました。
公務員の年収が民間の上位何%くらいのところに位置付けられるのかが分かります!
本記事の内容
- 地方公務員(都道府県庁・市役所・町村)VS民間企業(規模別・正規非正規別)で生涯年収を比較
- 公務員の年収は高いのか安いのかについて、僕なりの考察
元県庁10年勤務で、財政課や銀行出向など数字関連部署が長かった経験を活かし、統計データを独自の切り口で整理していますのでぜひご覧ください。
公務員は民間の上位20〜45%の幅の生涯年収を得ている!
総務省と厚労省の統計をベースに推計した、公務員と民間企業の平均年収と生涯年収の一覧を下の表にまとめてます。
ちょっと数字が細かいので、先にざっくり結論を示すと、以下のような感じです。
- 公務員は都道府県庁約2億4500万、市役所約2億4000万、町村約2億2000万
- 公務員を明確に上回るのが、労働者1000人以上規模企業の大卒正社員で約2億9000万(民間全体の約19%)
- 公務員と同じくらいなのが、労働者1000人以上規模企業の高卒正社員で約2億3500万、労働者100〜999人規模企業の大卒で約2億3000万(民間全体の約26%)
- 他の規模の民間正社員(民間全体の40%)は公務員のほうが概ね5000万以上、非正社員(民間全体の15%)は概ね1億円以上上回る。
- よって、公務員の生涯年収は、1000人以上大卒(民間の上位19%)よりは少なく、1000人以上高卒と100〜999人以上大卒(民間の上位20〜45%)の範囲に含まれる。
つまり、公務員の生涯年収は上位20〜45%の中に位置付けられると考えられる。(都道府県や市はやや高め、町村はやや低めの位置)
以下が詳細の表。
区分 | 平均年収(年齢) | 生涯年収(手当・ボーナス全て込み・退職金除く) | 人数 |
都道府県一般行政職高卒 | 6,568,000円(44.3歳) | 244,513,000円 | – |
都道府県一般行政職大卒 | 6,608,000円(41.5歳) | 247,925,000円 | – |
市役所一般行政職高卒 | 6,446,000円(44.3歳) | 238,522,000円 | – |
市役所一般行政職大卒 | 6,178,000円(39.5歳) | 241,395,000円 | – |
町村一般行政職高卒 | 5,957,000円(43.2歳) | 225,020,000円 | – |
町村一般行政職大卒 | 5520,000円(38.8歳) | 220,012,000円 | – |
1000人以上高卒正社員 | 5,913,000円(42.9歳) | 235,816,000円 | 2,004,050人(11.6%) |
1000人以上大卒正社員 | 7,281,000円(39.6歳) | 288,876,000円 | 3,260,700人(18.9%) |
100〜999人高卒正社員 | 4,514,000円(42.9歳) | 184,167,000円 | 2,419,570人(14.0%) |
100〜999人大卒正社員 | 5,878,000円(39.9歳) | 231,627,000円 | 2,515,250人(14.6%) |
10〜99人高卒正社員 | 3,952,000円(45.1歳) | 160,749,000円 | 2,668,090人(15.4%) |
10〜99人大卒正社員 | 4,873,000円(41.8歳) | 188,224,000円 | 1,198,920人(6.9%) |
5〜9人高卒正社員 | 3,728,000円(46.7歳) | 150,025,000円 | 469,320人(2.7%) |
5〜9人大卒正社員 | 4,719,000円(44.9歳) | 174,994,000円 | 161,320人(0.9%) |
1000人以上高卒非正社員 | 2,897,000円(46.8歳) | 116,070,000円 | 760,460(4.4%) |
1000人以上大卒非正社員 | 3,992,000円(45.8歳) | 139,055,000円 | 301,130人(1.7%) |
100〜999人高卒非正社員 | 2,699,000円(50.0歳) | 109,774,000円 | 758,760人(4.4%) |
100〜999人大卒非正社員 | 3,688,000円(48.9歳) | 125,641,000円 | 231,410人(1.3%) |
10〜99人高卒非正社員 | 2,530,000円(51.3歳) | 102,178,000円 | 401,360人(2.3%) |
10〜99人大卒非正社員 | 3,251,000円(49.9歳) | 115,123,000円 | 88,540人(0.5%) |
5〜9人高卒非正社員 | 2,376,000円(52.3歳) | 97,474,000円 | 36,530人(0.2%) |
5〜9人大卒非正社員 | 2,834,000円(47.8歳) | 103,888,000円 | 5,360人(0.0%) |
なお退職金は除きましたが、公務員は2100万ほど、大企業は2200万、中小企業(定義は色々あるが製造業なら300人以下・サービス業は100人以下)は1100万円程度です。
つまり規模が小さくなるほど、公務員と民間の差は広がります。(もちろん民間同士の差も広がります)
公務員の年収は高いのか安いのかについて、僕なりの考察
公務員は概ね上位20〜45%程度の位置付けにあるということを書きました。
町村で言えばおそらく金額的に40%とかに近い部分だと思います。
公務員は非採算部門であるためこういう平均になるような設定にしている。
これについてどう考えるか。
多分色々意見がある。
平均より下でいい。難しい試験を通っているのだから当然。公益性のあることやってるんだからむしろもっと貰って憧れる仕事にせよ。
僕は独立して稼いでいるってのと、民間に2年出向経験がある
要は付加価値が重要(簡単に言えばどれだけやくにたったか)
役所の付加価値とは住民の役に立つこと
しかし仕組みとして、スピード意識が低い、無駄な事業はかなり多い(予算だと訳の分からない新規事業がガンガン出てくる)
一方で、各種利権団体とのしがらみ(特に課長級以上)、頑張って削っても評価されない
確かに公務員の労働時間は長い。ただし、付加価値が問題だとすると、僕の視点からするとかなり恵まれている。
(あと、あまりにも平均値を取りすぎていて、もっと格差をつけていい)
それは下っ端ではなかなかできない。